VitaとPS4とセカンドスクリーン
久しぶりの更新。PS4の日本での発売は先週末の2014年2月22日。当然買った。
そのPS4の最初の感想としてそれはどうなの?という気はするが、
『VitaユーザーがPS4を買うかは遊びたいタイトル次第だなーと思うけど、PS4ユーザーがVitaを買うかは(遊びの)ライフスタイルの違いだなーと思う』
と感じた。同じようで結構違うと思う。
このブログ的には今までVitaの話題を中心に書いてきたので、今後も基本的にはそのスタンスのつもり。なのでPS4を中心とした話はしないつもりなんだけど、Vitaが絡むことならばPS4に関することでももちろん取り上げるつもり。その辺りは完全に個人の趣味の話で。
さて。
ずいぶん前の話だが、先日公式のプレコミュに「PS Vitaの「リモートプレイ」でPS4をもっと遊び尽くそう!」というトピックが上がっていた。
PS Vitaの「リモートプレイ」でPS4をもっと遊び尽くそう!
個人的にはこの動画の中心となっている「リモートプレイ」も興味深いんだけど、実はもう一つの機能である「セカンドスクリーン」の機能がとても気になっている。
・・・え?セカンドスクリーンってなんだっけ?
という人もいるだろうけど、VitaのシステムソフトウェアVer.3.00から追加された「PS4リンク」の機能の一つ。
リモートプレイと違い、(テレビに表示される)ゲームの画面そのものがVitaに出る訳ではない。だが、違う画面や情報を表示し、操作できるようにした上で、それによってなんか面白いことできるかな?という感じのもの。
「2Pコントローラーとして使う機能でしょ?」と誤解されがちだが、それはこのセカンドスクリーンの機能ではない。(KNACKなどの2PプレイでVitaを使うのは、リモートプレイでVitaを2Pコントローラーとしてつないだ場合だ)
また、「テレビの代わりにVitaにゲーム画面を表示するって意味のセカンド」とも誤解されがちだが、全く違う。テレビと別の映像を出すことが出来るという意味でのセカンドである。
このセカンドスクリーンについてはVitaに限らない。スマホ用に日本でも配信が開始された「PlayStation App」でも対応する。
PlayStation 4の世界をスマートフォンやタブレットに拡げる『PlayStation App』配信開始
PlayStation Appは、App StoreやGoogle Playからお使いのiPhone、iPad、iPod TouchおよびアンドロイドOS搭載のスマートフォンやタブレットにダウンロードしていただくことで、「プレイステーション 4」(PS4)専用ゲームをプレイする際のセカンドスクリーンとしてご利用いただけたり(抜粋)
Vitaは「リモートプレイ」と「セカンドスクリーン」に対応するが、スマホは「セカンドスクリーン」にしか対応しないと言える。(余談だがVitaTVはこのどちらにも今の所対応していない。リモートプレイの予定はあるけど)
さて、本題。
つまりこれ。そもそも「リモートプレイとセカンドスクリーンって何がどう違うの?」という話は理解しておかないといけないというか、いろいろ誤解の元だということ。というか、誤解もなにも知らない人も多いよね?というか。
今回はその「セカンドスクリーン」の話。PS4買って実際試してみた。
なお、リモートプレイはあちこちでレビューがあると思うのでこちらは基本的に省略。それに、リモートプレイの感想は「その体感した人のネットワークを含めた環境による」と思っているので。
セカンドスクリーンとリモートプレイの違い
PS4との連携機能 比較表
機種 Vita VitaTV PSApp PS4
(参考)備考 リモートプレイ ○ 対応 ○ 対応 × 未対応 - セカンドスクリーン ○ 対応 × 未対応 ○ 対応 - 同一LAN内のみ ライブ視聴 △ リモート × 未対応 ○ 対応 ○ 対応 ※1 PS Store × 不可 × 不可 ○ 可能 ○ 可能 PS4タイトル購入 トロフィー ○ 共通 ○ 共通 ○ 共通 ○ 共通 フレンド ○ 共通 ○ 共通 ○ 共通 ○ 共通 メッセージ ○ 共通 ○ 共通 ○ 共通 ○ 共通 アクティビティー △ あり △ あり ○ What's NEW ○ ホーム フレンドの近況など
- PSAppは"PlayStation App"の略称です。(スマホ/タブレットPC)
- VitaTVは現在(2014/2/24)で未対応の為、予想が含まれます。
- ※1: VitaはPS4のリモートプレイでライブ視聴可能
表としては上の3つだけで良かったんだけど、寂しかったので追加してみた。
こうしてみると、
- VitaはPS4との連携が良く取れている
- リモートプレイもセカンドスクリーンもどちらも出来る
- ライブ視聴はその内アプリが登場すれば出来るかも(VitaTV側も合わせて)
- VitaとPSAppは基本的に役割りが別物だという事がわかる
- VitaTVはセカンドスクリーンは意味合い的に無理だろう
- この違いが整理できていないので現状PS4リンクの機能がVitaTVに無いんだろう
- 現状のDualShock4の代理操作だけではVitaTVでやる意味が無い
という事がなんとなくわかってくる。
ただ、この話をする上で「そもそもセカンドスクリーンって何?」という事を知っておかないと、その便利さも不便さも判らないと思うので、次に機能を書いてみる。
PS4のセカンドスクリーンって何?
という。
アナログスティックや上記に書いた以外のボタンは基本的に対応していないので、2Pコントローラーの代わりとして使うモードではない。あくまでも「セカンドスクリーン」(画面)なのだ。
当然のことながら「コンパニオンアプリとシステムレベルで連携する機能」であり、この利用にはコンパニオンアプリを動作させるための端末が必要という話である。
この端末が「Vita」および「スマホ」であり、コンパニオンアプリが「PS4リンク」(Vita用)であり「PlayStation APP」(スマホ用)である。
またまたここで誤解しやすい点として「セカンドスクリーン」の機能自体はPS4のシステムレベルの機能だということ。そして、この機能があるのでVitaやスマホが「セカンドスクリーン」として使用できるという話。Vitaやスマホの機能でもあるんだけど、そう思い込むと少し混乱しそうなのであえてこういう風に書いてる。
なので、公式サイトには「セカンドスクリーンに対応したゲームをPS4で遊んでいるとき」という説明があるが、実際の所は、
「PS4はシステムレベルでセカンドスクリーン機能に対応しているが、ゲーム側がこのセカンドスクリーンの機能を拡張してゲームで好きな様に利用できる」
と言い換えることが出来る。事実、VitaやPSAppのセカンドスクリーンを使えば、今すぐにでもPS4のホーム画面の操作や、入力が必要な場合のソフトウェアキーボードとして(特にセカンドスクリーン対応となっていないタイトルでも)使うことが出来た。
とはいえ、出来ることは「DualShock4の代わり」なだけで、画面に面白そうな何かが表示される訳でもない。「プレイルーム」の様な対応タイトルならここはいろいろ出てくるんだろうけど、未対応のゲームは無愛想な仮想コントローラーが表示されるだけである。
しかもVitaに至っては、折角十字カーソルキーもボタンもあるのに「画面タッチでの操作をしなくてはならない」というのはちょっと残念といえば残念。この辺りはスマホのPlayStation Appとの統一も必要とはいえVitaのPS4リンク(コンパニオンアプリ)側で個別に対応できそうなのにな、と思う。
セカンドスクリーンについては、結局は「各ゲームタイトル毎にどんな使われ方がされるのかは、まだまだ未知数」という状態であり、未対応タイトルでは使い道は殆どない。なので、対応タイトルが出てくるまでという条件があって、「Vitaの "near" と同じぐらいの未知数」といってもいいかも知れない。*1
VitaをPS4のソフトウェアキーボードとして使う
前段での「対応タイトル以外では使い道は無いよ!」という話でセカンドスクリーンの説明は終わっているんだけど、個人的に「なるほどこれは便利かもな」と思ったのが「PS4のソフトウェアキーボードとしてVitaのソフトウェアキーボードを使う」という形。
もともと画面が5インチと比較的大きめな画面のVitaにおいて、ソフトウェアキーボードはカーソルでの入力に比べて慣れればかなり速く打てるという代物。そりゃ、物理的なBluetoothキーボードでの入力の方がはるかに速いけど、それでもカーソルでの入力に比べればかなり快適に使える。
正直、PS4のソフトウェアキーボードを使うより、Vitaをセカンドスクリーンとして繋いだ状態でVitaのソフトウェアキーボードで入力する方が(自分がVitaに慣れているというのもあるが)すばやく入力することが出来た。プロダクトコードの入力や、プロフィールの登録の時に使うぐらいならDS4でのチマチマした入力ではなく、タッチ操作でパパパッと入力できる。
欠点は2つ。
1つ、Vitaは自動的にスリープしてしまう為、常時起動のPS4用のソフトウェアキーボードとして使えないという事。
2つ、Vitaの画面がPS4の操作(入力位置にカーソルが合うなど)で自動的に切り替わるワケでは無いので、Vitaで別の画面やゲームを遊んでいる時に利用できないという事。
Vitaの「PS4リンク」自体は「アプリモード」での起動なので、Vitaのゲームを起動中でも、torneで録画番組を再生中でも一旦そちらをPSボタンで中断して切り換える事は出来る。(リモートプレイも同じPS4リンクを使うので、PS4のゲームとVitaのゲームは同時に切り換えながら遊ぶことが出来る)
だが、Vitaは動画再生中でもない限りは基本的に放置状態でスリープになってしまうので、いちいち画面がスタート画面に戻されるし、PS4で遊びながらVitaで録画番組を消化している時にPS4リンクにいちいち切り替えるのは面倒だという話もあるワケで。
その面倒さを受け入れるぐらいなら「Bluetoothキーボード買うわ!」というのが正直なところかなーと思いつつも、この辺りも連携とかがもう少し柔軟にというか、上手く機能するようになれば、Vitaのキーボード利用は(Bluetoothキーボードを買わない手段の1つとして)「有り」な気がした。(ユーザ辞書はVitaの方が使われる)
無論、PSAppからソフトウェアキーボードとして入力することも出来る。ある程度画面の大きなスマホなら、同じように「代理キーボード」的な使い方もありかも知れない。
まぁ、バッテリーの問題とかあるから、Vitaだろうがスマホだろうがキーボード目的で常設的に利用するのはありえないとは思うけど。
まとめ
VitaとPS4の連携については、既に日本以外の各国では既にPS4が発売されていて、いろいろレビューなどで情報公開されてきているので、とても今更な話。
しかも、いつも通り「その内いろいろ機能も増えていっていろいろ使い方も変わるでしょ」という期待もあって、今の段階で出来ることを定義するのもあまり意味がないというか。それに、セカンドスクリーンについては対応するゲームタイトルでも使い方は変わってくるものでもあるし。
とはいえ、「セカンドスクリーン」はリモートプレイと違う可能性がありつつも、便利と不便の合間にある非常に微妙な存在であることも事実。出来ることを整理していかないと利点も欠点も見えてこない。むしろ、今使えないから、今後も使えないという話でもないし、妄想するにはその方がいろいろ楽しいし。VitaTVもあるし。
今回の結論として「同じセカンドスクリーンならVitaじゃなくてスマホで十分じゃん?」と思っていた部分については、「ソフトウェアキーボードという意味ならVitaの方が扱いやすい」と感じられた事が個人的に盲点だったというか。
セカンドスクリーンは期待と不安が入り混じる、とても興味深い機能だった。
関連記事
- VitaTVとパーティーゲームの未来 (2013/10/17)
- オンライン観戦版配布の可能性 (2012/2/14)
*1:「nearと同じ」って事は、遠まわしに「あまり期待しすぎない方がいい」と言っているワケだけど。わざわざ解説しちゃうと。