みた、こと。きいた、こと。

あとで、かく。ここは分館。記事一覧は「右メニュー」から。

Vitaによるダウンロード販売への影響のワクワク

話としては先週のネタなんだけど、プレコミュに興味深いものが書いてあった。

ファミ通プレゼンツ PSストア ゲーム ベスト10」本日更新!

今回の特集は、2012年の総まとめ! 去年の1月1日から12月31日までの期間のランキングを大公開!! Newゲームランキングと、アーカイブスランキングの2本立てでお送りします。

個人的に、これがとても興味深い内容だった。


詳しくは、各自で見て頂くとして、個人的にはこの内容からタイトルの件、「Vitaによるダウンロード販売の影響」というのを考察してみたい。

なお、あくまでもVitaに関する話としてまとめてますので、各タイトル名とかは特に書きません。そんなワケで、中身の信ぴょう性は「いつもの妄想」と変わりません。


新作ランキングのVitaタイトル数

ランキングとしては「TOP 10」形式なので10タイトルしか発表されないワケなんだけど、PS Storeで取り扱う PS3/PS Vita/PSP の3種類のゲーム機の総合ランキングだという所がポイント。

特に普及台数という意味では、この中ではVitaはもっとも少ないワケで。


事実、雑誌などに掲載される販売店舗などの集計をしたランキングなどでは、PS Vitaのタイトルが他の2つの機種より上位に来るという事はマズ無い。マズ、ない。

だが、市場が変わればランキングも変わる。

PS Storeという「ダウンロード専用」の市場では、全く異なる結果が出るというのは、至極当然ではあるが興味深い。


と、この段落の前置きが長くなってしまったが、実際のところはどうだったのか?というと、

  • PSP  : 3タイトル (1,4,5位)
  • PS Vita: 4タイトル (2,6,7,8位)
  • PS3  : 3タイトル (3,9,10位)

という。

えー、PSP圧勝。次点でPS Vita。

最もネットワーク接続率が高いというかネットワーク接続台数が多いと思われるPS3は順位的には3位という。


ただ、これは標準的なPS3のタイトル自体が大容量な物が多く、ダウンロード購入に向かないという事実もあるので、単純にPS3のタイトルが売れていないということではない。実際、この3作の内、1作はダウンロード専用(約1.0GB)だし、残りも約0.6GBと約1.5GB程度と比較的軽い方だし。そういう意味で、PS3が少ないという事は問題ではない。


「それなら普及台数的に "PSP > Vita" なんだから別におかしくないよね?」

と言いたくなる所だが、ここで注目したいのは「PSPのタイトル3つは全てシリーズもの」だという事だ。


ゲームアーカイブスのランキングの偏り

言わずもがなで、PS Storeでは過去のゲーム機のタイトルも遊ぶことが出来る。

VitaではVer.1.80が公開された8月末からPSアーカイブスに対応しており、事実上これについては同一タイトルが PS3/PS Vita/PSP の3機種でダウンロードプレイが可能になった。

そういう意味で、前段と同じくTOP10の総合ランキングとして見てみると、「どの機種でプレイしたか」は当然判らないものの、興味深いのは「そのタイトルの殆どが "シリーズもの" だった」ということ。

具体的には、

  • あの国民的人気シリーズ (1,2,3,4,5位)
  • 人気のロボットシミュレーションシリーズ (6位)

※表記は冒頭の公式プレコミュ本文中より引用

が上位を占めていることはもちろん、この後に続くのも "シリーズもの" だったというのが興味深い。

という感じで。

そんな中で、個人的に興味を持ったのは「シミュレーションRPGシリーズ (7,9位)」だったりする。


このランキングに載っているのは初代PlayStationで発売された1作目と2作目であり、これ以降の3作目と4作目はPS2で発売されたもので、ゲームアーカイブスには対応していないが、去年の10月と11月にPSPに移植・発売されたばかりだという事。また、最新作となる5作目が同じくPSPで今年発売予定である事。ここまでかけば「あれか!」と判る人もいるだろう。

当然、3作目と4作目はPSPとしてダウンロード版もあるものの、5作目で使えるプロダクトコードが「初回封入特典」として付いていたので、パッケージ買いの人が多かったであろうことは予想されるし、1作目と2作目はこれに合わせてダウンロード版の半額キャンペーンをしていたというのがこの結果に表れたものと推測できる。


コレクター心理とシリーズもの

世の中にはいろんな趣味・嗜好な人がいることは確かだけれども、ゲーマーの中には「コレクター」という感じの人は結構いる。

特に自分が好きになったシリーズは(実際にそれら全てをまた遊べる時間があるかないかに関わらず)「手元に置いておきたい」「集めていたい」「応援したい」というファン心理的な物も働くが、たぶん大事なのは「プレイアブルである」という所なんだろうと思う。

もちろん、「パッケージで形あるものとして全部そろえたい」という心理もあるし、コレクターとしては初回限定版などの特典も含めて大事に思う人、揃える人がいる以上はダウンロード版のメリットは「プレイアブルでいつでも切り替えられる」という点に他ならない。

そういう意味で、「ダウンロード版のシリーズものがまとまって売れている」というのは、まさに「ファンによるまとめ買い」がかなり多いものと推測する事が出来る。新規購入のファンも無視できないとは思うけど。


これは、この流れ自体は以前からあったものの、PS3 / PSP については大きな隔たりがあった。

より正確に言うと、以下の2つの事柄が、ダウンロード版普及の壁だったと言える。

  • PSアーカイブスはPS3/PSPで動作するが、PSPタイトルはPS3では動かない
  • PSPタイトルはダウンロード版の配信が積極的ではなかった

という。

だが、PS Vitaが発売されたことで、このバランスは少し変わってきた。その転換期は去年の夏。

  • PS Vitaは PSアーカイブスが動く。
  • PS Vitaは PSPタイトル(DL版のみ)が動く。
  • PSPタイトルもDL版の配信が増えてきた。

「ダウンロード版」という意味では一昨年頃まではあまり普及が進んでいなかったものの、PSアーカイブス、PSPタイトル、そしてPS Vitaタイトルであれば全て「PS Vitaでプレイアブルとして揃えられる」という環境は整っており、前段までの各ダウンロードタイトル/シリーズ物についても、PS3タイトルを除いては、全てPS Vitaでプレイ可能なタイトルだった。


まとめ

なんか「ゲームのタイトルを書かないと何が何やらわからない」という感じなんだけど、それを書かなかったのは「あえて」なのでごめんなさいというか。

興味ある人は公式で見てみてね!というか。


で、上記の2つの結果を考察すると、個人的に以下の3つの事がいえるんじゃないか?と考えた。

Vitaによるダウンロード版影響
  • Vitaのダウンロード版の販売割合はPS3/PSPに比べてかなり高い
    • 普及台数の違いにも関わらず、上位に多く存在しているという事から
  • PSPタイトルについてもVitaでダウンロードしている人がかなりいそう
    • シリーズ物のPSPのダウンロード版も売れていることから
  • PSアーカイブス対応でVitaで再購入/再ダウンロードしている人は多そう
    • PS/PSPのタイトルも含めて全てPS Vita上でシリーズを揃えられることから

と。

かなり強引な理論展開だし、自分でもかなり無理があるなーとは思うけど、「PS Vitaでのダウンロード販売の利用率は高い」というのは以前から聞いていたし、いざ「年間ランキングの結果」として見た時にも、その傾向は間違いないような気がした。


このランキングは、そういう視点でみるとかなり興味深い。*1 *2

*1:特に興味深いのは "既に購入者はほぼ飽和している" と思える「某狩りゲーム」(PSP)が、新作ランキングにいること。UMDでBEST版も出ているし、PSPでわざわざダウンロード版を再購入する人の割合はそこまで多くは無いと考えられることから、Vitaでの再購入(UMDパスポートに対応しているし)という人の割合はかなりいるのではないかと推測もできる。

*2:ただ、誤解ない様に書いておくと「(本体販売数がまだ少ない)Vitaタイトルがラインキングトップではないが4タイトルもある」ことから考えて、「(Vitaに限らず)ダウンロード版の市場自体はまだ大きいものではないと言える」のは間違いなく。今後、より大きくなることは希望的に予想出来ることだと思うけど。