Vitaと「スピーカー」と「Bluetooth」
昨日、「そういえばVita関連でいろいろ買ったポイントが結構たまってたかな~」と思い立ち、家電量販店で「Bluetoothスピーカー」を探してみた。
最近はパソコンのコーナーには全くといって良いほど無くて、結局携帯電話コーナーに大量のヘッドセットがおいてある片隅に「きっと、需要は、あるんだよ」みたいな雰囲気で、申し訳程度においてあった。
まぁ、買う方もポイントでとか思っていた以上、「申し訳程度同士、仲良くやろうぜ!」的な感じでVitaと同じ黒色のスピーカーを買ってきた。
そんな経緯ではあったんだけど、せっかく買ったんだし Bluetooth についても書いておくか~という感じ。
Vitaのスピーカー位置
正直なところ。率直に言って、「Vitaのスピーカーの位置はどうなの」と思っている。
いくら場所が無かったからといっても、個人的には「この位置は無いわ~」と思う。
というのも、両手でしっかりとホールドする必要がある携帯ゲーム機なのにも関わらず、両手のひらに隠れる位置なのだ。正確には手のひらというより、親指の付け根部分だけどね。人によってはプニプニしてそうなところのこと。子猫とか子犬ならニクキュウぷにぷになところ。
これに関しては、買ってすぐに「うーん?」と思ったポイント。自分でどうこできる部分でも工夫できる位置でもないので、デザイン上の問題とはいえハッキリ言うと「残念」だった。
だって、PSPはちゃんと「上部」だったんだよ?指で隠れない邪魔にならない場所。手のひらで音がこもったりしない場所。
ちゃんと判ってると思ったんだけど、そうじゃなかったみたい。残念。
ただ、理由も判らなくはない。その、PSPのスピーカーがあった位置に「前面カメラ」があるからだ。
それこそ、指で隠れちゃダメな場所。そこにカメラを置いてしまったので、スピーカーは定位置のイス取りゲームに負けた形で、そんな場所に移ってしまったんだろう。
Vitaのカメラ位置とスピーカーの関係
持っていない人は、「えーっ、前面カメラって正面の位置じゃないの?ノートパソコンとか液晶の上だよね?3DSも」という人もいるだろう。たぶん、そこは間違いなく検討したんだろうと思う。
ただ、3DSやノートパソコンとの一番の違いは「両手で持つ、1枚板の携帯ゲーム機だ」ということだったんじゃないかと思う。
具体的に言うと、ノートパソコンも3DSも「液晶やカメラのある場所は両手で持たない位置」なんで、ねじり負荷がかからない。なので、強度をある程度抑えて薄くしたり、ギリギリの場所にセンサーなどを置くことが出来る。
カメラを置くということは、その場所に「穴を開ける」ということだ。
それだけ、強度が弱くなる。
画面を大きくしたいが、本体は出来るだけ小さくしたいので、上部と下部は出来るだけギリギリまで何も入れたくないのが事情だと推測できるし、その結果として、
PlayStation Vita ユーザーズガイド 各部のなまえ
⇒ http://manuals.playstation.net/document/jp/psvita/basic/partnames.html
※リンク先に画像有り。参照のこと。
になってしまったと思われる。
なんかねー。もうちょっとどうにかできなかったのかな?とは思うものの、事情はなんとなく判るといえば判る。
どうでもいいが、画面下部に「PSVITA」のロゴが入るぐらい余裕があるだから、それを上に持っていったら?という意見も聞こえてきそうだが、画面下部は「充電」「ヘッドセット」「メモリーカード」などの端子とスロットがあるので出来なかったんだろうな~と思う。
そんなワケで、かなり話しが逸れたけど、ここと前、2つの段落の結論としては
「PS Vita の内蔵スピーカーって、遊んでると結構音がこもって聞こえるんだよね」
という事が言いたかったのである。
VitaとBluetooth機器
そんな理由でスピーカーを買うことにしたという思いもあったんだけど、逸れはともかくまず、VitaのBluetoothの仕様を把握しておく必要がある。
というか、ここすごく大事。誤解しやすい部分なので。
重要な部分を抜粋すると、
この部分。
「あれ?Bluetoothってキーボードとかマウスとかなかったっけ?ほら、スマホでも使えるってコーナーで売ってるよ?」
という声が聞こえそうな話。そして、結論は「使えません」である。(訂正:「使えるようになりました」)
どれが何か?かは、判りづらいので、これは Wikipedia から抜粋してみる。
Bluetooth (プロファイル) - Wikipedia
⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/Bluetooth#.E3.83.97.E3.83.AD.E3.83.95.E3.82.A1.E3.82.A4.E3.83.AB
- HSP (Headset Profile)
- Bluetooth搭載ヘッドセットと通信するためのプロファイル。モノラル音声の受信だけではなく、マイクで双方向通信する。
- A2DP (Advanced Audio Distribution Profile)
- 音声をレシーバー付きヘッドフォン(またはイヤホン)に伝送するためのプロファイル。HSP/HFPと異なり、ステレオ音声・高音質となる。
- AVRCP (Audio/Video Remote Control Profile)
- AV機器のリモコン機能を実現するためのプロファイル。
- HID (Human Interface Device Profile)
- マウスやキーボードなどの入力装置を無線化するためのプロファイル。
※Ver.3.10より追加
となっていて、ヘッドセット、AV機器リモコン以外の機能を持っていないのだ。キーボードもつながらないし、プリンタもつながらない。当然、パソコンともつながらないし、名刺交換とかも出来ない。(訂正:キーボードはVer.3.10以降つながるようになりました)
これについては将来的に出来るようになる可能性が残されている(システムソフトウェアのバージョンアップなどにより)ので、文句はとりあえず言わないで置くとしても、
と言えるわけである。
VitaとBluetoothスピーカー
さて。やっと本題。いつもここまで来るのにどうしてこんなに遠回りするんだろう。自分。
まぁ、その反省は別の機会にするとして、買ってきた Bluetooth スピーカーとVitaを接続して思ったことを4つほど書く。なお、音質とかそういうのは、スピーカーの性能や個人の好みの話なのでしません。あくまでも「注意点と操作感」な話。
Bluetooth認証と再起動
特にBluetooth機器との接続において再起動が明言されているわけではないが、今回の経験からは「Bluetooth機器を新規に接続した場合はVitaの再起動を推奨したい」のが本音。というか、フリーズした。
再起動後は特に問題は起きていないので、機器の登録・接続においてドライバ周りでなんか問題が起きたんじゃないかと思う。ま、これはスマホやパソコンでも同じだと思うので、慌てず騒がず再起動しましょう。
スピーカーの電源とスタンバイ
Bluetooth認証が済み、音をスピーカーから鳴らすように設定すると、当然Vita本体からは音が鳴らない形になる。
起動している間は特に問題は無いが、Vitaをスタンバイにした場合に問題が出る。スピーカー側は、(ほとんどの機器では)入力信号がなくなると電源が落ちる。当然、電源を入れなおすまでは音は出ない。
だが、Vita側はスタンバイ状態で「Bluetooth側に音を出しているつもり」になっているのだ。(正確には本体側のミュートが継続している状態)
Vitaの復帰後、「どちらからも音が出ない」状態になる。
対応としては、
ヘッドセットなどスタンバイしたまま自動で復帰するタイプもあると思うので、必ず必要というワケではないが、機器によってはそういう手間も発生するということで。
結構面倒だ。
Bluetoothスピーカーの伝送遅延
無線系のネットワーク機器にはよくある「遅延問題」。
当然、VitaでBluetoothスピーカーに接続した場合にも「遅延」は発生する。ハッキリ言えば、「誰でもわかる程度の遅延」が起こる。
とはいえ、これは宿命といえる話で、これをVita側だけで解決させられる話でもないので、諦めるのが良しというか。
遅延が気になるか?というと、「判ってしまえばそれほどでもない」というのが正直なところで、よほどシビアな音ゲーでもない限りは大丈夫じゃないかな?と思う。
「ビデオで映像を見ているだけ~」とか、「ゲームのBGMが聞けていればいい」という感じであれば、それほど神経質にならなくても良いかも。
なお、感覚的に自分の慣れもあるんだろうけど、接続直後は結構気になるものの、ある程度(数分)経過後の方が違和感が少なくなるので、なんか工夫していたりするのかも知れない。気のせいな気がするけど。
バッテリーの消費具合
具体的に時間を計測していないので、正確なコメントは出来ないけれども、「体感的にバッテリー消費は多く稼働時間は短くなった」感じはある。
「そんな漠然とした話じゃなく、ちゃんと調べてから書けよ!バカか!子供のおつかいか!」
という感じもするし、そりゃ確かにありの場合となしの場合で計測してみてからの方が正確なコメントも出来るんだろうけど、別にVitaの性能を検証したりするサイトでもないし、そもそも人それぞれの環境によると思うし。遊ぶゲームとか。
なので、「確かに減ってる気がする」という当たり前の漠然とした感覚だけ書いておきます。
まとめ
必須か?!といえば、特に必要ないと思うが、音は(指で覆って篭ってしまうような)内蔵スピーカーよりも聞きやすいのは確かだと思うので、どうしても気になる人は検討してみても良いかも知れない。
ただ、普段持ち歩きをしている人の場合は、機器接続の相性というか切断、再接続の手間も発生するので、あまりお勧めは出来ないかも。遅延が気になる人も。
あと、キーボードが使えると勘違いしそうな人も要注意。(訂正:使えるようになりました)
個人的にはキーボードぐらいは使えるようにしようよ・・・という気はするが、ドライバ周りに不安定なところがありそうなのは判ったので、今の段階では仕方ないのかな?という気がする。将来に期待したい。
です。
- 追加 (2012/2/20)
- もうひとつ、PS3 のコントローラー (もそういえばBluetoothだったね) が使えると勘違いしそうな人も要注意かも。ただ、そもそもVitaにBluetoothを積んだ理由の一つがコレの可能性もあるので、キーボードよりこちらが先に対応する可能性がある・・・かも。いや、逆か。VitaがPS3のコントローラーになる方が先・・・の可能性も。PS3のコントローラーは特殊なプロファイルなので、今の時点ではどちらにしろ無理ですけど。
- 追記 (2012/2/28)
- カプコンの格闘ゲーム「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」では、「アルティメットコントローラ」と称し『PS VIta本体をPS3版「Uマブカプ3」のコントローラとしてプレイすることができる』そうです。"Bluetooth"として接続されているのかは詳しく調べてませんので判りませんでしたが、もともとPS3は特殊プロファイルなので、公表されていないだけで実はできるのかもしれません。ただ、標準機能というよりアプリ側での対応みたいですので、そのままで使える!というワケではもちろんなさそうです。
- 追記 (2013/8/16)
- システムソフトウェアVer.2.60からBluetoothの設定が「ネットワーク」から「周辺機器」に移りました。変更についての記事はこちら。
⇒ Vitaのバージョンアップと「周辺機器」の妄想(Ver.2.60)- 追記 (2013/11/25)
- VitaTVの発売により、Bluetoothのプロファイルについては VitaTVのみ「HID」が追加になりました。これによりDS3はもちろん、キーボードも利用することが出来ます。ただし、VitaについてはHIDプロファイルは追加されていませんので、Vitaでは今まで同様キーボードは利用できません。(本記事はVitaについてなので、特に修正は行ってません)
- 追記(2014/3/26)
- システムソフトウェア Ver.3.10 (2014/4/25配信) より、VitaについてはBluetoothキーボードが対応(プロファイル追加)されました。VitaTVについては、発売当初から対応していましたので、今回のバージョンアップにより対応範囲がVitaにも広がった形になっています。
⇒ PlayStation VITA システムソフトウェア バージョン 3.10 (2014/4/26)