予約と特典とダウンロード版
実は最近、Vitaにおけるゲーム購入時の「特典」についてモヤモヤと考えている。
いや、本来はVitaに限る話しじゃないんだけど、ダウンロード版の購入が比較的簡単で便利なVitaにとっても、パッケージ版購入の決め手が特典だったりする事が多いからだ。
とにかく。
今回はタイトルの通り。このあたりのモヤモヤ、ダウンロード版のブレイクスルーとなるポイントは何なのか?みたいな事で考えていたことを、自分なりに書いてみる事にする。
特典の種類は大雑把には4種類
特典というと漠然としているが、単純に考えても4つ(+1)ある。
- 先行予約特典
- 主に店舗などで事前に予約をした人に与えられる特典。基本的には「事前に予約した人だけ」がもらえる。ただし、店舗側がかなり早い段階で予約数を申告する形になる為、多めに発注する事があるらしく、予約していなくても余っていたらもらえる事は稀にあるらしい。
- 店舗購入特典
- 店舗でパッケージ版を購入した人に与えられる特典。最近では、店舗毎に配布される内容が変わっているなど、店舗側の販促目的での独自性を出したりする事がある。店舗側の予測販売数で数量限定で作成されるものなので、基本的に先着順となり、当日に購入できたからといってもらえない事はたまにあるらしいが、基本的には「事前の予約と関係なく」もらえる。
- メーカー直販特典
- メーカー側が独自ショップ(通常はオンライン販売)を持っている場合の直販で購入した人に与えられる特典。メーカーのコアなファン層などが会員特典の一環として購入するケースなどもあり、また店舗では発売されない独自仕様のパッケージの場合など、かなり優遇度は高い。ただし、特別仕様として価格が高い事もある。
- ダウンロード特典
- Vitaの場合はPSStoreでダウンロード版を購入した人に与えられる特典。基本的にはDLCであることが殆ど。発売日直後の早期ダウンロード特典という形で、価格が安くなっていたり、DLCが一時的に付与される形での限定配布とする事もある。
- イベント特典(+1)
- 通常の販売とは異なるが、発売記念イベントや特定のイベントなどを開催した時の参加者への特典や、会場内での即売会での配布特典など。製品の購入や売り上げとは直接関係ないこともある(イベントを盛り上げる事が目的)ので、ここでは追加要素としての+1としてカウント。
みたいな。
ゲームの内容は全く変わらない中、様々な特典がグッズだったりDLCだったりと、姿かたちを変えて存在している。積極的に情報を集める人にはより選ぶ権利があり、適当な人や後で気付いた人はもらえないという事も多い。
過去、店舗予約特典みたいな形で、店舗側が独自に用意した予約特典を、予約をした際にもらったにも関わらず、後にキャンセルをするという事が(Vitaのゲームでは今のところそういう話は聞かないが)多発した関係で、最近では店舗側もこの辺りは神経質になっていて、「キャンセル不可」とか「代金先払い」などになっているケースもある。
そういう意味でも、「特典」ってわりかし面倒だと思っている。
もらえる事はうれしいんだけど。
特典的には不利なダウンロード版
Vitaではダウンロード版が人気!みたいな話は聞くし、実際自分はダウンロード版の購入が多いんだけど、いざ冷静に考えてみるとダウンロード版というのはとかく不利な立場にある。特に「特典」として考えた場合は。
その辺りをあくまでもVitaでの場合と割り切ってメリットとデメリットみたいな感じで整理していると、
ダウンロード版購入のメリット
- 定価ではパッケージ版より安く設定されている事が多い
- 発売日以降であれば、欲しいと思ったときに24時間いつでも購入する事が出来る
- パッケージが無いので、複数のゲームを持ち歩けるし、入れ替えの手間が無い
ダウンロード版購入のデメリット
- ダウンロード版は基本的に値下げが無い為、店舗によってはパッケージ版の方が安い事がある
- PSStoreの販売より店舗の販売の方が早いため、発売日に早く始めたい場合には(ダウンロードする時間も含めて)もどかしい
- メモリーカードが必要となる。本数が多い場合には16GBとか32GBが必須になる
- バックアップがゲーム本体と一緒になる為、結構時間が掛かる
- おもしろいゲームだからと、友達に貸したりする事はできない
- パッケージとしてコレクションする楽しみが無い
- 基本的に特典はつかない。ついたとしてもDLC程度
となる。なんか、デメリットの方が多く見えますが、恣意的にそうしているだけです。
そして、今回の趣旨。ダウンロード版のデメリットとして、「基本的に特典はつかない」というのがあります。
- 事前に予約する意味がない(売り切れが無い)
- ⇒ 予約特典はない
- 店舗で購入する必要がない(全国共通で店舗差異が無い)
- ⇒ 店舗特典はない
- メーカー直販ではない
- ⇒ PSStoreでの販売となる為、メーカー特典はつかない
- ダウンロード特典は物品ではない
- ⇒ 期間限定であることもあるが、DLCとなる場合が殆ど
- キャンペーンはあるけどイベントはない
- ⇒ 即売会とか無いし、ファンの集いとかも無いし
なんか。これだけ見ると「ダウンロード版って損じゃん」ぐらいの感じだ。
事前ダウンロード販売の未来
未来というほどの話しでもなくて、PS3では「事前ダウンロード販売」という試みというか、仕組みが既に登場している。(PS3に限る話しではなく、すでにこの手の仕組みはあったので後発となる話。)
発売日の前にPSStoreでダウンロード版が販売されるという形式だ。事前ダウンロードという形になっており、発売日当日まではゲームを起動する事は出来ないものの、先にお金を払って発売日前にダウンロードしておく事で、発売日当日に店舗に行くよりも早く!遊ぶ事が出来るというもの。
フルボイス、フルモーション、HD画質アニメーション!などと、ゲームのボリュームが肥大化していく中で、事前ダウンロードという仕組みは、ダウンロードのピークを分散できるという意味でも、発売日に直ぐに遊べるという意味でも、メーカー側、ユーザー側共にメリットは大きく、期待されるところは大きい。
特にVitaの場合は、Wi-Fi通信しかなく、有線でのダウンロードに比べてどうしても低速になる。事前にダウンロードできるのであれば、(バッテリーを消費するために一概に肯定できない部分はあるものの)それを望む人も少なくは無いだろうし、仕組みとしては期待したいところがある。
だが、そうなるとやはり問題は「特典」。
今後、DLCだけで満足できるものだろうか。っていうか、出来ないよね。
ベスト版の存在とダウンロード版 (まとめ)
発売からまだ7ヶ月というVitaではまだ気にしても仕方が無い話なんだけど、人気のゲームなどはある程度の期間が過ぎると、内容はそのままでパッケージを一新し、価格も下げて「ベスト版」みたいな形で販売する。
殆どの場合、ベスト版のパッケージはパッとしないものであることが多いが、これは以前に購入した人との差別化みたいなところで。特典もつかないことは多いが、店舗によっては何らかの特典を用意したりする事はある。
というか。
店舗にとってはベスト版の存在は結構貴重だ。
まず、一定数売れたものである為、人気や製品の品質みたいなものは確認済みであり、販売量を予想しやすい。また、新作ゲームが出ていない期間でも、ベスト版は継続的に売れる可能性がある商品であり、入荷量こそ大量に入れなくても、一定量確保しておけばある程度売り上げが期待できるというもので。
買うほうも、ベスト版だし、値段も安いし、安心かな?って思うわけで。
そうなると、ひとつ問題が出てくる。
「ダウンロード版がある中で、ベスト版のパッケージ販売の価値は?」
という。
そもそも、ダウンロード版にはパッケージが無い訳で、パッケージの一新の意味は無い。また、パッケージ化の手間もかかっていないので、価格を変える意味があまりない。
さらに、ベスト版の販売を行ったところで、値段がダウンロード版よりも安いとなると、ダウンロード版の意義が薄れる事から、価格改定を余儀なくされるだろう。そうなると、なおさら特典も無い中でパッケージのベスト版をわざわざ買う人が出てくるだろうか?・・・という。
店舗にとっても、ちょっと厄介な話し。
ベスト版の為に特典を用意するのはリスクになるし、永続的に用意できるものでなし。店舗にとってダウンロード版のベスト版という選択肢は、死活問題になりかねない。出来たとしても、店舗側ではなくメーカー側がベスト版のパッケージ用に専用のDLCを用意して店舗に配る、パッケージ内に同梱するぐらいしか方法がない。
いろいろ考えてみたが、ダウンロード版を有利にする特典を用意するというのは、現状では難しいのかもしれない。
ブレイクスルーはもうしばらく先かなぁ。
せめて、事前ダウンロードぐらいは特典の一種としてできるだけ早く対応してもらいたい。