フォトカノKissのスクショとメモリとPS Plus
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- Vitaとフォトカノとスクリーンショット (2012/11/30)
ずいぶん前、「フォトカノ Kiss」に関する記事を単発で書いた。
このブログ的には特定のタイトルを取り上げることは滅多にないし、そもそも発売前だったことを考えてもレビューでは無かったワケだけど。
とはいえ、実は個人的にこのゲーム。とても気になっていた。
記事にするぐらいだからという意味でももちろん、だんだんと判明してきた仕様的な所で「セーブデータ:3,072MB (最大)」という記述が個人的にとてもツボをついたのだ。だって、これ。過去他のタイトル合わせても最大だったんだもの。
今回はそういうワケで、このゲームのこの辺りの話。もちろん、買ってプレイしての話。
なお、ゲーム内容のレビューではありませんのであしからず。
Vitaのゲームデータとセーブデータの関係
おさらい的な話。既にVitaを持っている人には常識的な話。
VitaはVitaカード版とダウンロード版でセーブデータの管理方法が違う。カード版の場合は、メモリカードが必要な場合と、不要な場合もあって、単純には3種類ある。「フォトカノKiss」はメモリカード必要型。
なので、
という感じになる。バックアップをする際は「合計」の分が必要になる。(PS Plusを除く)
この表の数字だけでいうと、このゲームが他のタイトルに比べて特殊ということは無い。セーブデータが他のタイトルの平均と比べて若干多いぐらい?という程度。
(2013-04-30時点の)今の所、一番特殊なのはゲームデータ(本体+パッチ)としての最大となる「ファンタシースターオンライン2」(PSO2)で、セーブデータはオンライン側で保存しているのにも関わらず、本体側だけで「4.5GB程度」は使っていたと思う。にもかかわらず、セーブデータは15MB程度である。
同じくオンライン専用の「シェルノサージュ Re:Incarnatin」も「3GB未満」に収まっていて、セーブデータも1MB程度だったと思う。メーカー側はDLC/パッチの関係でメモリカード容量は8GB以上を推奨しているけど。
そういう意味で、この本体の約3GBと、セーブデータの約3GBを足して最大約6GB程度になるという状況、4GBの壁を大幅に超えているのはたぶんこの「フォトカノKiss」だけだと思う。
ちなみに「フォトカノKiss」もメーカー側はメモリカードは「8GB以上を推奨」している。Vitaの場合、メモリカードにゲーム以外のシステムデータや、ゲームでスクリーンショット撮影したデータ(後述)なども別に必要になる為、多いに越したことは無い訳で。
フォトカノKissのセーブデータ管理
PSP版をプレイしていないので、あくまでもVita版だけの話だけれど、セーブデータの管理は非常に特殊だと判った。というか、ゲームの特徴を踏まえて、非常によく練られているというべきか。
判りやすく言うと、「セーブデータ」だけでも3種類あるのだ。
フォトカノKissのセーブデータ管理
- システムデータ
- 各プレイデータ共通となる全体的なキャラクターデータ。システムのオプション設定はもちろん、プレイヤーデータとなるスキルや撮影した時のポイントなどは全てこの部分で管理されている。全データで1つの管理。
- プレイデータ
- ゲームプレイ中に「セーブ」すると保存されるプレイ中のデータ。ゲーム内での進行、主にフラグ管理を行っており、撮影した写真のデータも9枚x28頁(252枚)まで管理される。プレイデータは最大9個まで保存可能。データ内には写真画像のサムネイルも含まれる。
- アルバムデータ
- 各プレイデータ共通となる全体的なアルバムデータ。プレイ中に撮影した写真(の一部)やクリア済みのイベント回想などのデータが管理されている。保存可能な写真はキャラクター、イベント、場所、ポーズ指定などで「枠」(上限)が決まっており、撮影シーンが多ければその分その枠の範囲で増えていく。データ内には写真画像のサムネイルも含まれる。プレイデータとは別な為、プレイデータの上書きや削除でもデータは残される。
どこにどれぐらいの容量が掛かっているのか?は、詳しく調べてないけれども、これだけのデータがある。
前段で書いた「セーブデータ:約50MB~」については、1プレイデータで遊んだ場合の話で、セーブデータを3つ4つと分けて保存していたら150MBぐらいまで(コンテンツ管理で確認)増えたので、最低ラインとしてそれぐらいという意味で書いた。
セーブデータの容量の増加は、バックアップの問題に直結する。
フォトカノKissのバックアップとPS Plus
前段の通り。フォトカノKissはかなりセーブデータの容量を食う。遊び始めは問題ないが、プレイが長くなればなるほど、プレイデータはもちろん、アルバムデータが増えていくという問題にいつかあたる。
その最大値が冒頭に書いた「最大:3,072MB」なんだろう。プレイしてみればわかるが、そこまで達するのに「どれだけプレイしなくちゃならないのか?」という程のボリュームなので、気にしすぎる必要は無さそうだが、それでも「プレイデータ」は比較的簡単に増えるので、まずはここが問題。
正確には計算していないが、1プレイデータで30MB程度は食うと思われる。それが9ファイル分、270MB。この数字はあくまでも推測。もっと少ないかもしれないし、多いかもしれない。
多少前後したとしても、問題の本質はこの数字そのものではなく、この容量だけでも実はPS Plusに保存するゲームデータとしては「かなり多い部類」に入るということの方。
そもそも、PS Plusは「最大 1,000タイトル、1GBまで」と決まっている。
フォトカノKissだけで1/4を占めてしまう事になるし、実際はアルバムデータもさらに含まれてもっと増える訳だからこの「1GBの壁」は、比較的あっさりと到達する・・・と思われる。既に他のゲームのセーブデータがあればその分は使えない訳だから。
実際、私も昨日の時点でPS PlusにフォトカノKissのセーブデータをバックアップしてみたが、オンラインストレージの空き容量がガッツリと減らされたのに驚いた。
そう。フォトカノKissは、「最終的には PS Plus でオンライバックアップが出来なくなる可能性がある」という程に特殊なゲームなのだ。*1
なお、セーブデータが多い他のタイトルだと「リトルビッグプラネット」(1,024MB)や「拡散性ミリオンアーサー」(1,024MB)や「みんなといっしょ」(500MB)「えちゃんねる」(600MB)などがある。
フォトカノKissのスクショ機能
セーブデータの話はとりあえずおしまい。で、「スクショ機能」の話。
以前、発売前に記事を書いた時は
その撮影した写真の画像データ化については、やはりPSPの場合と同じように「SSデータ書き出し機能」を使うだろうな?ということが想像できる。なので、撮影をバンバンしたからといって「フォト」に画像が大量に並ぶということは無くメモリカードの圧迫もないだろう。きっと。
と書いた。
これは予想通りで、撮影した画像自体は全て先に書いた「プレイデータ」と「アルバムデータ」に保存される形であり、そこから選んだものだけを「フォト」に「SSデータ書き出し」をするというスタイルになっている。(フリーフォトセッションやイベント回想等からの出力は除く。これらはセーブデータ内ではなく「フォト」に直接出力されるので注意)
残念ながらというか理解できる仕様として(PSボタン+STARTボタンによる)「スクリーンショットは禁止」になっているので「日常の風景」は撮れなかったけれども。(ただし、クリア後の「イベント回想」では「SSデータ書き出し」がオプションで可能になるので日常の風景も回想的に撮影することは出来る。当然ゲーム画面では無いので、場所選択シーンやシステムメニュー画面、一部のイベントは回想に載らない為、これらは結果としてSSデータ書き出しは出来ない)
画面に表示中の写真には、操作メニューが画面下に表示されているが、「SSデータ書き出し」では写真をイメージしているので、それらは当然出力されない。実際に表示中の画面とは違うものが出力されている。ここはVita標準のスクリーンショットとは違う所だ。
一応、コピーライトにあたる「ひまわりのマーク」が画面右下に目立たない形で小さく出力されるが、これもイメージを損なわない配慮がされており、出力された画像はとても満足度が高いものになっている。このコピーライトに当たる部分はVita標準のスクリーンショットの機能と同じものだろうと思われる。
この機能、他のゲームでもいろいろ使い勝手ありそうだなーと思った。
まとめ
この週末、「ニコニコ動画 超会議2」でも「Vitaによる生放送」の実況が行われていて、この中で新機能として紹介された「コメントも含めたスクリーンショットの出力機能」があった。
これも、現在スクリーンショット禁止の「ニコニコ」としてはこの「SSデータ書き出し」の機能を使ったものだと思われるし、今後他にも事例は出てくるだろう。
特に興味深いのは「スクリーンショットの出力可能な部分と不可能な部分を明確にシステム上で設定した」という点。出力不可の部分を作ることで、明確にネタバレ禁止などを製作者サイドが定義出来ており、これは非常に意味があると考えられる。
また、フォトカノKissのデータ容量の多さの一因は、「サムネイル画像」による所が多分にあると思っている。当然、写真のデータ自体も大きいとは思うが、一覧性に配慮したサムネイル画像も1つ1つ保存している(読み込んでいる)ので、相当なボリュームになっていると考えられるが、Vitaにおける「セーブデータ」の考え方がかなり変わってきているという所が興味深い。
何が変わってきているのか?というと「パラメータやフラグ管理だけのセーブデータからの転換」という方が判りやすいかもしれない。
まぁ、これについては前作のPSP版もたぶん同じだったんだと思うからこの「フォトカノKiss」から始まったワケではないだろうし、既に他のゲームでも「PS Plusに保存するには大きすぎるセーブデータ」がポツポツと出てきている。過去最大のセーブデータ容量というこのゲームを境にそこまでいかなくとも「そもそも容量的に保存不可」というゲームは今後出てくるであろう。
この場合の解決方法として、PSO2やシェルノサージュと同じように「完全オンライン対応でセーブデータはメモリ内に持たない」という考え方も出来るだろう。だが、オンラインはプレイフィールとしていろいろ問題があるワケでこれもゲーム内容によっては難しい。
旧来的な単なるステータスやパラメータ、フラグなどの管理からの転換をした、このフォトカノKiss、LBPやえちゃんねるの様に画像データを大量に含んだデータが「ひとつのセーブデータ内に含まれる」という事が、セーブデータ自体を肥大化させており、結果としてPS Plusの試算値との乖離にもつながっていっているんだろう。
興味深い。
余談だけど、SSデータ書き出し機能によって「自分で画像を生成する」という点で、フォトカノKissはかなり画像データを大量に出力する。この為、「フォト」には「Vitaで作成した自分だけのオリジナルデータ」が大量に排出される事になり、この点でもVitaの「コンテンツ管理のPCへのWi-Fi接続」や「コンテンツ管理のnasne対応」はかなり重宝している。
というか、このゲームの為にリリースしたんじゃないか?ぐらいの感じで。
この辺りのシステム側とゲーム側が連携している・・・という感じは、とてもスマートで良いと思う。