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みた、こと。きいた、こと。

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Vitaとダウンロードカード版の店舗販売について

PS Vitaダウンロード版について

ご購入いただくには「プレイステーションネットワーク ダウンロードカードの購入」「PlayStation Storeで購入」の2つの方法があります。

公式のアナウンスがあったので、先週の内に記事にしようかと思ったんだけど、書きたい事のボリュームが意外とあったので今日になった。今週の木曜日、3月7日に発売予定の「SOUL SACRIFICE」が対応タイトルの第一弾という事になる。まぁ、別に何弾とかは全く意味がないので「今後そういう販売方法を始めるよ」というだけなんだけど。

最初に自分の結論を先に書いておくと「いいと思う」だったりする。

ダウンロード版の店舗販売というのに否定的な意見も良く聞くんだけど、個人的には以前から好意的だったりする。

その辺りの話をつらつらと書いておきたい。課題が無い訳じゃないしね。


なお、表記が紛らわしいので以下の通りとする。

パッケージ版
Vitaの場合はVitaカード版。今までの店舗販売方式。
ダウンロード版
Vitaの場合はPS Storeで購入するダウンロード版。今までのダウンロード販売方式。
DLカード版
Vitaの場合は、店舗でカードを購入し、PS Storeでダウンロードする販売方式。POSA版とも呼ばれる。今回のメインの話題。

ダウンロード版も店舗特典を用意できる

Vitaに限っては、過去何度か記事に書いてきた通り、ダウンロード版の利用という意味ではかなり進んだという認識がある。事実、便利だし。

だが、ダウンロード版の最大のデメリットは「店舗特典が貰えない」という事だ。

「初回特典」に代わる「早期購入特典」みたいなものは、PS Storeでの期間限定でダウンロード版に含まれる事もかなり多くなってきた。だがそれはDLC的な物だったり、特典アプリやゲームなどだったりで物理的な物では当然ない。ま、それはそれで今までにない形としては十分ありだと思っているけど。


だけど、コレクターな人やファンな人にとっては店舗特典などの物理的なアイテムの有無は重要な問題。


単純な話として「ダウンロード版をDLカード版で販売する」という事は、店舗側で用意する「店舗特典」を付けるかどうかは店舗の判断になり、現実的にそれは可能になるだろう。

そうなれば、「特典も欲しいしダウンロード版も欲しいユーザー」と「店舗で購入してほしい小売店」「DLカード版の予約で販売予想を立てやすいメーカー」の利害が一致し、DLカード版って意外と便利なんじゃないのこれ?と思っている。


DLカード版でプレゼントを用意出来る

ダウンロード版のデメリットとしては結構見落とされがちなのが「プレゼント需要」だったりする。

たとえばクリスマスや誕生日でお父さんやお母さんが子供にプレゼントを買ったりする時に、「よーし、今日はプレゼントにダウンロード版を買ってあげるぞ!」とPS Storeで梱包も無い状態で一緒に画面を見ながら買うというのは少しナンセンスだ。ワクワク感が足りない。


当然、クリスマスに至ってはその流れではサンタさんが介入する余地も無い。

まぁ、デジタルコンテンツをくれるサンタさんというのも味気ないが、甥っ子や姪っ子、友達などにプレゼントをする際にDLカード版を送るというのは、今後決して変な話ではない。


カードとして手渡すこともできるし、手紙などに入れて送ることもできるだろう。メッセージも添えられる。コードを送るだけという意味では、電子メールやダイレクトメッセージで送ることすらできる。

形が無いという事で「温かみ」という面では抵抗があるとは思うし、浸透度合いとしては即時性は低いと思うが、これを個人間ではないプレゼントとして考えると、意外と普及は速くなりそうな気もしている。


懸賞などでも利用可能なDLカード版

雑誌や店舗などでの様々なイベント。大規模なり、小規模なりでいろいろあったりするが、こういう場合にも「DLカード版」は比較的柔軟に使える形になる。

たとえばオンラインのサイトなどではメールアドレスを登録しておくことで、懸賞の賞品としてオンラインのデータをメールなどで送るという事もできる。だが、雑誌や店舗などの場合はいくら懸賞でもメールアドレスを必須にすることはなかなか難しい。むしろ、公開したくないという人は多いだろう。

ましてや、懸賞などで用意する商品というのは通常「人気商品」でなければならず、それを確保することの大変さと言ったらもう当事者でなければ判らない苦労だろう。ま、少し大げさだけど。

そういう時、DLカード版は役に立ちそうな気がしている。

「懸賞」という以上は別にプレゼントする側の都合で用意すればいい訳で、これがパッケージ版である必要性は無い。ゲームとしての中身は同じなのだから。

また、事前にメールアドレスなどを聞いたりする必要もなく、その辺りの手間も面倒もない。DLカードを発行し、そのまま手渡すだけだし、店舗のパッケージ版の在庫とも無関係に調整が出来る。

郵送の場合もコストを最小限(カードだから)に出来るし、手間も減る。

こういう利用については浸透は速く進むんじゃないかな?という気がしている。


PSNポイントを残さない購入が出来る

人によっては「PS Storeを利用したくない理由」というのが結構ある。

その理由は様々だが「クレジットカードの登録がイヤ/出来ない」や「PSNポイントが残る(お釣りとして)のがイヤ」という人もいる。

実際、払ったお金に対して使わないで預けられたままのポイントというのは落ち着かないという人は決して少なくないだろう。そもそも「お小遣い制」の子供はもちろん、お父さんなどにとってはこれは死活問題だ。

だけど、DLカード版の場合は店舗で購入する、レジを通して現金等で購入するという以上、PSNポイントが残るという事は無い。後腐れなくという言い方でもいいかもしれない。


そういう人はPSNポイントを、何らかのキャンペーン等で貰う事はあるんだけどそれもイヤなのか?というと、たぶんそれは無いと思う。それは自分が支払ったではなく、貰ったなので「そんなポイントも残るのはいや」という人はあまりいないだろう。きっと。ただ、貰ったポイントでDLCに手を出そうとしたらやっぱり足りないくてヤキモキする事はあるかも知れないが、それはそういう運用を考えた本人の問題。


価格設定は店舗が行い、量販店のポイントでの販売も可能に

店舗販売をするという事は、大型家電量販店などの場合は「ポイント制度」を利用して購入する事も可能になるだろう。

先の「PSNポイントを残さない」のと同様に、自分が貯めた家電量販店のショッピングポイントを利用してお得にソフトを買う事が出来るようになる。

今までだと、パッケージ版はもちろんできたが、あとは出来ても周辺機器(メモリカードなど)が精一杯だった。無論パッケージ版でも損は無い訳だが、ダウンロード版が欲しかった人にとっては「ポイントで買えない」という事になっていた。

だが、これも解消する。


ダウンロード専用のタイトルも、店頭で販売できる

そもそも「ダウンロード専用タイトル」ってなんで「ダウンロード専用」なのか?

というと、単純には「パッケージ製造コストを抑えるため」が一番の理由だろう。パッケージを製造するという事は、売り上げる前に事前に大量のコストが発生する。しかも、パッケージは物理的な意味で最低額が存在してしまう以上、結果としてどうしても価格を高く設定せざるを得なくなるという。物流コストの問題もあるしね。

しかしである。

このDLカード版については「ダウンロード専用タイトル」も店舗、店頭で販売が出来る事になる。

DLカードの印刷とか物流コストとかどうなるの?という話もあるが、パッケージ製造コストに比べれば随分と安く済むだろうし、実際問題としては次の「コンビニなどでの販売」にもつながる話で。

将来的にはVitaタイトルだけでなく、PSPはもちろん PSM (PlayStation Mobile) タイトルも対応が可能になる可能性も高い。


コンビニ等での販路の拡大と対応

DLカード版とはいうものの、別にDLカードに印刷されている必要はない。現時点ではその方法は公開されていないが、PSNポイントのカードなどはコンビニでレシートにプロダクトコードが印刷されたものを買えたりする訳で、この販売方式自体は別にDLカードである必要はない。

レジでプロダクトコードを印刷する仕組みが無い店舗の場合はDLカードが必要になるが、それがある店舗なら情報端末で販売し、レジで購入するという流れは特に問題にならないだろう。POSAという仕組み上は既に存在するものであり、特に新しいものでもないワケだし。

先の「PSNポイントを残さない」買い方もできるし、販路としては十分な拡大が望める。


小売りの買い取りではない販売も可能

上の話の続きにもなるが、パッケージ版については小売りの店舗側が事前にメーカー側に発注し、出荷を持って購入するという方法になる。

メーカー側は「出荷」で販売となるが、小売り側にとってはお客様に売る前に支払いをするという意味で、これはリスクにもなる話だ。予想を上回って売れなければ、在庫となって価格を下げて(利益を減らして)売らなければならないし、逆に予想を絞れば機会の損失にもなる。


だが、DLカード版については事情が異なる。DLカード版が店舗側での買い取りではないのであれば、店舗側としてのリスクは軽減され、パッケージ版を買いに来たお客様を(パッケージが欲しいというこだわりが無ければ)DLカード版に誘導できる。店舗特典を付けるかどうかは当然、店舗側で考えればよい話で。

そうなれば、店舗側の機会の損失を免れるし、ユーザ側もパッケージ版にこだわらなければ、何店舗も走り回る必要も無くなる。特典ももらえればハッピーだろうし。

また、物理的なパッケージ版の出荷が間に合わなくても、DLカード版はコンスタントに出荷できる可能性は高く、市場への供給量としての確保も十分に期待できるし。


ただ、この辺りはいくらDLカード版がパッケージ版よりも柔軟とはいえ、物流の問題が発生してしまう為、今後の浸透度合いによってどうバランスされるのかは未だ判らない。そもそも物流が存在する以上は「仕入れ」は発生する為に、「買い取にはならない」と言いきれるかどうかすら判らない。(ただし、POSAの仕組み上はレジを通す前のカードは無価値とする事が出来るので可能)


今後もユーザ側のパッケージ版へのニーズは決して無くならないことや、パッケージ版、DLカード版を含めた店内の展示場所が必要になる事などを考えると、店舗側もパッケージをどこまで絞るのか、DLカード版をどこまで並べるかなど難しい選択を迫られることにもなるだろうが。


検索性の低下に対する対応策

デジタルコンテンツというものは便利な物だが、不便な物でもある。

具体的には「コンテンツ数が増えた時の検索性の低下」が裏の問題として常に存在することである。

PS StoreのVitaタイトルについては、発売されてからしばらくの間は「一覧表」形式だった。Vita専用タイトルが少なかったからだ。だが、1年を超えて現在では「あ行か行・・・」と名前での検索に変更された。

PSアーカイブスや、PSPタイトルについては、Vita専用タイトルより多い為、当初からこの「あ行か行・・・」での検索だったが、正直に言うと「探すのメンドクサイ」。

欲しいタイトルが製品名で判っているのであれば、検索を駆使すればピンポイントに見つけることもできるが、うろ覚えの場合は見つけることが困難であるし、雑誌でページをめくるようにペラペラとタイトルを眺めるのが好きという人はそれほど多くは無いだろう。(私は好きなんだけど)


DLカード版については、これを店舗側で並べることが出来る。

雑誌ではないものの、ウィンドウショッピングよろしく「店舗側でディスプレイ出来る」ことで、新作タイトルではなくても、何らかのキャンペーンや店舗側で売りたいタイトルをピンポイントにピックアップして並べることもできる。

昨今、本屋さんなどで「○○特集」とか「店長のお勧め!」とかオリジナルポップを作ったりして小まめにディスプレイしている所も多いが、そういう事も新作タイトルに限らず、旧作などをダウンロード版推奨な形で柔軟に出来る。

恣意性の無い一律の検索性というのも重要ではあるが、コンテンツが増えた時には不便にもなるワケで、ある程度の恣意性というのは消費者の需要としては常に存在する。これを販促の強化として利用する方法の一つや、検索の煩わしさをショートカットする方法の一つとしてDLカード版というのが存在することも考えられる。


製品版のクロスバイ対応や店舗独自キャンペーンの展開

昨今注目されている販売方式として「クロスバイ」がある。

Vitaの場合は「PS3版を買えばVita版もダウンロード出来る」などである。

既にできている仕組みではあるが、これもDLカード版で促進することも可能になる。DLカードを同梱した版を作る事も出来るだろうし、同梱しなくても販売した時にレジでDLカードを手渡す事も出来るだろうし。


いや、既にそういう仕組みはやっているんだから話としてあげる必要はないだろう?というかも知れないけれども、これはメーカー側として行うだけではなく、「店舗側が独自のキャンペーンとして行う事も可能」という話だ。

たとえば、人気シリーズの新作タイトルが販売された時、メーカー側がキャンペーンを行うのとは別に、店舗側が「旧作のDLカード版のセット販売」などを企画・販売する事も出来る。そもそもメーカー側がキャンペーンを行うかも判らない中で、店舗側が独自に行う事も出来る訳で。

また、店舗で販売をする際に有名な声優さんや製作者などを呼び、店頭で販売する時にDLカードにサインをするなんて事も出来るだろう。価値としてはパッケージにサインするのと変わらないし、場合によっては印刷だけを別にした専用カードを用意することも、キャンペーンのやり方によっては可能になるだろう。

それこそ、店舗特典で「テレカ」が実際に使えないものとして形骸化していく中、実際に使えるカードとして店舗特典的に容易に様々なデザインを用意できるのであれば、それはそれで広がりが見えてくる気がする。


Store検索に載せない販売方法

PS Storeに登録されているものは全て検索可能か?」というと「否」である。

PS Storeはあくまでもオンラインの店舗ではあるが、実際には店頭として並ばない(検索にヒットしない)ものも沢山ある。

DLカード版については、この仕様を利用した販売も可能になる。

具体的にはダウンロード版といえども店舗販売専用のタイトルも可能だ、という事。

現時点で考えられるものは以下の3つ。

  • CERO:Z などの店舗販売のみとなるタイトルのダウンロード版販売
  • ダウンロード版の販売を遅らせたい(パッケージ版、DLカード版の先行販売)場合
  • 体験版や特別仕様版などのタイトルの販売(ダウンロード版の限定販売)

アイデアとしては他にもあるだろう。意外といろいろ使い道はありそうだと思う。


DLカード版の課題について

前段まで、手放しでほめている様に書いてきたが、実際問題としては「課題も多い」と感じている。

DLカード版の課題
値段が三種類になること
パッケージ版、ダウンロード版、DLカード版と製品価格が3種類になり、またメーカー側の特別版などがあるとより複雑化して「どれがお得か判りにくい」事になる。(後述)
有効期限がある
販売された時点から有効期限が切られる為、プレゼントなどの場合には期限を意識しないと無駄になる事がある。また、ゲームを買っておいて「後でやる為に積む」などは出来なくなるし、オークションなどで一定期間眠らせるという事も出来なくなる。
コレクターズ的な価値が見出だせるか?
パッケージ版の場合は、コレクターズ的な意味合いが強くなるが、DLカード版はその点が弱い。当然、中古などに売ったりもできない。
入力方法の簡略化は可能か
プロダクトコードを入力するというのは難しいものではないものの、面倒を伴うものではある。これを二次元バーコードにしたり出来ないかという問題がある。また、再ダウンロードをする際にもいちいち購入履歴から探すのは面倒なのでカードから再ダウンロード出来ると便利さは上がる。
POSA未対応店舗の存在
個人商店などの小売店の場合、POSA対応レジなどが用意できず、その場合はDLカード版は販売できない。

などなど。

ちなみに「SOUL SACRIFICE」の値段については、公式サイト(http://www.jp.playstation.com/scej/title/soulsacrifice/ja/)にこう書いてある。

SOUL SACRIFICE価格
  • PS Vitaカード版希望小売価格  :5,980円
  • ダウンロード版販売価格     :4,900円
  • ダウンロードカード版希望小売価格:5,380円
    • ※取扱は一部の店舗に限ります。

金額そのものが3種類あるという事自体は先に書いた通りだが、表記として「PS Vitaカード版」と「ダウンロードカード版」は「希望小売価格」となっている所はポイントだ。価格は店舗側で設定できるという意味。PS Storeで買う様な「ダウンロード版は金額が固定」ではない。同じダウンロード版でも店舗側とPS Storeとの競争が行われるという意味になる。当然仕入れ価格となる最低金額のラインはあるだろうが、それでも利益が出るのであれば店舗側はメリットはあるだろう。

通常のダウンロード版より希望小売価格は高く設定されているが、特典などで十分な差別化も行われるかもしれない。また、上にも書いたが各店舗のポイントプログラムを活用することで、実際にPS Storeで買うよりもお得に手に入る可能性だってある。そういう意味でも、これが今後どういう形で販売されていくのかは興味深い。


他にも課題はあるが、個人的な興味としてはこの辺りがどうなるんだろう?という所は感じている。


まとめ

今回は長すぎたので、まとめは短めに。

DLカード版の販売については、「ダウンロード版を店舗で買うなんてバカみたい」という話を良く聞くんだけど、これ自体は欧米では結構前から実際に行われていたし、メリットは決して少なくない。*1 *2

ダウンロード版にはダウンロード版のメリットはあるから、それが無くなることは無いけれども、新たな販売方法があるという事は、複雑にはなるものの決して消費者側のデメリットという事ではないと思っている。

関連記事(参考)

直接は関係ないですが、少し関係する程度の過去記事

*1:日本でも任天堂3DSWiiUで同様のPOSAを利用した「DLカード版」の販売を2012年7月から既に開始している。こちらも「メーカー希望小売価格」となっているので、大ざっぱにいえば同じと言える。一部のソフトはパッケージの供給が追い付かず、DLカード版自体も売れ切れるホドの勢いで、一時ニュースになったりした。

*2:余談だが、「POSA」による「PlayStationネットワークカード」(PSNポイント購入用カード)の発売については、2011年7月13日に開始されたもので、Vitaの発売の5ヶ月前という結構直前だったりする。PS3やPSPダウンロード販売が未だ大きな市場となっておらず、クレジットカード登録を望まない顧客に対応する為の対策となる「POSA」については、結果としてVitaのダウンロード版購入の後押しにもなっているものと思われる。この辺りは推測だけど。