VitaのDLC購入とコンテンツ管理のギャップ
世間一般的には「夏休み」かつ「お盆真っ盛り」な今日この頃。例年以上に暑い日が続きますが、みなさまのVitaはいかがお過ごしでしょうか。自分のVitaは2年目の夏もフル稼働でございます。
そんな事は聞いてませんね。誰も。
最近、「Vitaのオンラインバックアップの課題点」についてずっと考えていて、先週のVer.2.60でLiveAreaからのお手軽オンラインバックアップが出来る事で「いよいよ表面化してきたな」と感じた事。
タイトルの件。
これ、結論としてはVitaに限らず「PS3/PSP」でも同じ話だけど、ややこしいので基本的にはVitaに限って書く。
関連記事(この話の続き)
- Vitaのバックアップ手段と対応範囲 (Ver.2.60) (2013/8/8)
発端はダウンロード版の入れ替え作業から
私自身は普段起動が便利だからとダウンロード版での購入が多い。
なので、比較的メモリカードはいっぱいいっぱいのギリギリで運用しており、購入したゲームの内、解いたりしばらく遊ばないゲームはコンテンツ管理でPCに本体とセーブデータの丸ごとと、PS Plusでオンラインストレージにセーブデータだけの二重バックアップをしている。
こういう事は結構まめにするタイプ。
今回のVer.2.60で楽になったのでずいぶん助かっている。
ダウンロード版の入れ替えは基本的に「PCから戻す」形としていたのだが、あえて「PS Storeから再ダウンロード」としてみた。最新のパッチも自動的にダウンロードされるので、あとは「セーブデータをオンラインストレージから戻すだけ」だった。
だが、それではゲームが起動しなかったのだ。
理由は簡単。DLCのダウンロードが出来ていないからだ。
パッチは自動、DLCは手動
Vitaの場合、PS Storeで買ったダウンロード版のゲームはいつでも再ダウンロードが可能である。
Vitaカード版の場合は、オンラインにつないで自分でアップデートを行う必要があるが、ダウンロード版の場合は再ダウンロード時に自動的にパッチもダウンロードリストにのって更新される。
これ、知らないと「同じゲームが2つダウンロードされている」様に見えるので、かなり誤解しやすい部分だが、1つ目が配信時のゲーム本体で、2つ目が最新のパッチデータになっている。
パッチは自動でダウンロードされる。
しかし、DLCを購入している場合は、このDLCは自動ではダウンロードされない。自分でダウンロードリストに入れる必要がある。無料のものもあれば、有料のものもある。当然、各個人で「買ったか買ってないか」は違う訳で、勝手に入れることは出来ないから、だろう。
DLCは自動でダウンロードされない。
これ、すごく大変なのである。
DLCの管理はごちゃまぜな現状
PS Storeでの購入済みのゲームやDLCは全て「ダウンロードリスト」に載る。しかもダウンロードした日時順で。
普段ダウンロード版はもちろん、DLCなんて一切買いません!という方は特に困らないかも知れないが、昨今では「無料DLC」などもずいぶん増えて来ていて、ダウンロード版でなくてもDLCは買う人も決して少なくない。
雑誌や本の電子付録という形も多いし、この1年ほどでは初回特典などもDLCというケースも増えている。DLCは数年前はもちろん、1~2年前と比べててずいぶんと身近になっているし、メーカー側も最初からDLC対応前提でタイトルを発表、発売している。Vitaに限っては、DLCに対応していないタイトルの方が少ないと言える所まで来ていて、数週間から数ヶ月に渡って第何弾という形で順次配信されたりする。
にも関わらず、
「ダウンロードリストには自分がダウンロードした日付順でタイトルに関係なくごちゃまぜで表示される」
という。ずいぶん前にダウンロードしたタイトルのDLCであれば、ダウンロードリストを何ページも遡って探さなければならない。
無論、PS Storeのタイトル別の一覧表に行けばDLCはまとまって表示されている。
しかし、このリストはあくまでも「全DLC一覧」というものであり、「自分が購入したもの」がすぐに判る形にはなっていない。3~5個ぐらいなら1つ1つ確認してみる事も出来るが、各キャラクター毎にトータルで30個とか極端に細かくなっていたり、それらのまとめ売りになっているケースもあって結構複雑。
「自分が購入済みのDLCの一括ダウンロードが出来ない」
という大きな問題がある。
コンテンツ管理のバックアップ方法のギャップ
コンテンツ管理によるバックアップとバックアップ対象
種類 ゲーム本体 パッチ DLC セーブ
データ備考 PC/PS3 ○ ○ ○ ○ DL版 nasne ○ ○ ○ ○ DL版 オンライン
ストレージ× × × ○ PS Store - - - - 管理外
セーブデータだけをバックアップ出来る「オンラインストレージ」は、自動バックアップの機能に加え、Ver.2.60からのLiveAreaからの手軽なバックアップも可能になり、ずいぶんと「身近」になった。
だが、先の段落までに書いた通り、オンラインストレージにバックアップされるのは「セーブデータ」のみ。
既にゲーム本体のダウンロードが済んでいてかつ、最新パッチとDLCが適用済みな状態になっていれば、オンラインストレージからの戻しは何の問題もない。しかし、問題は「DL取得方法が手動」(表内:赤字)となっているDLC。
セーブデータには含まれているDLCの情報が有効になるには当然DLCもそろっている必要があり、これがそろっていない場合は、正しくゲームが起動出来ず「エラー」になってしまう。
まとめ
この話を考えていて2つの問題があるんだなと感じた。
- 購入済みDLCの自動ダウンロード機能が無い事
- ダウンロードリストのタイトル別まとめ機能が無い事
今回のVer.2.60でLiveAreaから気軽にオンラインストレージにバックアップ出来るというサービスを提供している以上、バックアップからの復旧、戻しも簡単であるべきだ。だが現状は手間である。
そういう意味で、パッチの自動ダウンロードと合わせて購入済みDLCの自動ダウンロードも行われるのであれば、あとはセーブデータだけを意識すればいいからずいぶんスマートになる。
1つ目の「購入済みDLCの自動ダウンロード機能」は最低必要要件になるだろう。
そして、それを実現する為にも「ダウンロードリストのタイトル別まとめ機能」が必要になる。
PS Plus会員はサービスの一環として「万が一の事態」に備え、セーブデータをオンラインストレージにバックアップできる。これ自体は自衛という意味ではとても重要だ。だが、その万が一が起きた時の復旧方法が決して簡単ではない事は、サービスの利用者側としては不満になるであろう点。
今後DLCのビジネスが増えていくであろう中で、この問題はどんどん大きくなるだろうと予想されるワケで。復旧が容易ではないシステムは、ユーザに心理的な負担と不安を大きくし、決して良い結果にはならない。
PS Plusのサービスが課金制である以上、もう少しこの辺りの仕組みは楽にして欲しいかな?と個人的に思うものである。そうなった時、PS Storeはコンビニやマンガ喫茶の様にもっと気軽に必要な時に利用出来る場所になり、今以上に利便性の高いものになるんじゃないかな?と思う訳で。
そして余談として、その復旧方法を難しく考える必要が無いPC/PS3/nasneへのバックアップは時間こそ掛かるものの間違いなく安心な方法であるワケで、この方法を「一次バックアップ」とした上で、PS Plusのオンラインストレージへのバックアップはあくまでも「二次バックアップ」とする方が楽だと思いますよ?と改めて感じたのであった。
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