コンテンツ管理とオンラインストレージ
ある意味、昨日とか先日からの話の続きなんだけど、以前の記事で「実際に保存できるデータの種類は違うんだけど(これはまた別の機会に)」と書いた手前、書きたかったことは書けるときに書くという感じで書く。
上の1行だけで「書」という文字が5個もあるが、別にそこまで意気込む話でもないんだけど。
うん。
ただ、「データ管理とか難しいことはよくわかんないから簡単なのがいい!」というのが一般論という雰囲気のある中、Vitaについてはこの辺りが実はちょっとややこしいという実感がある。
その辺りを整理しておきたい。そういう意味で、話は以前の記事と重複する部分が多々あります。
コンテンツ管理で扱えるデータの種類
Ver.2.00になり、オンラインストレージも使えるようになった。そこで、「コンテンツ管理」で扱えるデータについて一旦整理してみることにする。
コンテンツ管理で扱えるデータの種類
種類 ケーブル接続 Wi-Fi接続 オンラインストレージ 備考 Vitaゲーム/アプリ ○ 可能 ○ 可能 × 不可 DL版のみ Vitaセーブデータ △ 可能(*1) △ 可能(*1) ◎ 可能 オンラインはカード版も可能 PSPゲーム ○ 可能 ○ 可能 × 不可 PSPセーブデータ ○ 可能 ○ 可能 × 不可 (*2) PSアーカイブ ○ 可能 ○ 可能 × 不可 PSセーブデータ ○ 可能 ○ 可能 × 不可 (*2) PSMタイトル ○ 可能 ○ 可能 × 不可 画像データ ○ 可能 ○ 可能 × 不可 リモート表示可能 音楽データ ○ 可能 ○ 可能 × 不可 リモート再生不可
Ver.2.60より可動画データ △ 可能 △ 可能 × 不可 torneとは別(*3)
こと、これに関して云えば、ケーブル接続もWi-Fi接続も基本的な違いはなく、あとは転送速度とか通信エラーの心配をするかしないかぐらいの話になる。
しかし、オンラインストレージとなると話は別。というか、ほとんど対応していない。
もともと「セーブデータお預かりサービス」というものを「オンラインストレージ」と呼んでいるだけなので、そこは「そりゃそうだろう」ではあるんだけど、でもセーブデータと云っても当然Vitaのゲームとアプリだけであり、PSPやPSアーカイブスは対応していない。
これが分かった時点で、nasneの対応状況と比べてみる。
nasneで扱えるデータの種類
先日も書いたが、nasneは「DLNAサーバ」になっているので、DLNAに未対応のVitaだと別な方法での接続となってしまう関係上、だいぶ制限がある。
"ナスネ"には、録画したテレビ番組のほかに、パソコンなどから画像や音楽、ビデオ、文書などのデータを保存できます。
PlayStation3、VAIO、Xperia Tablet / Sony Tablet、Xperia スマートフォンやDLNAクライアント機器から"ナスネ"にアクセスして、画像や音楽、ビデオを再生して楽しめます。
では、どんなフォーマット(データの種類)に対応しているのか?というと、公式サイトのオンラインマニュアルにしっかり載っている。なので、これと現在のVitaの対応状況と比べてみたい。
nasneで配信出来るデータの種類 (比較:Vita、参考:PSP)
画像
フォーマット nasne Vita PSP(参考) 備考 JPEG ○ 対応 ○ 対応 ○ 対応 Exif2.21 BMP ○ 対応 ○ 対応 ○ 対応 GIF ○ 対応 ○ 対応 ○ 対応 PNG ○ 対応 ○ 対応 ○ 対応 TIFF ○ 対応 ○ 対応 ○ 対応 MPO ○ 対応 ○ 対応 × 未対応 代表画像のみ *音楽
フォーマット nasne Vita PSP(参考) 備考 LPCM ○ 対応 ○ 対応 ○ 対応 WAVEファイル MP3 ○ 対応 ○ 対応 ○ 対応 MPEG-1/2 Audio Layer-3 AAC ○ 対応 ○ 対応 ○ 対応 MP4(MPEG-4 AAC) WMA ○ 対応 × 未対応 ○ 対応 ATRAC × 未対応 × 未対応 ○ 対応 ATRAC3/plus プレイリスト × 未対応 ○ 対応 ○ 対応(M3U) M3U/8、PS3、iTunes
となっている。意外にも参考で書いたPSPの方が対応が進んでいてVitaがまだまだだ・・・と云うのが分かるかも。
また、DLNAサーバーという位置付けとなるnasneと、それと異なる接続となるVita/PSPは対応状況が画像を除いた音楽とビデオでは全く合っていないこともわかる。
まとめ
こうしてみると、前回の結論と同じものが導き出されてしまう。
VitaのDLNAへの対応はまだまだ先っぽいな、と。
いや、DLNAクライアントのそれぞれが、それぞれで全てのフォーマットに対応している必要は無い。多ければ多いほどよいのは確かだが、最後は割り切りだ。せめてPSPと同じぐらいまでは最低ラインとして欲しい所ではあるので、そこまで出来てくれば、DLNA対応も近いと考えられる知れないし、それを期待したい。
ただ、そうだとしてもその時には新たな問題が出てくる。
「オンラインストレージ」が「PlayStation Plus」だけを指しているという所だ。利用できるデータがDLNAとは全く無関係の「Vitaのセーブデータ」しか預かってくれないという所。
コンテンツ管理は「画像/音楽/ビデオ」を扱い、かつ「(ゲームの)セーブデータ」も扱う。
DLNAは同じく「画像/音楽/ビデオ」は扱うが、セーブデータは扱わない。似たようなものなのにやはりそこは不可侵な部分が残ってしまう。
nasneが「DLNAサーバ」である以上、配信予定となっている「torne for PS Vita」は「DLNAクライアント」となるだろう。対応出来るフォーマットがかなり制限される形として。
そして、「コンテンツ管理」も残り続ける事になる。この辺りは今後「よく判んないんだけど」という人が出てくる非常に紛らわしい、ややこしい話になりそうな予感がしていて、冒頭に書いた
「データ管理とか難しいことはよくわかんないから簡単なのがいい!」
という部分にそぐわないような気が少ししている。