みた、こと。きいた、こと。

あとで、かく。ここは分館。記事一覧は「右メニュー」から。

モンスターレーダー プラス 無料配信とプラスの意味

このブログ的には特定の製品/タイトルをニュースとして書くことは滅多にないんだけど、これについてはちょっと興味深いので書いておく。

Vita発売と同時発売だった「モンスターレーダー」が 11/21 から「モンスターレーダー プラス」のバージョンアップ版になって、無料配信になるらしい。

詳しくは公式サイトで。

モンスターを発見・捕獲することで“おでかけが楽しくなる”位置情報ゲーム
『モンスターレーダー プラス』の無料ダウンロード配信を11月21日より開始

ソニーマーケティング株式会社は、PlayStation Vita(以下、PS Vita)専用ソフトウェア『モンスターレーダー プラス』の無料ダウンロードを2012年11月21日より開始します。
『モンスターレーダー プラス』は、PS Vitaのカメラでとらえたライブ映像上にAR(拡張現実)で生成された仮想のモンスターを発見し、捕獲する位置情報ゲームです。

おお。すげぇ。まさかの無料。一部有料だけど。

最初、「プラス」と名前が付いているので「PlayStation Plus会員のみか?!」と思ったんだけど、どうやらそれは全く関係無いらしい。

もちろん、もともとの製品版を買った人については、以下のようなフォローアップがされている。

■『モンスターレーダー』をお使いのお客様向けのキャンペーン情報

『モンスターレーダー』(有料版)をご利用のお客様には、引き続き『モンスターレーダー プラス』をお楽しみいただける優待特典を提供します。

1.セーブデータの引き継ぎ
『モンスターレーダー』からデータを引き継ぐことで継続してゲームを楽しむことができます。
2.有料追加コンテンツの無料提供(期間限定:2013年1月8日まで)
100種コンプリート支援ミッション(ご当地編、微妙にレア編)、追加研究資金を期間限定で無料でダウンロードできます。

これで十分かどうかは、実際に持っている人が考えることなので特に言及はしないけど。


さて。

ここで興味深いと思ったのは以下の3つ。

  1. データの引継ぎが出来ること
  2. オフライン地図を提供すること
  3. 毎月配信のミッションがあること

である。これについてそれぞれ思ったことを書いておきたい。


データの引継ぎが出来ること

Vitaのある意味での問題点。セーブデータがゲームの本体プログラムと一緒に管理されている事がある。

当然、内部的には別になるんだけどゲーム間でのセーブデータの相互利用というか引継ぎはできなかった。なので、体験版からセーブデータを引き継げるのは「体験版自体が製品版のアンロック」というケースだった。


でも、今作は体験版でもないのに出来るという。というと、考えられるのは2つの可能性。

1つ目。いつの間にか「セーブデータはゲーム間をまたいでデータの引継ぎが出来るようになった」

2つ目。このアプリはあくまでも前作「モンスターレーダー」のバージョンアップ版だ

ということ。


たとえば1つ目。「そうなの?体験版ってふつうに引き継ぎ出来ないの?」と疑問に思う人もいるかも知れないが、いくつかの例で書いてみると、

タイトル 体験版配信日 引継ぎ可否 備考
イース セルセタの樹海 2012/11/15 ×  
リトルビッグプラネットPlayStation Vita 2012/10/30 × アンロック式
初音ミク -Project DIVA- f 2012/8/30 ×  
Dokuro 2012/6/6 DL版のみ可
ラグナロクオデッセイ 2012/1/19 ×  

※上記は恣意的なピックアップです。アンロックで出来る製品もあります。

こんな感じ。結構出来ない。

イースなんかは、PSP版はそのまま引き継げます!が体験版の売りだったのに、Vita版は残念ながらダメらしい。

まぁ、体験版のデータが必ず引き継げるか?というと無論そんなことは無いので、これ自体が問題という事ではないんだけど、この辺りのVitaのデータ管理は結構シビアなイメージがある。

なので、この2つのどちらかだと思っている。特に前者(1つ目)だとするととても興味深い。

追記(12/13)
このデータの引継ぎについては、Ver.1.80から出来るようになったと考えてよさそうです。詳細は以下をご覧ください。
セーブデータ取り込み一応、解決編

オフライン地図を提供すること

Vitaには標準アプリとしてVer.1.60から「マップ」というアプリが配信された。Google MAP を利用するアプリで、オンラインでないと利用できなかった。

このことについて、先の「モンスターレーダー プラス」の製品ページにもちゃんと書いてある。

PS Vitaの標準アプリでは、オンラインでの地図閲覧ができます。『モンスターレーダー プラス』を使用することで、オフラインでも日本全国詳細地図(ゼンリン社)が閲覧できます。さらに、電子コンパスに対応したPS Vitaの方角に合わせて地図が回転し、地図としての利便性も向上します。

注目すべきは太字の部分。

「モンスターレーダー プラスを使用することで」という前提は付くものの、オフラインでのマップが使えるという点は実は結構なメリットになる。

モンスターレーダー自体は「3G/Wi-Fi版推奨」だ。なぜならばGPSを持っているからで。


でも、オフライン地図という目的だけだったら、これはこれでもしかするとWi-Fi版(GPSなし)でも使い道はあるかも知れない。*1


ゲームとしてはあまり楽しめないかもしれないけど。テザリングとかすれば別だけど。


毎月配信のミッションがあること

毎月配信というか、「一部有料」という言葉を聴いてなんとなく思い出したのが「勇者のきろく」だ。

あれも、有料と無料のDLCがあって随時配信されている。正直、あれについては個人的には魅力を感じていないので、殆どノーチェックだったりするんだけど、キャラクターだったりタスクだったりするので、そこそこ需要はあると思う。キャラクターの方は。

ま、それはともかく。つまりはこれをする事で単なる無料配布なのではなく課金ビジネス化するという事でもある。

無料アプリの位置付けであるという事は利用者側としては良いことだし、ミッション程度であれば(必要ない人には)わざわざ買わないでも十分利用価値はありそうだし。

ただ、単純に課金にすると「いちいち買わねぇよ」「っていうか高ぇよ」という人もいると思うので、たぶんこれは今後「PlayStation Plus会員は無料」とかそういうことがあるんじゃないかな?という気がしている。

「プラス」という名前は、機能のプラスでもあり、PlayStation Plusのサービス開始に合わせたバリューとしてもとらえているんじゃないかな?


まとめ

じつは、まとめとしては既に前段までで終わっている。

2012/11/21。PlayStation PlusのVita対応が始まる日。この日にあわせてこういう思い切ったことをしてくるという事は、そういう事も視野に入れているんじゃないかな?という気がしている。

冒頭では「無関係らしい」と書いたけど。

だから気がしているだけで違うかもしれないけど。

もし、それが本当だとするとPlus会員向けの「一部有料」のサービスは、今後大きく変わってくる可能性すらある。

そういう所、ちょっと気にしてみたい・・・と思う。

*1:それはそれとして、GPSに電子コンパスも付いていたのかといまさらながらに驚いたりしたけど。まぁ、私はWi-Fi版なので関係ないですが。