みた、こと。きいた、こと。

あとで、かく。ここは分館。記事一覧は「右メニュー」から。

Vitaとフォトカノとスクリーンショット

先日突然発表されたタイトルの件。PS Vita「フォトカノ kiss」。

まぁ、まだ発売前だし開発中って事で詳細なんかわかってないし、そもそも私自身はPSP版の「フォトカノ」は未体験ですのでなんか勘違いしている事もいろいろありそうですけど、なんとなく調べてみたら現在のVitaの仕様と考えてちょっと面白いことに気づいたので書いてみることにする。

具体的にはこのタイトルのコンセプトであり主であるテーマとなる「フォト」について。


スクリーンショットかフォトか

もう、ストレートに書くとこの事だ。

Vitaにはスクリーンショット機能がある。既に「PSボタン+STARTボタン」が体になじんでしまってあらゆるタイトルでバシバシと撮りまくって気が付いたらファイル数が数百枚・・・という人もそうとう多いだろう。と、思う。自戒の念をこめて。


しかも、連射こそ出来ないながらもVer.2.00でスクリーンショットはバックグラウンド処理になったために、より手軽に撮れるようになった。さすがにアクションゲームだと両手の親指をアナログスティックやボタンから一瞬とはいえ手放さなければならないので無理なシチュエーションも多いだろうが、それでも以前はスクリーンショットを保存している間にコントロール不能に陥ることがネックだったのに対し、それが無くなった事は大幅な改善だ。

別にVitaのみの特徴というワケではなく、他のゲーム機でも対応しているが、スクリーンショットに対応しているタイトル数の割り合いでいえば、Vitaはかなり多く、そういう意味で「Vitaの特徴のひとつ」にもなっている。

だが、この機能を愛用している人ほどこの機能に不満があるハズだ。


それは「JPEG圧縮による画質の劣化」だ。


パッと見程度であれば違いは判らないものの、良く見ると気が付くアレやコレ。JPEGファイル特有のノイズ、一般的には「ブロックノイズ」やら「モスキートノイズ」とも呼ばれるアレ。

Vitaの標準機能であるスクリーンショットは手軽さと逆に画質の面において残念さがある。


一方で、フォトカノの場合はテーマが「フォト(写真)」である以上、そういう点で画質にはこだわるだろうと思われる。

そう、スクリーンショット機能では撮れないハズの画質で写真撮影が出来るのでは?と、期待するものである。


撮影した画像のファイル書き出しはどうするの?

Vitaはデータ管理がすごいシビアである。単純な話として、他のタイトルのデータ領域にアクセス(書き出し)は出来ない、という。

事実、ペイントパークでは折角自分で好きな絵が書けるし、フォトに入っている画像を読み込むことは出来るのに、そこに書き出すことは出来ないので、自分が書いた絵をスクリーンショットするというなんだか本末転倒な対応をしないと、出力できなかったのだ。

なんかそれ、すごく残念だよね?と。


なら「フォトカノ kiss」でも同じなの?出力できないの?

というと、それは違う。本来、フォトにはその機能はあるのだ。あまり使われていないだけで。


そのヒントは以下の2つのキーワードでわかる。
PSP版のSSデータ書き出し
WipEout 2048 (PS Vita)
だ。


スクリーンショットデータ書き出しという機能

発売済みのPSP版フォトカノは、撮影した写真はそのままでは画像ファイルとして見ることは出来ない。データの中身までは解析していないが、たぶん撮影した写真そのものではなく、撮影した様々な条件をデータとして保存されているのだろう。

だから、純粋な意味で画像ファイルで保存しているわけではないと推測される。

だが、画像ファイルに出力することは出来る。どうしているのかといえば、「SS(スクリーンショット)データ書き出し」という機能を使っている。

つまり、ゲーム側からは出力できないため、OS側で出力できる領域である「スクリーン」を介してPSPの標準機能で出力している。(PSPも対応タイトルが少ないだけでスクリーンショット機能は対応している。VitaのPSPエミュレータも対応しているので、この機能を使うとフォトに書き出される。)


Vitaはどうなるのか?というと、実は同じ機能は既にある。別に最近搭載されたものではなく。

具体的には「WipEout2048」にその機能がある。このタイトルはレース中の撮影は基本的に出来ないのだが、リプレイでは撮影(出力)が可能なのだ。しかも、エフェクトなどの処理を入れることも出来る。

推測ではあるが、発売当時はVer.2.00で追加されたバックグラウンド処理に対応していなかったため、スクリーンショット撮影時には操作不能に陥るために、スピードが命のレースゲームにおいてその機能は不要と判断されたのだと思う。


この機能を使うと、画像データを出力することは出来る。出力された画像は「フォト」に格納され、普通のスクリーンショットと同じように扱える。

「フォトカノ kiss」でもこの「SSデータ書き出し機能」を使うんじゃないかな?と、思っている。


まとめ(もしかしたらな、あんなことやこんなこと)

冒頭に書いた通り、私自身はPSP版のフォトカノは未体験である。

でも、Vita版として考えた場合は今までと同じか、いやそれ以上というのはやはり貪欲に妄想してしまうものである。

その妄想で考えるならば、「フォトカノ kiss」が他のVitaタイトルと同じようにするのであれば、Vitaの標準機能であるスクリーンショット機能には普通に対応するだろう。

カメラでの撮影とは異なる、各ゲーム画面の撮影。メニューとか移動画面とかどこでも。

いうなれば、それは単なる日常の風景。ファインダー越しではない風景の撮影と言えるかも知れない。

その上で、カメラのファインダー越しに撮影も出来る様になる。


撮影したデータは、PSPの場合と同じ様にデータ化され、すぐには画像化されないだろう。連射が出来るかどうかは判らないが、通常のスクリーンショットではないので機能的な意味でも保存時間はきっと違ってくると思う。

その撮影した写真の画像データ化については、やはりPSPの場合と同じように「SSデータ書き出し機能」を使うだろうな?ということが想像できる。なので、撮影をバンバンしたからといって「フォト」に画像が大量に並ぶということは無くメモリカードの圧迫もないだろう。きっと。


また、もしかするとその出力の前に多少の加工が出来る可能性もある。

ただ、加工といっても折角アングルやポーズ、撮影時のピントなどを変えるのではなく、元のデータを利用した色調補正(セピアやモノクロ、パレットパターンの変更など)や手書きコメントの入力などは出来てもよさそうだな?と思った。コメントはプリクラみたいで余計かも知れないけど。

より理想を言えば、大きい画像での出力も対応してくれ!と思ったりもするが、たぶん「SSデータ書き出し機能」だということを考えると、残念ながらVitaの解像度以上の出力は出来ない可能性は高い。


また、通常のスクリーンショットと異なり、撮影した写真の書き出しについては、出力される画像の圧縮率を抑え、高画質での出力が可能になる可能性がある。ハードウェアのボタンで呼び出す方式ではなく、ソフトウェアで機能を呼び出すという意味で、圧縮率などを指定して書き出せる可能性があるのではないか、と。

さらに、通常だと画像内に入るコピーライトについても、画面内には入らないでJPEG情報内にのみ埋め込まれる(Exif情報だろうか)可能性もある。撮影した写真というイメージを損なわないためにも。


いや、もしかしたらTwitter設定もVer.2.00から追加されたことから、ゲーム内から直接撮影した写真をツイートできる可能性もある。画像ファイルとしていちいち書き出すのではなく、ゲーム内のアルバムからお気に入りを選びながら。


これは妄想。発売は来年の春ぐらいとの事だし、詳細はこれからだろう。

でも、妄想するには十分な話だ。なかなかに興味深い。

追記 (2013/4/30)

タイトルが発売されましたので、後日談書きました。