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Vitaのアクティビティーとトロフィーと

少し前の話。もうすぐ発売のVita版PSO2のCBT(クローズドβテスト)に参加した時に「VitaのLiveAreaのアクティビティーがずいぶん機能してきたな?」「というか使い方が浸透してきたのかな?」という感じを印象として受けた。

そういう意味で、「既にVitaを使っている人」よりも「そういう事も出来るんだ~」という未だ持っていない人向けの内容かもしれない。


LiveAreaの役割り

今ではすっかり慣れてしまった自分だけど、LiveAreaの存在はVitaを使い始めたころは結構良く判っていなかった。

その頃の記事としてはこんなことを書いていた。

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この頃はまだLiveAreaを「広告の一つ」として見ていた節がある。そして、これは今でも変わっていなくて、実際新作DLCが配信された時や、アップデートが必要になった時なんかにLiveAreaを更新しているゲームタイトルなんかは今でも結構多い。素敵。

ユーザ側がパソコンのブラウザやメールなどでわざわざ更新情報を確認したり、見に行くのではなく、プッシュ型ともいえる形で(ゲームを始める前の)「手元の情報が更新されている」という感覚は、当時としては新鮮で、今では一つの楽しみになっている。

LiveAreaの役割りを5つあげてみるとこうなる。

LiveAreaの役割り
  1. ゲームの起動、ゲーム内機能へのショートカット
  2. アップデートの表示、誘導
  3. 電子マニュアルの表示
  4. ゲーム情報の表示、更新、広告
  5. プレイヤーズアクティビティーの表示

他にも「セーブデータ連動」とか「アプリケーション連携」とかもあるんだけどまぁ、それは置いておいて共通的な所としてはこの5つと言えると思う。

上3つについては今更書く必要はないと思うし、4つ目は以前書いた。

そういう意味で、今回書くのは5つ目の「プレイヤーズアクティビティーの表示」について。


トロフィーとアクティビティー

一般的に、トロフィーというと「戦利品」なんて訳され方をする。

でも、ゲームの世界では「達成度」とか「実績」なんて意味で使われていて、ゲームメーカー側が用意した(そのゲームにおける特定の)「条件を満たすともらえるもの」という形になっている。

まぁ、トロフィーについては導入されてから長いから今更言う事も無いんだけど。


トロフィーと本来の意味では似ていないが、今回注目したいのが「アクティビティー」。

一般的に、アクティビティーというと「活動・行動」なんて訳され方をする。

旅行なんかだと、ツアーのパック以外のオプショナルメニューとして「アクティビティ」なんて言い方がされて、スキューバダイビングだとか、ジェットスキーだとか山菜取りだとか陶器作り体験だとかで使われることもあったりする言葉。

コンピュータというかネットワーク関連の用語だと「活動状況」という意味で使われることが多く、「ログイン中」だとか「離席中」だとか「通話中」だとかそういうリアルタイム情報なんかに使われる事が多い。

だが、VitaのLiveAreaにおける「アクティビティー」は少し意味合いが違ってて、ゲームメーカー側が用意した(そのゲームで)「何をしたのか」に合わせて通知される。

先ほどのトロフィーと並べて比べてみる。

トロフィー
ゲームメーカー側が用意した特定の条件を満たすともらえるもの
アクティビティー
ゲームメーカー側が用意した何をしたのかに合わせて通知されるもの

なんか似てなくない?

そう。パッと見で似ている。

だけどこの2つには性質上大きな違いがあるのだ。


トロフィーとアクティビティーの違い

トロフィー機能とアクティビティー機能の違いを表にしてみた。

トロフィーとアクティビティーの機能比較
  トロフィー アクティビティー 備考
公開/非公開 公開のみ 非公開設定可能  
表示期限 特になし 一定期間/量で消去  
重複取得 不可 制限なし 同一表示可
消去方法 不可 任意で可能 LiveAreaで可能
他者比較 可能 不可  
達成率 あり なし  
確認方法 トロフィー LiveArea  
同期方法 トロフィー起動時 PSN接続時  
保存/管理 サーバ管理 Vita初期化でクリア  
ログイン通知 あり ポップアップ表示可
フレンド機能 連動あり 実行中ゲーム表示可
コミュニケーション 不可 いいね、コメントが可能  
連絡使用 不可 管理者メッセージ表示  
  • 上記はVitaでの操作を想定としたものであり、PS3などの場合は若干異なります。

表にすると判りやすいんだか判りにくいんだかって感じだけれども、ずいぶん違うという事は判ってもらえる・・・といいな。

というか、この比較で一番言いたい事は以下の3つである。一番じゃ無いじゃん!(セルフツッコミ)

トロフィーとアクティビティーの違う点
実績と状況報告の違い
トロフィーは個人の実績であり積み上げるものであるが、アクティビティーはその時点の達成状況の報告・通知が主な用途
簡易コミュニケーション使用の可否
アクティビティーに対してフレンド間で「いいね」や「コメント」を気軽に入れることでコミュニケーションを取ることが出来る(トロフィー取得時に連動される事が多いが、トロフィー取得に限らない)
オーナーメッセージの活用
アクティビティーはフレンドとは異なるオーナー/管理者(ゲーム会社など)からのメッセージを表示することが出来る(サービス連絡、通知および広告などに使用可能)

それぞれについて次で軽く解説する。

実績と状況報告の違い

トロフィーは、個人の「実績」であり、一度取得した物は取得の日時が記録され、トロフィー機能で同期するとサーバに保存される。保存された内容は初期化することは出来ない。この為、何回も取るという事は出来ないし、日時を変更したいという事も出来ない。

この事で「なんかトロフィーって日時が記録されるのが嫌い(怖い)」という人もいるみたいだし、逆に「日時が記録されるから他の人と比較した時に競ったりできる」という人もいる。良し悪しだ。

だけど、アクティビティーは違う。

特にサーバに保存されたり記録されたりすることは無い。

ゲーム側で設定されている条件を満たせば、何度でも表示されるし、表示されたアクティビティーを自分で任意に消したりすることもできる。

この手軽な実績報告は、「トロフィーの代わり」にもなる便利な物と言える。

ただ、私が考える欠点が3つあって、

  1. ゲーム側の設定が緩いと、やたらと沢山出るのでアクティビティーで溢れて困る事がある
  2. Vitaの初期化で消えるので、いちいち最初から表示されるのがウザイと思う時もある(もう慣れたけど)
  3. 隠しトロフィーなどを取得した時に「隠しトロフィー」と表示されるので「それが何なのか」フレンド側は全く理解できない

特に最後。

トロフィーの場合は「自分が取れば隠しトロフィーも表示できる」ので判るんだけど、アクティビティーでは判らない。自分が先に進んでいればトロフィー機能で確認して「すごいじゃん!」「やったじゃん!」と言えるのに、判らないというジレンマ。

これはどうにかして欲しいかな~と思っていたりする。*1

簡易コミュニケーション使用の可否

トロフィー機能自体には「コミュニケーション」をする為の機能は特になく、取得した事を誰かに自慢する事はもちろん、誰かを褒めたりするという簡単なやり取りが出来なかった。

だが、アクティビティーの場合はこの辺りがとても気軽になる。

わざわざ自慢しなくても「システムが勝手に報告」してくれているだけだから、「アイツいちいち自慢してきてウゼェ」という事も無いし、そのアクティビティーに共感したら「いいね」を押せば特にコメントを入れることなく評価する事も出来る。コメントももちろん入れられる。

いいねやコメントを入れると、その内容は次回LiveAreaを更新した時に「アクティビティーの更新」として通知される。これにより、軽いながらも活発なコミュニケーションを取ることが出来る。

オーナーメッセージの活用

フレンドからのメッセージの他、ゲーム会社の管理者、オーナーからのメッセージも同じくLiveAreaにアクティビティーとして表示される。

LiveAreaの更新程の内容でなくても、通知が行われることで「サービスとして継続している」事をアピールする事が出来る。

これ、意外と重要。

今までのパッケージ売りのゲームの場合、一度製品として市場に出回ったゲームについては、ユーザ側からの積極的なコンタクトが無い限りは、ゲーム会社側からのコンタクトは事実上出来なかった。

だが、LiveAreaを使う事はもちろん、アクティビティーでのコメントを活用することで、ユーザ側からではないゲーム会社側からの積極的なコンタクトをする事が出来る様になっている。オンラインのゲームに限らずだ。

たとえばトレジャーパークでは、定期的に「ユーザランクの統計情報」や「ゲームのTIPS」が送られてきたり、オンラインゲームの場合はVitaゲーム側のアップデートは不要でも、サーバ側のアップデートがあったことを通知したり、メンテナンス予定の情報を通知したり。

コメントし合う相互コミュニケーションという使い方ではないものの、ゲーム会社側からのコンタクト手段がゲーム内の機能ではなくゲーム機側の標準機能としてあるという事は、ゲーム会社側の負担も減るし、サービス継続アピールにより買ったユーザ側に安心感を与えることにもなる。結果として、ゲームそのものの寿命を延ばすことも出来る。*2


LiveAreaでのアクティビティーコミュニケーション

VitaにおけるLiveAreaは、ゲームの起動画面という以上に「コミュニティー」になっている。

いや、「コミュニティー」と呼ぶのも少し違和感がある。コミュニティーというともう少し大きな感じがあるが、LiveAreaのコミュニケーションはとてもとても小さい範囲だ。

だが、決して閉鎖的なという意味でのクローズドではない。

自分のアクティビティーはフレンド意外には見えなくても、フレンドに送ったいいねやコメントはフレンド以外の人も見れるし、自分もまたフレンド以外の人がいることを実感できる。

そういう意味では、様々なSNSにおける「日記とコメント」に近いものと言えるが、別に日記を書く訳じゃないし、その文才みたいなものも必要としない。あくまでも自分がプレイした記録がそこにアクティビティーとして随時記録され、それが一つの記事となってフレンド間でコミュニケーションを取れるものだ。

そう、LiveAreaは「アクティビティーコミュニケーション」の機能を兼ねている。

足跡機能があるワケではないし、それを押しつけるものでもない。

だが、この機能は「ものすごく簡易的なSNSだ」として考えるとしっくりくると思う。


まとめ

VitaのLiveAreaについては非常に活発に利用されている・・・というイメージがある。

普段、PSNには特につながず、またフレンドもあまりいない人であると、それに気がつかないという事も多いかもしれないが、アクティビティーを公開しているフレンドがいると、比較的小まめにアクティビティーは流れてくるし、ユーザとしてだけではなくオーナーコメントも比較的良く流れてくる。

正直、最初の内はトロフィーの取得情報が流れてくるだけだったから「それならトロフィーで見ればいいんじゃね?」と思っていたが、システムソフトウェアのアップデートで「いいね」が付けられるようになったり、「Vita起動時のスタート画面にアクティビティーの更新情報がアイコン付きで表示される」ようになったり、トレジャーパークで連続記録が表示されてフレンドのがんばりがリアルに感じられたりするうちに、結構便利だな?と思うようになった。

そして、冒頭の話。PSO2のVita版CBTの時にトロフィーは機能としてなかったものの、「称号」がアクティビティーに表示されることに気が付き、「あ、これは保存されない実績、トロフィーの代わりとして使うのもむしろありなんだな」と思い至った。そう、トロフィーが取れないゲームでも利用出来るし、一度しか取れないトロフィーの代わりに、何度でも取れるトロフィーとしても活用出来るという。様は使い方次第だな、これ!と。


なお「公開するアクティビティーは個人で設定が可能である」という事は、知っておいて損は無いと思う。

「全部非公開」というのも当然可能ではあるし、「公開ってなんか怖い」というのも心理的な面で良く判る。だからそれはもちろん大事だと思うんだけど、他の人(フレンド)が活用しているのを目にしたら、「なるほどそういうことか」と興味を持ってもらえればいいかな?と、思った。

公開の仕方と設定の方法は、公式にもちゃんと説明がある。「フレンドまで」とか。

詳しくはここに。

PS Vita で位置データやフレンドリストなどを公開したくない

フレンドリストやアクティビティーは、(設定) > [PlayStation Network] > [プライバシー設定] より、公開範囲を設定することができます。

*1:個人的には「隠しトロフィー」はあまり好きではない。まさに今回の様にヤキモキするだけだからである。正確な取得条件を隠すのは構わないんだけど、トロフィーの名前や内容ぐらいは表示してもいいんじゃないかな?と思っている。じゃないと、どうやって達成するのかの目途も立たないし。前提として攻略本やWikiを見ろ!は少し違うと思っている所があるので。ま、否定するものでもない訳だけど。

*2:ただ、誤解しないでほしい点としては 「Twitterみたいな相互ではない」という事。ユーザ/フレンド間は相互だが、オーナーは基本的に一方向。なのでこの「オーナーメッセージ」自体は、あくまでも告知や連絡以上の使い方は難しいという事だが、ユーザ側にとっては「同じLiveAreaのアクティビティーとして表示される」という点でUI上統一されているというのは大きなメリットではある。