VitaとPSP互換とPSアーカイブ
- 追記(2013/9/17)
- システムソフトウェア Ver.2.60 から「画面長押しでのメニュー表示」が「PSボタン長押しでのメニュー表示」に変更された。結構重要な変更なのでVer.2.60に上げる時に、一応メッセージは出るものの、見落とすと結構慌てると思うのでココに書いておくことにした。注意。
- 追記(2014/4/17)
- 特に新情報という訳ではないが、新型Vita(PCH-2000シリーズ)で液晶に変更されたので、記載内容を一部追記とした。また、VitaTV(VTE-1000シリーズ)も発売されたので情報補記。
今日はかなり感想文的な話。たまにはそんなのもいいよね。
以前、Vitaで遊べるゲームは結構多いという話を書いた。これ。
関連記事
じゃぁ、それぞれについてなんの問題も無く遊べるのか?というと、残念ながらそんなことは無い。
ハードが違うんだから全く同じにはならない。惜しいけど。
とはいえ、一応その辺りを理解した上でならそこそこ遊べるという話で、そういう所は触ってみないとわからないという話なので、そこのところをいくつか気付いた点!って感じでピックアップしてみた。
今日はそんな話。
VitaとPSP互換タイトルについて
以前、冒頭の関連記事とは別にPSPとの互換については記事を書いたことがある。
この記事の内、PSPとのアドホック通信については最近改善されたので、多少事情が違ってきてはいるけど当時と変わらない部分もある。というか、PSPのゲームは全部動くとは限らない。
とはいえ、最近ではそこそこの数のPSPタイトルが発売と同時ぐらいにはVita互換をうたって来ていて、ダウンロード版を併売している。そういう意味で、Vitaで遊べるPSPタイトルは日々増えていっている。
また、ダウンロードでの配布が多くなってきたPSPの体験版なども、製品版と同様にVita互換で出てくることも多く、PS Storeを覗くと毎週のようにPSPの新規タイトルが並んでいたりする。Vita専用タイトルに比べるとかなり多くてむしろ驚くほど。
ま、そういう話はとりあえず置いておいて、いざVita互換のPSPタイトルをVitaで動かす時に気になることと注意すべきところを7つばかりあげておく。
VitaにおけるPSP互換タイトルの注意点
画面の発色の違いと違和感
Vitaの場合、有機ELであり液晶とは性質面でかなり異なる。基本的にPSPのタイトルはPSP用に色調を調整されているので、Vitaで見た場合に色味がかなり変わって見える。ゲームのタイトルによっては良くなることもあるが、逆にイメージが悪くなることもある。この辺りは覚悟が必要。一応、PSPの色身に合わせるというオプションとして「カラースペース(PSP)」というのもあるんだけど、効果の程は気休め程度。
イラストは相性良し、3Dモデルは苦手
バイリニアフィルタリングというオプションを使うと、PSP用のゲーム画面の内、特にイラストなどはかなりキレイに見える事が多い。そういう意味で相性は良い。
だが、3Dモデルの場合は、この設定が効かないらしく効果は無い。この為、解像度の違いによる画面の粗さが目立つ形になってしまう。まぁ、殆どの場合3Dモデルは結構動くのが特徴なので、受け入れてしまえばその程度の粗はそれほど気にならなかったりする。
右スティックの設定と相性
Vitaにある特徴の一つである右スティック。PSPのタイトルについてはオプションでこの右スティックに任意のボタンを割り当てることが出来る。
特にVer.1.8xで「十字ボタンの左右のみ」とか「上下のみ」という指定も出来るようになった為、アナログスティックだとカメラ操作がグリグリ動きすぎて使いにくい!という問題についても、方向を限定することで使い勝手が向上することがあったりして面白い。
ただ、Vitaの操作に慣れていないと、×ボタンを押す時にこの右スティックを軽く触れてしまうこともあり、ソレが原因で誤動作をしたり操作にストレスを感じることもあるので、この辺りは臨機応変に設定変更して対応すればいいと思う。完璧に好みの問題。
SELECT/STARTボタンの位置が悪い
Vitaの場合、ハードウェアのボタンとしてSELECTとSTARTの位置が右のかなり外側に配置されているので、右手で押しづらい。そもそもボタンも飛び出していないので押しづらい。
なので、SELECT/STARTを頻繁に利用するゲームは使いづらいと言える。
ただし、VitaのVer.1.8xから画面端(四隅)に任意のボタンを配置できる(タッチパネルを利用して)ようになっており、この位置にSELECTやSTARTのボタンを設定すると、思っている以上に使い勝手は良くなる事がある。右手だけではなく、左手側に配置することも出来るし。
- 追記(2014/3/17)
- 新型Vita(PCH-2000)シリーズは、このボタンが大きく・丸く変更されているので、ずいぶん推しやすくなっているが、画面四隅に配置した方が押しやすい事もあると思うので、遠慮なく設定すると良いと思う。結構便利。
Vitaの標準機能の「スクリーンショット」は撮れない
コレについてはPSPがスクリーンショットに対応していないからであり、基本的に一律ダメ。ただし、PSPゲーム内でカメラ機能やスクリーンショット機能(JPEG出力)などがある場合は、ゲームとしてその機能を使うことで画像データが保存できたりする。古いタイトルだと対応していないことがあるが、最近では対応しているケースもあるので個別に確認が必要。
メディアインストールの要否
PSPのタイトルによっては、メモリカードにメディアインストールをすると速くなったりすることもある。Vitaはそもそもダウンロード版でメモリカードに保存するんだから、メディアインストールとか使う必要無いんんじゃね?と思う人も居るだろうが、タイトルによってはメディアインストールをしないと一部機能が動作しないこともある。殆どの場合は不要だけど。
まぁ、その辺りは元がPSPのタイトルなので致し方ナシというか。
PSボタンの動作の違いによる誤操作
PSPのPSボタンはバッテリー残量を見たり、現在時刻を見たりと使わないようで結構使うボタンだった。そして、ゲームは継続しているので気軽に使えた。
でも、Vitaの場合はPSボタンはホーム画面に戻ってしまいネットワークでつなげている時は切断されてしまったりする。同じ感覚で使うとかなりビックリする。
ただ、PSボタンを「長押し」すればゲームを継続したまま現在時刻もバッテリー残量も見れるのでご安心を。もっとも、長押しなのでチョチョッと見たりするという感覚、気軽に見れないという残念感はあるけど。ま、これはPSPタイトル関係無いVitaシステム全体での話なんだけど。
そんな感じ。
相性の良いタイトルだと、有機ELの方が見やすい場合もあるし、バイリニアフィルタリングでPSP以上にキレイになることもある。この辺りは好みの部分とかもあるだろうから人によって違うということはあるので、一概にどれがどうとか言うつもりは無いけど。
もともとのデザインがPSPとVitaでかなり近く、画面の解像度も単純に縦横2倍になっていることもあって、想像している以上に相性がいい。PSPと縦横の比率が同じなので、単純に画面サイズが大きくなったPSPという感じのイメージで遊ぶことが出来る。
ましてや、画面タッチによるボタンのカスタマイズや、右スティックのカスタマイズなどもあり、操作性が向上するタイトルも案外多い。
なので。
個人的には(ダウンロード版でVita互換が発売されているのであれば)PSPタイトルをVitaでやることにあまり違和感はもう無いかな~という気がしている。*1
VitaとPSアーカイブスについて
先日、Ver.1.80の発表と同時に対応が開始されたPSアーカイブス。
初代プレイステーションのタイトルがVitaでも遊べるようになった!という点では「スゲェ」でとりあえずいいと思う。まぁ、値段は安いと言ってもタダじゃないから何でもかんでも買うというワケには行かないだろうけど。
ま、そういう話はとりあえず置いておいて、いざPSアーカイブスのタイトルをVitaで動かす時に気になることと注意すべきところを6つばかりあげておく。
VitaにおけるPSアーカイブス対応タイトルの注意点
画面解像度の問題と対応サイズ
思い出補正というのはすごいもので、PSアーカイブスをVitaで動かして最初に驚くのは「画面キタネェ!」だと思う。いや、あえてひどい言葉で言ってるけど。
でもね、良く考えればそもそもアナログなTVの時代にぼやけて表示されていたものがデジタルな画面になってクリアに表示されちゃったんだから仕方が無いじゃない!という話で。というか、そもそも初代PS時代の内部の画面解像度は
- ノンインタレース:256x224
- インタレース:640x480
だったワケで。PS Vitaの「960x544」より小さかったんだから時代が違うよねというか、Vitaって初代PSより画面解像度が大きいのか!と驚くべきなのか。なのでそこは初代PSタイトルに期待してはいけない。
なお、画面サイズはオリジナル(小さい)からズーム(大きい)まで選べるのでゲームのタイトルの雰囲気に合わせて選んでみるといいと思う。
- 追記(11/23)
- Ver.2.00から任意倍率に変更できるようになった。元の画面解像度がかなり違うので、ゲームによっては変えられた方がよいのは確か。
- 追記(2014/3/17)
- VitaTVの場合、表示先が大型液晶テレビ(フルハイビジョン、1920x1080)などになっている場合もある訳で、元の解像度からどんだけ拡大して表示してんのよ!?という話でVitaでの印象ともまた違ってくる。VitaTVのゲームの場合の内部解像度は「720p」(1280×720、16:9)となるので、あとはテレビ側での補正がどの程度行われるかでずいぶん印象は変わってくるので、結局は諦めと好みの問題になる。
致命的な背面タッチの誤操作
PSアーカイブスで遊ぶ上で一番の問題はたぶんコレ。PSのコントローラーにあった「L2/R2」のボタンがVitaには無いということ。
一応、PSアーカイブスのソフトウェアとしては「背面タッチパネル」の上部辺りにそのボタンを割り当てているんだけど、ボタンではなくタッチでの認識なので「自分は触っていないつもりでも触ってしまいボタンを押したと誤認識される」事が頻発する。
これ、ゲームのタイトルによってはかなり致命的だ。
また、そもそものボタンの位置が判りづらく、押しやすい位置とは言い難いのでこれも問題。Vitaの専用グリップを装着すると使い勝手が上がると言う話も聞くけど、それはある意味最終手段というか。なので、「L2/R2」を多用するタイトルについては買うときに覚悟というか注意が必要だと思う。
- 追記(11/23)
- Ver.2.00から画面のタッチパットは前面、背面でいろいろカスタマイズ出来るようになった。ゲームによってはこれで改善するケースもあるので、いろいろ試してみるとよいかもしれない。なお、L3/R3にも対応可能とのこと。
- 追記(2014/3/17)
- VitaTVの場合、DualShock3を使用出来るので、もともとのPS1コントローラーとL1/R1/L2/R2がある時点でPSアーカイブスとの相性は良いですが、Vita(PSPも同様)で遊ぶ場合と配置が違う事もあるし、キーカスタマイズ的な事が出来ないので、今遊ぶと好みの問題で違和感があるゲームもちらほらあったりします。
アナログスティック未対応タイトルがある
自分で使ってみるまで失念していたこと。それが、初代PSはアナログスティックは存在していなかった!という事実。
なのですっかり忘れていたワケですが、初期の頃のPSタイトルについては当然右だけでなく左も含めてアナログスティックは未対応。そこは十字ボタンにしか対応していません。
キーコンフィグ的なものも無い。ボタンとしては正しいのですが、使いやすいかというと既に慣れの問題でアナログスティックで操作したくなるのが人情。仕方ないとはいえ、結構衝撃を受けた。そういえば、DUALSHOCKまで対応して無かったですね。なお、オプション画面でアナログスティックを使うかどうかの設定切り替えが出来ます。(未対応タイトルは変えても意味ありません)
- 追記(11/23)
- Ver.2.00からアナログスティック未対応のタイトルも設定可能になった。これは地味に良い改善だと思う。Ver.1.80の時のPSアーカイブスは「PSPの対応に比べて物足りなかった」けど、今回でかなり改善した印象がある。
スクリーンショットの動作について
PSPの場合と同様、Vitaの標準機能でのスクリーンショットには対応していない。でも、PSアーカイブスの場合は、ゲーム内とは別にエミュレータ側でスクリーンショットの機能に対応しているので、タイトルによってはこれが使える。
ただし、問題点が2つある。1つはタイミング。このスクリーンショットをする為には、画面PSボタン(Ver.2.60より)長押しによるオプションメニューを出して選ばなければならず、決定的瞬間!的に任意のタイミングでピンポイントに撮影するのが非常に難しいということ。
もう一つは、スクリーンショット画像は表示中の画面解像度と無関係にオリジナルで保存されるということ。Vitaだとちょっと小さく表示される。まぁ、それでも撮れるのは結構便利。
読み込み速度の調整とメモリカード
何故か、VitaのPSアーカイブスではCD読み込み速度を高速化に指定できる。タイトルによっては対応していないということなので注意が必要だが、意外とビックリするぐらい速くなることがある。
この辺りはゲームバランスが崩れることもあると思うので、試して切り替えてみるのがよし。
あとメモリカードはゲームごとに用意されるイメージなので、昔みたいに「お兄ちゃんのメモリカード」「私のメモリカード」な感じでメモリカードを入れ替えて運用するということは出来ない。
一応、コンテンツ管理アシスタントでセーブデータのバックアップは出来るので、それで強引に入れ替えたりは出来ると思うけど、たぶんそういう使い方は正直手間なだけでそこまでのメリットは無い(セーブデータをフルブロック数使う様なタイトルは別かもしれないけど)と思う。割り切るのが良し。
コントローラーのバイブレーションは対応しない
好みの問題で賛否両論あるんだろうけど、PSコントローラー、DUALSHOCKなどに搭載されていたバイブレーション機能。何かと面白い使い方もあったし、ワリと好きではあったんだけど、Vitaにはバイブレーション機能は全くついていないので、この部分はどうにもならない。
そんな感じ。
正直、PSアーカイブスは懐かしい気持ちが優先して買うものの、Vitaで100%満足できるか?というと、そんなことは無い。
基本的なところでは特に処理の遅延みたいなのもないし、むしろ携帯機で初代プレイステーションのゲームが出来るということ自体は「スゲェ」なんだけど、とにもかくにも「L2/R2」のボタンがVitaに物理ボタンとして無いことが致命的。
アクションゲームなどでこのボタンを結構多用するようなゲーム、特にボタンの押しっぱなしなどをしたり、瞬間的に両方のボタンを押したりみたいな特殊な操作をする様なゲームの場合、自分が思っている以上に動かないと思う。
かといって、コレについては代替案が無いというか。前面だったらいいのか?とかそういう話でもないし、アナログスティックに割り当ててどうにかなるものでもないし。キーコンフィグでどうにかなるものではない。マジで。
かといって、いまさらPSコントローラーが繋げられればいいのに!とは流石に言えないので、判断が難しいところ。
PS3のコントローラー代わりにVitaを使うという「クロスコントローラー」の話が出ているものの、PS3のコントローラーをVitaに接続するという逆の話はまだ出てないし、できるかどうかもかなり未知数。とはいえ、Bluetoothを搭載したPSP goについては PSP go用ソフトをDUALSHOCK 3で操作することができたりしたハズなので、対応の期待は僅かだけどあるかも知れない。
- 追記(2014/3/17)
- VitaTVの発売で、VitaプラットフォームでもDualShock3での操作が出来る事は確認されたので、コントローラーに拘る人は、VitaTVの購入も検討してみると良いかも。Vitaタイトルは対応ゲームに限られますが、PSPやPSアーカイブスは殆ど対応してます。
なので。
個人的には(PS3でPSアーカイブスが対応しているという現状を考えると)PSアーカイブスのタイトルをVitaでやるのはL2/R2をあまり多用しないタイトルならOKだけど、それ以外は一考の余地ありっていうか、「待て」っていう気がしている。
まとめ
PSP互換とかPSアーカイブスの話は、別に私が書かなくても他にもっと詳しい人がいろいろとレビューを書いていたりするので、かなり今更というか。ぶっちゃけ他の方のレビューの方を参考にしてください!という感じなんだけど、自分は自分で考えたことを書いてみたという話で。
結論として、
「PSPについては正直もうこのままでいいや!」
と個人的には思っている。
無論、今後改良して欲しいポイントは細かい点でいろいろあるとしても、現状の対応状況でもそこそこ十分な気がしている。
ただ、「PSアーカイブスについてはまだまだというか実は課題山積みだよな」という印象。
PSPで感じている「もうこれでそこそこ十分なんじゃない?」なところには程遠い。妄想を繰り広げるならば、これは将来(可能という根拠も無い願望として)PS2アーカイブスに対応したとしても、特にL2/R2の背面タッチでの代用には問題あるし、コレはちょっとヤバいよ?という気がしている。他の点もまた部分的に然り。
唯一の希望として「VitaにPS3のコントローラーが接続できる可能性が残されている」という点なので、これは何かこう携帯機として本末転倒なことを承知で言えば、「ソレはソレとして対応して早々に対応を検討というか対応して欲しい」という気がしなくもない。
そういう点を踏まえて、PlayStation Plus のサービス「トライアル」については、ゲーム側ではなくエミュレータ側で試用期間(時間の制御をしているんだろうな?という事を考えると、PSアーカイブスに限ってはPlus会員は全てトライアルでもいいぐらいなんじゃなかろうか?という気がしてきた。かなり強引な展開だけど。。。
PS3で遊ぶ分に関してはコントローラーが大きく違うわけではないから操作性という意味ではそこまで問題にはならないとしても、Vitaで遊ぶ場合に関しては操作性の違いによるガッカリ感はかなり大きい。いくら数百円のタイトルが主流だといっても、お金を払う以上はガッカリというのはやっぱりこう、なんていうか勿体ない。
なんか、そんなことを考えてみたりした。*2