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Vitaと音楽配信サービス

Viaの基本機能として「スクリーンショット」があることは、昨日書いた。これと合わせて、Vitaの特徴に上げられる機能がもう一つある。「カスタムサントラ」だ。

まだまだ対応ゲームは少ないものの、こちらも後からアップデートで対応を開始するという例も出てきており、ある意味で注目の機能と言える。(例⇒真・三國無双 NEXT Ver.2.03)

無論、これらの機能は「Vitaの特徴」ではあるものの、あくまでも携帯ゲーム機としてという意味であって、据え置き型のゲーム機だと比較的普通の話だったりもするんだけど。

ただ、その中でもちょっとおもしろい発表が先日あったので、この事については書いておきたい。

あと、例の如く基本的には個人の妄想の話なので、その点はご注意。


4つのコアと2つのモード

ちょっとおさらい。Vitaは「ゲーム機」として、スマホとはちょっと違う作り方をハードウェア的にしているところがある。

その部分を説明している記事がこれ。

Vitaでは、4コアのCPUのうち3つをゲームが使い、1つをシステムが利用するようになっています。3コアを完全にゲームが占有し、動作するようにしています。メモリーについても同様で、一部を占有する形で動作しています。

PS Vita発売前の最終情報を開発チームに聞く(Impress AV Watch)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/20111202_494915.html

文章が長いので場所は「大体真ん中より少し上ぐらい」みたいな説明になるけど、こういう事が書いてある。

言い換えるまでもなく、ゲームとゲーム以外のアプリ(OS部分含む)を明確に分けて管理し、動かしている。

この話はイメージしづらい部分もあるかと思うけど、以前それに関するこんな記事も書いたので、もしかすると参考になるかもしれない。

この「別々に管理されている」「別々に動く」という点が結構重要だったりする。


カスタムサントラって?

そもそものこの話として、「カスタムサントラって何?」を簡単に説明すると、「自分の聞きたい音楽をゲーム中にゲームの音楽と別に流す」という機能。そして、楽しみ方。

言ってみれば、今までは「ウォークマンやスマホで好きな音楽を聴きながらゲーム機でゲームをする」という部分を、一つのゲーム機内で済ませてしまう機能。また、「ゲーム中の効果音(BGM以外の部分)はそのままで」という事が出来る為、ゲームの迫力はそのままに自分の好きな音楽でゲームに浸ることが出来る・・・という機能。

ゲームミュージックもゲームの楽しみでもあり、作品の世界観や雰囲気を作り手側がユーザに提供するという意味では、オリジナルのゲーム音楽を無効化する事になるカスタムサントラについては、以前から対応の賛否は両論ある。

でも、何度も何度もプレイするレースゲームやアクションゲーム、長時間プレイが前提になるシミュレーションゲームなどは、気分転換やリラックスする為に自分で好きな音楽で楽しみたい!という需要はかなりある。

別に元祖と言うわけではないが、古くはゲームセンターの「アウトラン」でゲーム開始時に自分の好きな音楽をハンドルで選べたというのは、当時としては画期的だった。まだカセットテープの時代ですね。"Magical Sound Shower"万歳。

そういうニーズと問題がありつつも、Vitaとしては標準でその機能を持っており、ゲーム側は対応するかどうかを選択できるというスタンスになっている。そして、標準で持っているため、ゲーム側としては「カスタムサントラ」の機能を独自に作る必要は無いという事になる。

ゲームの音楽は、ゲーム側の環境、ゲーム側のモードで鳴らしているのではなく、ゲーム以外の方の環境・モードで管理され流されている。設定としてゲーム側に優先権があるものの、ゲーム側でこの制限をしなければ、ミュージックプレイヤーで流れている音楽は、ゲーム起動時にも止まることなくそのままに、新たな気分でゲームを楽しむことが出来るという事だ。


ミュージック機能について

自分は普段音楽を聴く習慣が無いので、Vitaの標準機能である「ミュージック」は基本的に使ってないんだけど、この機能で音楽を聴くことが出来る。そして、この機能で流している音楽が「カスタムサントラ」になる。

音楽のデータ、ファイルについては現時点ではPS3かパソコンからコピーするしか方法がない。コンテンツ管理アシスタントを使って、の。

というのも、PlayStation Storeでは音楽配信をしていないからだ。

この辺りは正直、現時点で音楽などを直接ダウンロードできるスマホなどに比べてサービス的な意味でかなりガッカリな感じ。

仕組み的には一部のポータブルオーディオプレーヤー(iPodなど)と同じではあるものの、手軽に楽しみたいのに、いちいち自分で音楽データを用意してから転送すると言う手順が必要な時点で、敷居があると言わざるをえない。

そういう状況なので、「いや、Vitaでわざわざ音楽とか聴かないし」という人が殆どなんだと思う。そりゃ音楽を聴きたいというニーズに対して、この外観はでか過ぎるワケで。カスタムサントラでゲームをしたい!という人は除いて。


Vita音楽配信サービス

ここからは日本じゃない話。

いや、より正確に言えば「日本では予定されていないサービス」の話。

先日。3月9日。とあるニュースが発表された。

the Music Unlimitedは、2010年12月にスタート。世界各国の主要レーベルが提供する楽曲を月額3.99~9.99ドルの定額料金で楽しめる。現在の楽曲ラインナップは約1500万曲。米国・英国など世界13カ国で展開しているが、日本ではサービスが行われていない。

Sonyの音楽配信サービス「the Music Unlimited」をPS Vita向けに提供
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120309_517708.html

パソコンなどを使わずに直接Vitaに音楽をダウンロードしてミュージックプレイヤーとして使うためのサービスが始まるとの事。ラジオ・チャンネルも楽しめるそうだ。オフラインでの音楽再生としても対応しているとの事。

つまりこのサービスがあれば自分の好きなジャンルの音楽を、いつも最新のアルバムで楽しむことが出来る。そして、それをゲームプレイ中にカスタムサントラとして利用することも出来るという事になる。

繰り返しになるが、残念ながら日本でのサービス予定はない。


まとめ

Vitaはゲーム機である。

スマホで音楽を聴くという人もいるし、バッテリーの減りが心配だからポータブルオーディオプレイヤーを別に持つと言う人もいる。この選択肢の一つに、Vitaが入る可能性があるという話しだ。無論、音楽を聴くためだけに存在するわけではなく。

歩いているときは音楽プレイヤーとして使い、その音楽を聴きながら電車やバスの中ではゲームを楽しむ。また乗り換えとなった時にはゲームを中断して音楽だけを楽しみ、目的地で誰かを待っている間にまたゲームの続きをしたり。ヘッドフォンをいちいち交換する必要もなく、音楽が途切れることも無い。

もちろん、複数のアプリを同時に立ち上げられるスマホでも同じようなことは出来た。でも、Vitaはゲーム機である。スマホではない。どちらに主を置くかではあるものの、ゲーム機で同じようなことが出来ること自体には特に悪いことは無いと思う。

そして、この音楽配信のサービスが日本で始まらないことは非常に残念だが、これが出来るようになれば音楽ファイルをいちいち移すなどの手間もなく、音楽とゲームを融合させた形のスタイルがより手軽に楽しめるようになるだろうな?と、考えている。