VitaとVitaTVは兄弟か従兄弟か。
VitaTV発売(11/14)まであと3週間を切った。
公式サイトは相変わらずなんの情報の更新も無いけれども、発表当時(9/9)から比べてもゲーム系の情報サイトはもちろん、TVなどのAV機器を扱う情報サイトでもちょこちょこ取り上げられてきて、ずいぶんといろんな情報が出てきたなという印象。
個人的には大注目だけれども、世間的なブレークはどうなんだろう。まぁ、いろんな意味で期待したい。
さて、本題。タイトルの件。
「Vita と VitaTV の関係は?」
だ。無論、あくまでも感覚的なものであって、別段それを定義するものでもない。ただ、当初から判っていたことに加え、最近出てきた情報を整理すると「別物だ」と整理する方が「判りやすそう」だという結論に自分の中で達したので、その経緯的なところをダラダラと。
そんなワケで、いつも通りの長文。なお、未だ発売前なので「実機未確認」だし、妄想成分が多めなので、先に挙げた情報サイトさんへの個別リンク(引用)は特にしません。その程度の情報。
VitaとVitaTVの違いの比較表
とにもかくにもまずは判りやすく比較した方が早い。以前、新型Vitaも合わせて比較したことがあったが、それに新たにわかった所を加えてソフトウェア的なところも含めて。なお、Vitaは3G/Wi-Fi版(PCH-1100シリーズ)と、新型Vitaと呼ばれるWi-Fi版(PCH-2000シリーズ)があるが、今回は新型のWi-Fi版のみで比較する。
VitaとVitaTVの比較
- 下記記載の内容は筆者による補記分を含めており、公式サイトに載っていない情報が含まれます。
- 記載内容中の表記については比較の為、公称と異なる場合があります。
- 判別付きにくいため、表内では「Vitaを "Vita"」「Vita TVを "TV"」と表記します。
製品情報
機種 PS Vita(新型) Vita TV(TV) 備考 製品名 PlayStation Vita PlayStation Vita TV 型番 PCH-2000 VTE-1000 発売日 2013年10月10日(木) 2013年11月14日(木)
(発売予定)ハードウェア(本体)
機種 PS Vita(新型) Vita TV(TV) 備考 本体サイズ 183.6x85.1x15.0mm 65.0x105.0x13.6mm 横幅×縦幅×厚さ 重量 約 219g 約 110 g スクリーン 5 インチ(16:9)
液晶ディスプレイ× なし 出力解像度 960x544 1280x720(720p)
(ゲーム時720p固定)TVは1080iまで対応 電源 内蔵バッテリー
外部AC アダプター外部ACアダプター バッテリー ○ 2210mAh × なし 新型Vitaは非公表 内蔵メモカ ○ 約1GB ○ 約1GB スロット Vitaカード
メモリカードVitaカード
メモリカード前面/背面カメラ ○ あり × なし スピーカー ○ ステレオ × なし TVはHDMIより出力 マイク ○ あり × なし 操作(UI)関連比較表
機種 PS Vita(新型) Vita TV(TV) 備考 コントローラー部 ○ 本体 × なし DS3/DS4接続台数 × なし ○ 2台 PS4は対応予定 TVリモコン操作 × なし △ TVリモコン対応 Bluetooth通信。PS3互換 前面タッチパネル ○ 6点 △ なし
(DS3で1点)同時認識可能ポインタ数 背面タッチパネル ○ 4点 △ なし
(DS3で1点)(同上) 電源ボタン ○ 本体上部 ○ 本体背面 電源ランプ ○ 本体上面 ○ 本体正面 お知らせランプ ○ 本体上部 × なし
- TVの前面/背面は「ケーブルがある面を背面」とした場合であり、TV本体上面にあるPSロゴの向きを正位置としてみた場合は「背面=左面」となる。
外部I/F端子比較表
機種 PS Vita(新型) Vita TV(TV) 備考 USB端子 USB 2.0 Type A
(本体下部, 1個)USB 2.0 Type A
(本体背面, 1個)Vitaは充電用
TVはDS3接続用HDMI出力端子 × なし ○ あり
(720p/1080i/480p)LAN端子 × なし 10BASE-T
100BASE-TXヘッドフォン端子 ○ あり × なし Vitaはマイク端子を兼ねる 通信モジュール比較表
機種 PS Vita(新型) Vita TV(TV) 備考 3Gデータ通信 × なし × なし Ethernet通信 × なし ○ あり 10BASE-T/100BASE-TX Wi-Fi通信 ○ あり ○ あり IEEE 802.11b/g/n アドホック通信 ○ 可能 ○ 可能 Vita/VitaTV/PSP/PS3 Bluetooth通信 ○ あり ○ あり Bluetooth 2.1+EDR準拠 対応プロファイル ・A2DP
・AVRCP
・HSP・A2DP
・AVRCP
・HSP
・HID赤外線通信 × なし × なし ソフトウェア比較表
機種 PS Vita(新型) Vita TV(TV) 備考 システムソフトウェア Ver.2.61 (不明) 2013/10/28現在 SENアカウント ○ 1つ ○ 1つ マルチアカウントは不可 電源アイコン × なし ○ あり スタンバイ/電源断の制御 周辺機器 BlueTooth機器 ワイヤレスコントローラー
BlueTooth機器
BDリモコン
キーボード※1,※2,※3 アドホックパーティー △ 要PS3 △ 要PS3 ※4 スクリーンセーバー △ 省電力 ○ 変更可能 設定項目あり システムミュージック × 変更不可 ○ 変更可能 設定項目あり near ○ 可能 ○ 可能(?)
× なしWi-Fi位置情報なら可能?アイコンなしtorne対応 Vita専用 TV専用
(11/14配信)VitaとTVは別アプリ Vita対応ゲーム ○ 全対応 △ 一部未対応 未対応タイトルは起動不可 PSP対応ゲーム ○ 全対応 ○ 全対応 PSアーカイブス ○ 全対応
(1名)○ 全対応
(2名)PSMアプリ ○ 全対応
(対応中)× 対応なし
(対応予定)後日対応予定 PS4リモート ○ 全対応
(1名)○ 全対応
(2名)
重要っぽいところを「赤字」で表記。
まとめ
唐突にまとめ。まぁ、個別に解説する様な話じゃないし。
こうしてみて見ると、まぁ、判ってたけど同じようで「ずいぶん違う」という事が判る。というか、これ「別物」だよなーという印象。
同じVitaのシステムソフトウェアを使っているし、ハードウェア的にも共通する部分は相当多いんだろうとは思うけれども、いざ比較してみると全く別物だと判る。いや、逆に言えば「もともとのVitaシステムは携帯ゲーム機と据え置きゲーム機のどちらでも対応出来るようになっていた」という事なのだろう。
そういう意味で、「Vitaのシステムソフトウェア」は今まで「VitaとVitaTVは同じ」と考えていたんだけど、実際はずいぶん違うものだという事が判る。無論、ホーム画面の見た目が同じ事や、Vitaのゲームやアプリが(一部制限があるにしても)そのまま動くという事では、同じものと考えても良いと思うが、内面的な所はずいぶん違うものだなぁというのが判る。
無論、内面的な所だけではないだろう。
例えばVita TVは電源ボタンが背面にあることから、スリープからの復帰といってもいちいち背面に手を伸ばすのはナンセンスであり、スリープ状態からであればDS3やBDリモコンでのリモート起動は対応しているであろう事は想像に難くない。また、Vitaでは起動時に必ずめくる必要があるスタート画面も、Vita TVで毎回やらせる事は考えにくいので、これはショートカットされるだろうし。この辺りはBluetooth対応プロファイルに "HID" が追加されたことが大きい。
改めて「Vitaシステム」の拡張性というか可用性の高さ、設計思想には正直驚くばかりだったりする。
無論、VitaとVitaTVは同じ「Vitaシステム」として、基本的には同時にシステムソフトウェアのアップデートが行われるであろうが、この違いは結構大きいと思う。特に「ソフトウェア」の部分の違いというのは、単純にタッチパネルの対応有無の違いで片付けられないぐらい、実はいろいろ違ってるんだろうな?という気がする。内部的にもVitaとVita TVはかなり制御が分かれているだろうし。
そういう視点で何が違うのか、どういう風に変わるのかを見るだけでも、Vita TVは結構面白いと思う。
改めてタイトルの件。
「VitaとVitaTVは兄弟か従兄弟か」
について。以前のVita(PCH-1000シリーズ)と新型Vita(PCH-2000シリーズ)は、個人的には「兄弟」だと断言できる。
だが、VitaとVita TVをそう断言するのは非常に悩ましい。だからといって「従兄弟」というのは見た目の印象が似すぎている。
いや、見た目の印象が近いとは言っても、操作系はもちろん、上記の通りかなり違う点が多いワケで、今回の結論としては「従兄弟」としておこうかな?と思った。この辺りは解釈によってずいぶん変わりそうだけど。*1
関連記事
- Vita TV とBluetoothキーボードと (2013/10/07)
参考記事 (順不同)
*1:なんで「兄弟」とか「従兄弟」なんだよ。「姉妹」とか「従姉妹」の方がいいじゃないか!という人もいるだろうし、そもそも今回の解釈も「俺は違う」「私はこう考える」という人もいると思うので、それを否定するつもりはありません。そういうの、各個人で考えた方が楽しいと思うし。