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Vitaのメモリカード必須化 (Ver.2.10) と二重起動の可能性と

今回の「Ver.2.10」については、個人的には「評価する部分が多い」んだけど、同時に「これは思い切った舵を切ったな」と思ったのも事実。

「なんの話?」と思われるかもしれないが、今回のバージョンアップで一番大きく変わったのは「システムソフトウェアの標準機能であるブラウザでメモリカードが必須になった」という事だ。

公式サイトにも必須だと書いてある。

システムソフトウェア バージョン2.10で更新される主な機能

ブラウザー

動画の再生
Webページ上の動画をストリーミングで再生できるようになりました。

  • ストリーミングで再生するには、PS Vitaにメモリーカードをセットしておく必要があります。
  • 動画の種類によっては再生できないものがあります。

http://www.jp.playstation.com/psvita/update/ver210exp.html#v210_03

ココ。ブラウザでの動画再生の場合だけだけど、使う機会は結構多いだろう。

また「必須」ではないが「可能になった」のがこの部分。いや、必須と言ってもいいと思う。これも。

PlayStation Vitaシステムソフトウェア バージョン2.10 アップデートについて

その他

  • ホーム画面のレイアウトがメモリーカードに保存されるようになりました。

http://www.jp.playstation.com/psvita/update/index.html

ココ。

Vitaのメモリカードは「無くても遊べる」ではなく、今回のバージョンアップで「必須にした」と考えるべきで。

これ、たぶん今回のバージョンアップのキモだと思う。


そして、この事からある事が判る。

  • Vitaはメモリカード上に今までよりシステム領域を多くとるようになった。
  • Vitaはメモリカードを「保存用」だけではなく、パソコンなどと同じように「作業用」としても使う

と。

この内、(作業用として使う)処理自体は「アプリケーション別」では既に行われていたし、パソコン等でも同様なので決して新しいことではない。

具体的には「みんなといっしょ」で、セーブデータが「500MB」となっているあの領域で、フレンドの名刺や着替えの情報をゲームのアップデートではなくサーバ側から順次ダウンロードしており、この保存領域として使っている。あの、一人ひとりポンポンッ!とフレンドが登場してくのは、演出でもありサーバからのフレンドの最新情報を遂次ダウンロードして作業領域に保存しているのだ。なので、ゲームを終了するまではフレンドの名刺や着替えは変わらないワケで、次回起動時にはまた作業用としてダウンロードしなおしている。*1

他にもいくつかあるし、今後この使い方をするゲームやアプリは結構増えてくると思われる。


以前なら「メディアインストール」で事前に行っていた作業が、ユーザ側にはその作業自体を意識させずに、ゲーム中に作成して利用したり、オンラインからデータを取ってきて更新をしたりする形で。


今回のバージョンアップで「メモリカードは必須」となった。


そう、断言してもいいと思う。*2 *3


ここから先はあくまでも「妄想」としてだけれども、メモリカードに領域を確保するという大前提で PSPgo で採用されていた「ゲームスリープ機能」が実装される可能性も現実味を帯びてきたという事ではないか?とも考えることが出来る。

そう、「ゲームをタイトル別に中断させたまま、メモリカード上にその状態を対比し、他のゲームを起動することが出来る」というあれ。バッテリー切れの時にもパソコンでいう「スタンバイ状態」ではなく「ハイバネーション」に近い状態になるあれ。

とはいえ、PSP go と異なり「Vitaカード版とダウンロード版のセーブ保存先を含めた仕様上の違い」という大問題があるし、今回公開されたVer.2.10の機能紹介PVでメモリカードの入れ替えを公式的に推奨していたり、Vitaの本体側メモリ自体も結構な容量があるので、単純には出来ないのは確かだけど「妄想するぐらいはいいじゃない?」と。*4

今回の記事は短めだけどそんな話。

追記(2013/8/7)
Ver.2.60から「PC/PS3/nasneにある音楽、動画データのリモート再生」において「要メモリカード」になりました。状況としてはVer.2.10の時のこの対応と同じものというか、この対応の拡張による対応と思われます。PS Vitaにおける「メモリカード」は「ユーザ用のセーブデータ保存領域」ではなく「システムが利用するテンポラリ領域を兼ねる」になっているという点は、注意と理解が必要です。「今はセーブデータ保存していないから抜いてもいいや!」ではないという意味で。もともと電源ON時に抜いていいものでは無いですが。Vitaカードと違って。
追記(2013/9/11)
2013/9/9のプレスカンファレンスにおいて発表された新型Vita(PCH-2000シリーズ)および、Vita TV(VTE-1000シリーズ)においては、メモリカードが1GB内蔵される形での発売となった。つまり「必須化」を別途購入ではなく、無い場合の為に内蔵したと言える。今後も従来のタイプである3G/Wi-Fi版(PCH-1100シリーズ)は併売されるので、これについては別途メモリカードの購入が必要になるが、このVer.2.10の段階でこのかじ取りをしていたのは間違いないと思う。

*1:なお、個人的にはこの書き込みのタイミングで下手にアプリを終了させると「セーブデータ破壊」につながっていたと推測している。この辺りはユーザー側も理解が必要だが、電源の上げ落としが前提のメモリカードの場合はたぶん大丈夫。ゲームの異常終了などを除いて。

*2:まぁ、このバージョンになる前にも「メモリカードは必須」という認識は強かったと思うから、今更ではあるが「システム側の基本機能で使用している」という意味合いは大きい。この事から、メモリカード側にシステムが使用する領域が増えることになる為、余裕を持つためにも出来るだけ大きなメモリカードをユーザ側は用意する方が望ましいという事になる。

*3:そう考えると、初期トラブルを防ぐ目的で今後Vitaのパッケージは「メモリカード同梱版」が標準になる可能性は高い。現在は販売が終了したメモリカード4GBが付属した「スターターパック」などが標準になるイメージで。値下げをした中でメモリカード同梱のコストは無視できないとは思うけど。既存パッケージとの変更の意味においても。

*4:Vitaはメインメモリ512MB、VRAM 128MBと言われているし、それだけ保存したり読み出したりするのはサクサクという訳にはいかなさそうだし、中断するゲームが増えればそれだけメモリカードを圧迫もするわけで。