VitaとPS4の話(感想)
このブログは別に「Vitaの最新ニュースをどこよりも速くお伝えする!」というコンセプトも特にないので、Vitaの値下げからこっち、PS4のニュースについてはちょっと大人しくしてた。
PS4の発表自体、Vitaも無関係じゃなかったから何かしら書きたい気持ちでウズウズしてたけど、未確定情報を妄想全開で書くのもいろいろ「お前自重しろ」という気がしたし、そもそも出ている情報がまだまだ不確定な事が多いし。
という言い訳をしつつ、ゲーム機に(ゲームにとあえて言わない)興味がある人にとっては、先日(日本時間 2/21)行われた「PlayStation Meeting 2013」の発表の数々は、いろんな意味で衝撃的だったに違いない。と、書いてみる。
そこで、既にあちこちで「PS4」については発表された内容や噂も含めてまとめられているニュースサイトや、情報サイトも多いけれども、
「一旦ここで自分の考えをまとめるために、過去の自分の妄想記事をまとめてみる」
ことにした。
そういう意味で、完全に自分の為の記事だし、未来のPS4や今後のVitaの話なのにブログ的には古い話ばかり。新しい話はまた別の機会に妄想として書くかも。
クラウドゲーミングについて書いてみた
PS4の今回の発表で、Vitaの話をする以前に大事なというか押さえておかなくてはいけないのはこの「クラウド」という言葉。
これについては、過去記事を書いてる。
関連記事
- 機種依存からの開放とゲーム利用者層のシームレス化 (2012/07/02)
- クラウドゲーミングとVitaの限界の突破について (2012/07/03)
ちょうど、去年 "SCEが 米国Gaikai Inc.を買収" というニュースが躍った時の話だ。
結果としてまさにPS4の話につながっているワケだが、この技術をPS4だけでなくVitaでも採用する様だ。
で、具体的に「クラウドで何が出来るの?」という話は、この時の「限界の突破」の中にいくつか書いている。この時の記事で、今回の話に直接関係ありそうな項目をピックアップすると、こんな事を書いていた。
- クラウドゲーミングによるゲームアーカイブの開放
- セーブしなくてもいいクラウドデスクトップ的利用
- 差別なきマルチプラットホームゲーミング
- ゲームプレイヤーと観戦者の分離と共存
そう、こんな事が出来る様だ。PS4では。
観戦者の分離については、別な記事を書いているので次で触れてみる。
ゲームの録画やオンライン観戦について書いてみた
PS4では「Shareボタン」が強く推されていた。既に発売済みのHDDビデオレコーダーには「遡って録画できる機能」があることを考えれば、特に斬新ではないと言えるものの「あぁ!ゲーム機でそれを使うのか!」と今回の発表で自分が驚いた部分。
まぁ、これはHDDレコーダーだから出来る事であり、Vitaみたいなメモリカードで出来るのか?というと書き込み回数の寿命とかがあるのであまり向いていないと思う。
とはいえ、この「Share」というボタンの意味する所は非常に興味深い。
これについても、過去記事を書いてる。
関連記事
- オンライン観戦版配布の可能性 (2012/2/14)
- Vitaとゲームの録画機能 (2012/02/16)
- Vitaと画面出力と可能性 (2012/06/11)
記事は主にVitaについてだし、的外れなことも書いていたりするけど、PS4ではこの「ゲームプレイの録画」や「SNSなどでの動画配信」などをする事も考えているという。
これをクラウドベースでやるのか、動画投稿サイト、動画配信サイト、各種SNSのどこをどういう風にするのかはまさにこれからの話だろう。だが、標準機能で実装するというのは大変興味深い。
PS4のゲームが遊べる事について書いてみた
正確にはPS4の事は過去には判らなかったんだけど、「クロスコントローラー」という機能について書いた記事の話。
関連記事
- クロスプラットフォームのまとめ (2012/06/05)
- Vitaの「クロスコントローラー」 (2012/06/26)
クロスコントローラーの記事は "PS3/Vita" と "WiiU/3DS" (WiiU 発売前) で書いているので、PS4と考えた時にはもちろん事情は違うんだけど、現時点では「PS4の本体写真すらない状態」なので、仕様を予想するのも無理があるのでしない。
ただ、現時点で判明している情報だけでも「PS3よりはネットワーク関係が強化されている」のは確かなので、この辺りは心配しなくても大丈夫そうという感じ。
公式サイトにはこんな風に書いてあるので、引用しておく。
ソニー・コンピュータエンタテインメント「プレイステーション 4」(PS4)発表
- 通信
- Ethernet (10BASE-T, 100BASE-TX, 1000BASE-T)
IEEE 802.11 b/g/nBluetooth 2.1(EDR)
PS4とVitaをつなぐには十分である。
そして、PS4のゲームは「基本的に」Vitaで遊べるそうだ。もちろん、Vita上でPS4のゲームが動くのではなく、PS4上で動いているゲームをVita上で見て操作出来るだけの話だが、それでも「PS4のゲームはVitaがあれば遊べるよ」でも「あながち間違いではない」と言えるのはすごい事だと思う。
ソーシャル連携について書いてみた
「Shareボタン」でSNSの強化を発表していたが、個人的にはPSNではなく他のSNSとの連携を強調していたのは大変興味深かった。
関連記事
- Vitaと「SNS」 (2012/01/20)
- VitaとSNS連携の今後 (2012/06/13)
- Twitter設定の登録とゲーム連携と (2012/11/21)
- Vitaの学習とSNSとの連携な話 (2013/02/15)
ずいぶんと前からグダグダと書いてる。
ソーシャルについては「肯定的意見」と「否定的意見」が沢山あることは理解が大事。
しかも、日本人はシャイだからか「SNSに興味がない」とか「SNSはもうやってない」という人も決して少なくなく、1つのSNSを継続的に何年もやっている、これからもやり続けるという人は決して多くは無い。
なので「ゲームシステムとしては1つのSNSにこだわらない」というスタンスを取ったんだと思っている。
当然、システムとしては全て最初から何でもは無理だから、順次対応になるんだろうし、それを望まないSNS側の事情もあるだろうし。だから、その辺りの都合が取れた所から連携していく様になるんだと思う。
なお、SNSとゲームの関係というかソーシャルとゲームの関係については、いつかまとめてみたい。
PCゲーム機との違いを書いてみた
今回の発表で「PCゲーム機と変わらない」「PCゲーム機の方が優れている」的な話を結構聞いた。
スペック的な所ではもちろん、いろんな意味で。たとえばフルハイビジョンのTV画面より、PCのディスプレイの方がより高解像度に出来るし、メモリの増設やサウンドボード関係もユーザの好みに合わせられるし、拡張性の面で優れているのは確かだし。
でも、個人的には「ゲーム機」として見た場合は「これは少し違う」と思っていて、それについて過去少しふれた事がある。
関連記事
- UGCとVitaとCGM (2012/08/27)
- ゲームより重要な標準アプリ (2012/06/07)
内容は少し違う部分がメインなのだけど、ポイントは
「ユーザ側の千差万別なPC環境ではなく統一された環境」
であること。しかもそこで
「開発社側はPC版と同じような開発環境を利用できる」
という事であり、ユーザ側にとっての一番のメリットって実は
「高品質なゲームが今まで以上に高サイクルで提供される可能性が高い」
という事だったりする。ここでいう高品質は「ゲーム機として」ではあるものの、ゲーム機としての環境が統一され、開発環境が整っていれば、今まで以上に沢山のゲームを作れる、沢山のゲームが発売されるという事である。
これはビジネスとしての話。
統一されておらず、日々進歩が続くPC環境では、ユーザ側の環境に対応出来ているかを長い時間をかけて検証をしなくてはならないが、その間にまた製品がどんどん進化するという悪循環がある。最新技術に対応していないと、ユーザ側は納得しないし、また最新環境でないユーザは同じ製品でも得られる体験は異なってしまう。
でも、ゲーム機は少し違う。ゲーム機に特化したことでユーザに与えられる体験は格段に向上するし、統一されていることでの出来る事はずいぶんスマートに品質を上げられる。それ、結構すごい事。*1
上の関連記事はちょっと違う視点で書いているけど、そういう事だと個人的には思う。
まとめ (PS4とVitaは相互周辺機器からコンパニオンに)
PSM2013で発表があった個人的に一番しっくりきた言葉。
「PlayStation Vitaは、PS4のコンパニオンになる。」
全体としてはPS4の発表会であり、Vitaとの連携部分については比較的サラりと紹介が終わってしまった感があるけれども、今回のPS4とVitaとの関係を表している言葉としてはこれがすごくスマートな表現だったと感じている。
よく、ゲーム機が発売された時に「周辺機器」という言葉が使われる。
TVやオーディオなどの一般的な「家電」と呼ばれるものは、基本的に製品として独立してる所があり、付属品や交換部品以外となる「周辺機器」ものはあまり存在しないし、あまり必要ともされない。
そういう意味で、「周辺機器」というのは「本体製品」と「親子」の関係にあると言える。
ゲーム機もそうだ。いや、そうだったになるのかもしれない。
ゲーム機の場合は家電に比べて「周辺機器」は非常に重要な立場にあり、本体製品が無ければ使えなかった周辺機器も、周辺機器が無ければ本体製品を楽しめない/遊べないというかなり依存度の高い親子関係だったと言える。
しかし、今回は違う。
PS4にとって、Vitaは必須では無いがあると遊びの幅が大きく広がるものであり、Vitaにとっても PS4は必須ではないがあると遊びの幅が大きく広がるものになる。
そこに親子関係は無い。
立場が上下的であればアシスタントという言い方もあったかもしれない。立場が全く同じならパートナーともいう言い方もあったかも知れない。でも、据え置きゲーム機と携帯ゲーム機という性質の異なるこの2つのゲーム機の立ち位置はそれぞれを補完し合うものだ。それを考えての表現として「コンパニオン」と呼んだのだと思う。
この表現が、個人的にしっくりときた。
PS4にとって、iOS、Androidの各端末もVitaと同じ立場だ。そういう意味では「コンパニオン」と呼べるだろう。
今までと同じように「周辺機器」と理解することもできるが、iOSもAndroidも決して周辺機器とは呼べない何かだ。本体と周辺機器、そういう関係では成り立たない「新しい世界の幕開け」と言えると思う。*2
ま、PS4が売ってないから開けてないけどね。まだ。