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nasne Ver.2.00 の個人的感想

新型PS Vita発売と同時(同日)にアップデートが行われた nasne。バージョン 2.00。

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一週間ほど使ってみて、いろいろと課題というか今後の期待が見えてきた感じ。

あと、いろいろ誤解しそうなところを整理しておこうと思った。

そういう意味では、冒頭の関連記事の後日談的な何か。

nasne ver.2.00 で追加された機能アレコレの解説

詳しくは公式サイトを見てね!(⇒http://nasne.com/update/index.html

と言いたい所だけど、それじゃ分からなかったからこのページにたどり着いたんだよ馬鹿!という人がいるかもしれないので、機能をピックアップして簡単に解説してみる。

nasne ver.2.00 で追加された機能

エニイタイムアクセス
Vitaおよびスマホ(Android)の端末に専用のアプリを入れると、nasne内に保存したコンテンツ(画像、音楽、動画。録画番組は除く)を自宅外からでもインターネットを経由して閲覧、再生が出来る機能。
そういう意味では「専用アプリ」だけ理解していれば、この機能のことは忘れてもいいと思う。アプリが勝手にやってくれるので。nasne側ではアクセスを許可する端末を制限したりすることは出来るが、最初の登録自体は自宅内(同一LAN内)でなければ出来ない。
ナスネシェア
nasne内の所定のフォルダを別のnasneに公開し、自動的に同期を取る機能。nasneは自分の自宅内に限らず、家族、知人のnasneでも登録、共有は可能。ただし、登録を行う為にはnasne間で「シェアID」を送りあう必要があるため、勝手に共有するということは出来ない。設定は「nasne HOME」で行う必要があるため、同一LAN上にない場合は、それぞれのLAN内で設定作業が必要。条件こそあれども、「専用アプリ」だけ理解していれば、この機能のことは忘れてもいいと思う。利用する上ではnasneが勝手にやることなので。
デジタル本棚
nasne内の特定のフォルダにReaderのブックデータを保存し、Vitaの本棚と連携する機能。Vita内のメモリカードに保存していなくても、同一LAN上であればnasne上から直接閲覧ができる。本棚は個人(PSN-ID)単位で管理される。これについては、「Reader」で動きが多少違うので、Vita専用の機能」と理解しておいた方がいい。

nasne 2.00に関連するアプリケーション

naspocket
Vita専用アプリケーション。nasne内にあるコンテンツの再生アプリケーション。エニイタイムアクセス機能に対応。
あくまでも再生、閲覧のみ。管理は出来ない。なのでフォルダ作成や管理はnasne ACCESSかパソコンから行う必要がある。閲覧・再生可能なデータは「画像、音楽、動画」。Vitaで再生可能なものが対応となるが、フォト、ミュージック、ビデオの機能を利用するわけではないので、利用できる機能やフォーマットは一部異なる。動作はゲームモードとなっている為、ゲームと同時起動は出来ない。
Vitaからnasneにデータをアップロードするには、今まで通りコンテンツ管理を使う必要がある。事前に登録しておけば、自宅に限らず複数の場所にあるnasneにアクセスが出来る。naspocketへのnasneの登録は同一LAN上で行う必要がある。
nasne ACCESS
Android専用アプリケーション。nasne内にあるコンテンツの管理アプリケーション。エニイタイムアクセス機能に対応。
あくまでも管理のみ。簡易的に表示することが出来るデータもあるが、基本的には閲覧・再生するためにはそれぞれのデータに合わせた別アプリケーションのインストールが必要。意外と手間。
管理アプリケーションなので、スマホからのデータコピーや、逆にスマホへのダウンロード、フォルダの管理などは出来る。また、管理できるデータ種類に特に制限は無く、PDFやVitaで扱えないドキュメントファイルなどもnasneに保存することは出来る。自動的にnasneにアップロードする機能もある。naspocketと同様に、複数のnasneを登録できるが、nasne ACCESSへのnasneの登録は同一LAN上で行う必要がある。
Reader for PlayStation Vita
Vita専用アプリケーション。nasne的には「デジタル本棚」機能に対応しており、Reader Storeからダウンロードしたブックデータを「nasneに保存(バックアップ)」することが出来る。また、バックアップ状態から直接閲覧することは出来る。直接閲覧する場合は、同一LAN上である必要がある。(つまり、ブックデータは "エニイタイムアクセス" の機能には対応していない)
バックアップしたデータは、nasne内の専用フォルダでアカウント毎に管理されるが、Vitaのコンテンツ管理では参照できない。
Reader for Android
Android専用アプリケーション。Reader Storeからダウンロードしたブックデータを閲覧可能。「nasne保存には対応していない」。当然、nasne上にVitaからバックアップしたブックデータを直接閲覧することも出来ない。(いうまでもなく、"エニイタイムアクセス"の機能には対応していない)
CHAN-TORU
登録済みnasneの番組予約等を行う為のWebサイト。Vitaからは(torne PS VitaのLiveAreaから)ブラウザを起動してアクセス可能。PCやAndroidからもこのサイトにアクセスすることで利用できる。

こんなところか。

エニイタイムアクセスについて

「エニイタイムアクセス」。英語で書くと「Anytime Access」なんだろうけど、カタカナで書くと非常に微妙。

まぁ、そんな感想はとりあえずおいておいて、「エニイタイムアクセス」については、「naspocket」と「nasne ACCESS」が関係してくるワケだが、便利か便利でないかで言えば、使い方によっては便利になる可能性はあると思うという程度。

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具体的には naspocket は閲覧のみのアプリケーションだという点では、割り切って考える分には使えるんだけど、フォルダ管理とかが出来るわけじゃないので、とにかくnasne上にあるデータがごちゃまぜに出てくるので、ずいぶん大雑把な印象が強くて使いやすいわけじゃないとか。

音楽データは登録されている情報で自動的にカテゴリ化してくれるので多少は便利だったりもする(事前にデータの管理が必要になるワケだが)が、画像と動画はそれぞれ別々ではあるが、とにかくごちゃ混ぜ。正直、見た目のスマートさに比べると使いづらいという印象。


また、nasne ACCESSは機能的にnaspocketと逆でデータの閲覧が出来ないのでやっぱり微妙。

画像であれば簡易的には表示されるものの、基本的にはそれらのデータに対応した他にアプリケーションを用意しなければならないという意味で、ちょっと面倒というか使いづらい。また、データ自体をフォルダ管理しているように見えて、実は閲覧・再生時はやっぱりごちゃまぜに出てくるので、naspocketと同じく大雑把な印象。データが大量にあるともう探すのがめんどくさい状態。


そういう意味で、naspocketもnasne ACCESSも将来的な可能性があると思うけど、今の時点では「おもしろいなー」程度。

とはいえ、nasneがあれば「"どこからでも閲覧・再生が出来る" という環境を構築できる」というのは、非常に興味深いというかおもしろいというのは事実。

今はVita-スマホ間でデータのやり取りが簡単に出来るぐらいだけど。

VitaのReaderとnasneの関係アップ

個人的にうれしかったのは「VitaのReaderのアップデート」の方だった。

具体的には、ブックデータのバックアップがnasneに出来るようになったこと。今までは、Vita内にダウンロードしなくては閲覧できなかったし、コンテンツ管理で書き出せないのでバックアップ不可だったということで、消すに消せないという状態になっていたからで。

そして、nasneにバックアップしたデータは、(同一LAN上である必要はあるが)Vitaにダウンロードしなくても閲覧可能というのは結構うれしい。大量に買ったブックデータを、nasne上に退避しておけば、Vitaのメモリカードは圧迫しないし、同一アカウントであればVitaからでもVitaTVからでも閲覧可能になるであろうし。まだ、VitaTV出てないけど。保存したデータは、アイコンでメモリカード内かnasne内かが判る様になっている。

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こんな感じで。あ、タイトルは気にしない方向で。

表紙の下、画面右下にある2つのアイコンが、「Vitaのメモリカード」と「nasneのバックアップ」を意味している。(この状態はどちらにもある状態。片方しかない場合は、どちらかのアイコンが消える。)


自分の期待としては「エニイタイムアクセスに対応」だったんだけど、残念ながらソレはできなかった。

また、その関係もあるのかAndroidのReaderはnasneに対応していない為、こちらはメモリカードを圧迫するし、共有するという感じには使えなかったので、この辺りは今後に期待したいというか。

まとめ

で、唐突にまとめ。

nasne 2.00 のアップデートについては、発表があったときから非常にテンション高く「ヒャッホーッ!」って感じで楽しみにしていた。

そういう意味で、アップデートしてからも多少残念に感じるところはあったものの、今後に期待できるという所はいろいろ見えたので、Vitaに絡む周辺の環境という意味で「非常におもしろくなったぞ」と感じている。

たとえば今まで電子書籍を自炊していた人は、画像としてnasneに保存しておけば、フォーマットは限られるものの naspocket を使えばわざわざメモリカードにコピーすることなく、どこでも閲覧可能な環境を作ることが出来る。

また、ビデオカメラなどで自分が録画した映像をnasneにアップロードすれば、これもメモリカードの容量はもちろん、コピーする手間を考えず、naspocketを使ってどこからでも視聴することが出来る。VitaTVが発売されれば、自宅のデータを実家のTVで再生するなんてことも出来るだろうし。

無論、これらを実現するためにはそれなりのネットワーク環境は必要ではあるけど。


今までも、パソコンやAV機器の知識がそれなりにあれば、こういう環境を構築することは出来た。むしろ、その方が出来ることはいろいろあるだろう。でも、そういう知識があまりない人でも「そういうことにちょっと興味があるんだよね」という気持ちがあれば、チャレンジしやすいところまで来ていると感じられた。


そういう所も含め、nasneが単なる「HDDレコーダーでしょ?あれ」という所から、ずいぶん大きく踏み出してきた感じがする。

今後の展開が非常に楽しみになってきた。