Vitaと画面出力と可能性
- 追記(2013/9/11)
- 2013/9/9のカンファレンスにおいて、HDMIでの画面出力が可能となる「Vita TV」が発表されました。発売は2013/11/15です。下記記事はこれの登場を予想していなかったものとなっておりますので、予めご注意ください。
- 追記(2013/11/6)
- 2013/11/5に配信されたシステムソフトウェアVer.3.00より、Vitaのビデオで再生中の動画を、VitaTVに送信してテレビに出力する機能が追加されました。VitaTVが必要とはいえ、
Vitaの画面をWi-Fi経由で外部に転送する仕組み自体は出来るようです。⇒PlayStation VITA システムソフトウェア バージョン 3.00- 追記(2013/11/7, 2013/11/19, 2014/4/7)
- 上記の「VitaからVitaTVへの画面転送」について記事を起こしたので誘導。
Vitaの画面を転送しているワケでは無かったようです。
⇒ VitaからVitaTVへの映像出力とマルチアカウントの謎 (Ver.3.00)
⇒ 続・VitaからVitaTVへの映像出力
⇒ naspocketのDLNA対応とVitaとVitaTVの今後
少し前の話題だけど、自分としては "そのうち" "きっと" 程度で考えていたYoutubeのVita版アプリの配信が発表された。
YouTubeの専用アプリケーションを2012年6月末より配信開始
正直驚いた。べつにニコニコ動画が動画サイトとしてVita独占!というワケではないだろうとは思っていたから、そのうち出てくるんだろうな~とは思っていたんだけど、このタイミングは個人的にはビックリだった。
というのも、その前日に ニコニコ もバージョンアップしていたからである。
偶然だと思うんだけど、この一日違いのニュースに一瞬本当かどうか疑った程だ。
だが、このニュースを見てあれ?と思ったこともあった。それはこの部分。
また、本アプリケーションでは(中略)数百万に及ぶ動画視聴も可能となります。
あれ?「視聴」のみ?動画投稿はないの?ニコニコ動画は対応を発表しているのに?
対応しないワケはないと思うが、今のところ対応はしていないんだろう。
なんだろう、このモヤモヤ感。
そんなモヤモヤ感をつらつらと書いてみたい。内容はあいかわらず根拠のない個人の妄想の話です。
テレビ出力に対応していない理由?
持っている人はもちろん、持っていない人でもVitaに映像の外部出力機能(端子)がないことは周知の事実である。
公式でもしっかりと否定されている。淡白なほどにあっさりと。
PlayStation.com | よくあるお問い合わせ
- PS Vita の画面をテレビに映してゲームやビデオなどを楽しむことはできますか?
- いいえ、できません。
「PSPで出来たんだから最初からつけておけよ!」という意見もあるだろうし、個人的にもそのぐらい出来たんじゃないかな?と思いつつ、思い返せばPSP-1000ではできていなくて、その後のPSP-2000からできたことを考えると、できるけど無理したくなかったとかそんな理由じゃないだろうか?と思っている。
その理由として考えているのが、「スクリーンショット機能」と「カメラの動画録画機能」があったから、だ。
Vitaのスクリーンショットは、標準機能として搭載されており、「プログラム側が許可したもの」だけを撮影可能としている。著作権となるクレジット表記も埋め込む形で。その許可情報が無いからか、Vitaで動作するPSPのゲームは一律スクリーンショット不可になっている。
また、カメラの動画録画機能は発売当初ではなく、システムソフトウェアのアップデートによりVer.1.60から対応した。コレにより、(未だ対応アプリがないので確信が持てていないが)クレジット表記を埋め込む形でゲームの動画も撮影できる状況が整ったのだと思っている。
この搭載の搭載時期が2012年4月であり、ニコニコのアプリで動画投稿と生放送配信に対応する予定が、当初同じく2012年4月といわれていてロードマップが一致していたからだ。たぶん、無関係ではないと思っている。遅れているみたいだけど。
以上の2つの理由から、「外部に出力する為の仕組みが出来ていない機能は、搭載しない」という段階にあったものと思われる。
また、スクリーンショットはボタンをPSボタンとSTARTの同時押しで実現できているが、これはあくまでも「静止画」だからで、動画の場合は開始と終了を考えなければならない手前、任意で録画が出来るとは考えにくい。
そういう意味で、個人的には動画の撮影はハードウェアのボタン同時押しなどで制御するのではなく、ゲーム側で開始と終了、録画可能な範囲の制御が行なえると考えており、そうなればゲーム側の作りこみが必要となることから考えても、準備が出来たからといって直ぐに対応できていない状況に今があると考えている。
この辺りの考察については、過去記事参照。
PSPみたいに出力できないの?ケーブルで
前述の通り、現在のVitaではTVへのビデオ出力はできないし、専用のケーブルなどもまだ売っていない。
最も、今の時代は地デジ対応な液晶テレビが普及しており、ハイビジョンな高画質デジタル映像が溢れている中、携帯ゲーム機を繋ぐのに「ダウンコンバート」(コンポジット出力)での対応というのは、この先1~2年で考えたとしても需要は殆ど無いと言えるだろう。
であれば、コンバータは本体に内蔵せず、内部のデジタルな情報をそのまま外部に出力して外部で解像度や環境に合わせてコンバートする方が現実的と言えるだろう。HDMIなのかD端子なのかS端子なのかコンポジット出力なのか。
であればこそ、前段の問題に直面するだろう。そのまま出力するという事を考えるならば、
「コピーライトとかの出力可否の制御ってやっぱりいるよね」
と。(そもそもHDMI出力は録画不可だよね)
Vitaの出力レイヤー
まず、「Vitaのスクリーンショット機能」について整理して置くと、「見た目がそのまま撮れる」ではない。
「見た目のキャプチャ映像に、コピーライト表記を重ねて、JPEG圧縮して保存される」
である。この内、特にJPEG圧縮の部分に無駄に時間がかかっていて、スクリーンショット保存中は画面制御が出来ないものと思われる。
たぶん。
それならなおさらいらないじゃないか!動画保存中にゲームが操作できなくなったら本末転倒だ!という声も聞こえそうだけど、そもそもVitaはゲーム側とシステム側はしっかり、きっちり分かれていて、先のスクリーンショット保存中の状況についてはあくまでもシステム側の制御であり、ゲーム側は一切遅延も起きていない。本当はゲームも操作ができる(アナログスティックは入力が出来るのでキャラクターの移動は出来たりする)んだけど、あえて操作できなくしているだけに思える。
また、一時的にアクティビティーやトロフィーなどのメッセージが表示されたり、Skypeやめざまし同盟の割り込みが発生したときのメッセージ表示など、ゲームやアプリの動作と無関係の表示制御も行なわれている。
そういう事を想像するに、Vitaの画面は大きく3種類の管理レイヤーがあるように思える。
- ゲームとアプリの表示
- サービスなどの割り込みによる表示
- コピーライトなどの重ね合わせ用の表示
他にもあるかもしれない。
3つ目のコピーライトの部分については、あくまでも保存するプログラム側の制御であり、特にレイヤーとして管理していない可能性はあるものの、今後動画の出力を行なうであろうことを考えると、そういうレイヤーが用意されている可能性はある。
そういえば、システムソフトウェアのバージョンアップで「お知らせの通知のOFF」が追加された。ここにフレンドのIDなどが通知され、それが録画されてしまうといろいろ問題が起きることを考えると、録画機能としてOFFに出来るようになったのかな?と思っていたが、上記の様なレイヤー管理に変更されていれば、通知は録画されない様な気がする。
この辺りはあくまでも想像だが、どこまでを録画可能とするかの制御も必要になってくるだろう。静止画キャプチャとは違う難しさを伴って。
結局Vitaのゲーム画面って録画可能なの?
あくまでも個人的な結論を言えば、「可能」だと思っている。
それは、ニコニコが「動画投稿」と「生放送配信」に対応しており、その予定は未だに予定のまま残っているからだ。また、Youtubeのアプリも配信予定であり、同じように動画投稿が出来る様になる可能性は高いと思っている。
動画投稿だけで言えば、Vitaのカメラで撮影した動画だけでも意味は通るが、ニコニコに限っては「ゲーム画面の配信」は明言していたし、それを否定されてはいない。
だが、もし可能だとすると、個人的には以下の様な感じになると考えている。
Vitaでのゲーム画面録画の条件
- ゲーム動画の録画
- 先日対応したカメラの動画撮影機能を使い、カメラ側ではなく画面側の映像を入力に切り換えた形でゲーム画面の録画をする方法。ファイルに出力されるが、コピーライトなどが入る。
- ゲーム動画の配信
- 同じくカメラの動画撮影機能を使い、ネットワーク上にゲーム画面をリアルタイムに送る機能。画質は圧縮がかかるため、劣化する可能性が高い。
- マイク音声の同時録音とマイクのみ録音
- マイクからの音声はゲームの音とミキシングされて録音される。別々の出力はされない。または、ゲーム音は録音されず、マイク音声のみの録音の切り換え制御。
- 音声のみ配信
- 一部、出力不可の部分(ムービー部分やネタバレになりそうな部分でメーカー側が制御可能)は音声のみの録画となり、画面が暗転するか、コピーライトのみが入る画面が出力される。
- 通信対戦中は録画のみ
- ネットワークによる通信対戦中については、録画のみ対応とし、生放送配信についてはネットワーク対戦は出来ない。(ゲームによっては可能な場合もあり)
- 録画と生放送は別制御
- ファイルサイズの上限により、録画については時間の制限がどうしても発生する。一方、ネットワークに直接配信する生放送の場合は、電源と通信環境され確保されれば時間の制限は無い。故に、どちらを可能にするかは制御が必要だと思う。
とかそんな感じ。
やはり、静止画のスクリーンショットより考えなければならないことが多い。導入とか実装は簡単じゃないってことだと思う。
Project DIVA f はどうなると思うの?
正確なことはセガに聞いてください!っていうか、早く発表してくれ!というのが、正直なところだ。
だが、上記の様なことを考えている自分としては、この夏に発売される "Project DIVA f" については、「こうなるといいな!」と思っている。
Project DIVA f のゲーム録画予想 (妄想)
- ゲームプレイ動画は録画可能
- ローディング画面から後のゲームプレイ動画については、リザルト画面まで録画可能。1ファイル10分未満だし手頃なファイルサイズ。
- エディットモードは録画可能
- エディットモードについても録画可能。ただし、ゲームプレイ動画のみ。マーカー配置が少なければ実質オリジナルPV?!ただし、楽曲は動画ファイルへの記録不可かも。
- ARモードは録画可能
- きっと、「AR/ポートレート」以外の機能が付いてくるはず!という期待から、動画として録画可能なモードがある。
- DIVAルームは録画不可
- 自分のDIVAルームを公開したい!という気持ちはあるものの、動画としてはどうなの?と思うので、動画録画は不可だと思われる。ただし、静止画はたぶん可能。
- PVモードは録画不可
- DIVAルームと同様に、モジュールを入れ替えたPV鑑賞モードは誰が出力しても結果が同じになることから、ゲームプレイ動画とは異なり録画不可。静止画はコピーライト付きで可能かな。
- 生放送配信は未対応
- 録画と生放送は制御が違うと考えられるので、録画のみ対応となる気がする。
この中で、エディット機能があることは公式サイトでなんとなく見て取れるものの、内容は全くわからない。
Vitaの機能から考えると、カスタムサントラの機能を利用することで、エディットに自分で楽曲を選択して入れるという事も出来るかもしれないと考えている。
なので、「録画不可」の可能性も高いと考えているんだけど、せっかくのエディットを出力できない(現在はTV出力が出来ない)というのは、機能という意味でもサービスという意味でもあまりにも勿体無いので、出来ると信じている。
みたいな。
まとめ
ケーブルでの出力については現時点で「出来ない」とは思っているものの、全く出来ないとは考えていなくて、将来的には出来る可能性は高いと思っている。そして、それはVitaの型番が変わる必要も無いと思っている。
というのも、Vita本体の下にある充電やバックアップで使っているUSB端子は、USB 2.0 に対応しているからで、時折り雑誌などで紹介される開発機や先日開催されたE3などでの展示機では太いケーブルがこの部分に本体接続されて、実機撮影されていたり、大型スクリーンに出力されていたりしていたからである。*1
一般的なパソコンなどにあるUSBキャプチャーと同じようなことが出来る設計にはなっているのかも?と、推測していて、システムソフトウェア側にサービスとしてその機能が動いていれば現状でも本体の改造なく、システムソフトウェア側の機能追加で対応できるものと思っている。
ただ、端子としてはあまり強度のある部分ではないし、そもそもUSB自体が高速とはいえない部分もあると思うので、ここを繋ぎっぱなしにした状態での外部出力された側を前提としたプレイはあまり推奨されない気がしている。そういう意味ではTVへの出力ではなく動画ファイルへの出力か生放送配信が主体となりそうな気がしている。
そもそも現在の純正クレードルも音声の出力までにしか対応していないし。
いや、逆だ。純正クレードルは「音声出力にしか未だ対応していない」のかも知れない。
もし、この辺りのソフトウェア側の機能が整理されて、Vitaで動画出力の環境が整ったとき、「ビデオ出力対応純正クレードル」などが登場してくるかも知れない。Vitaの充電と、画面出力と、音声出力を兼ね備えて。あとUSBの接続も別になっていて。
そうなれば、nasneで録画したものをVitaに移し、出先でクレードルに繋いでビデオライブラリとして大画面でみんなで楽しむ・・・という事も出来たりするかもしれない。*2 *3
妄想は尽きない。
関連記事
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- 画面の解像度と大きさの重要度 (2012/3/2)
*1:実際の開発機はHDMI端子はもちろんmini USB端子なども付いている専用機なので、市販の製品と下部の構造が異なっている様だ。だが、下部のUSB端子はもちろん用途不明なままとなっている上部の拡張端子を含めて、外部出力を行う為の拡張性は十分に備えていると考えている。
*2:その時、Vita側で出力レイヤーの制御を行なって、TV出力とは別にVita本体側にはタッチパネルの操作画面が表示されているという事も出来そうな気がする。
*3:追記(2013/11/19):自分がイメージしていたこの「ビデオライブラリを大画面でみんなで楽しむ」については、Vita+VitaTVの構成で出来る形となりました。ただし、nasneの録画番組は出力対象外です(ビデオで再生可能なもののみ)ので、イメージは少し違いますが。VitaTV発売で、この方向性は固まりそうな感じです。