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VitaとPSPの世代交代時期

このブログ的にはあまり販売台数的なところは触れないできたんだけど。

昨年の12月にPSVitaが発売されてから約7ヶ月。

自分の予測としてはかなり早かったカラーバリエーションの白も登場し、先月である6月は個人的には結構おもしろい傾向があったので、いい機会だと思って記事にしてみる事にした。

VitaとPSPの販売台数からみる「世代交代時期」について。

なお、販売台数の集計については個人が頑張ってどうこう調べられるものではないので、メディアクリエイトさん(http://www.m-create.com/)の毎週のレポートを参考にしている。けど、説明の都合上「生の値」は使ってませんし、記載されている内容の保障もありません。あしからず。

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追記(11/9):後日談も書きました。

6月のおもしろい傾向って?

ストレートに言うと、「6月各週の販売台数は、いずれもPSPよりVitaの方が多かった」という事。

え?それだけ?それの何がおもしろいの?という声も聞こえてきそうだが、その前の6ヶ月間でVitaの販売台数がPSPを上回ったのは、たった3週しかなかったのだ。しかも、その内の1回はVitaの発売初週であり、残りの2回は1月の月末。それまではローンチタイトルしかない状態だった所に、約一ヶ月ぶりに「テイルズ オブ イノセンス R」が発売された時。2週つづけての事だった。

それ以降、そしてそれ以外ではずっとVitaよりPSPの方が販売台数が多いという状態が続いていたのだ。

単純な数字、としては。

ならPSPの方が売れてるんでしょ?Vitaより

Vitaの発売から7ヶ月。最初の月、というより最初の週は言うまでもなくかなりの台数が出ているワケで、これが収まった後からが製品としての本当の実力!という考えで行くと、最初の月の12月を除いた6ヶ月でVitaとPSPの販売台数をちょっと比較してみたい。(数字は週集計を基にしており、また説明の都合上丸めてます)

VitaとPSPの販売台数比較 (2012/1~6)

年月 Vita PSP 備考
2012/1 95,500 127,000 TOIR発売
2012/2 54,500 62,500 DAZE発売
2012/3 52,500 88,500 リトバス発売
2012/4 37,500 62,000 シェルノ発売
2012/5 30,000 53,500  
2012/6 94,500 50,000 P4G発売
1~3月計 202,500 278,000  
4~6月計 162,000 165,500
上記合計 364,500 443,500  

既に発売から7年を超え、「台数頭打ち」に近い状態ともいえそうなPSPと発売7ヶ月、「むしろこれから」なVitaを比較している時点でアレだけど、「世代交代」という事で考えるならば比較にも意味はあるワケで。

そして、この上記の結果。特に「※」印をつけた2012年4月~6月の3ヶ月間計を見て思う事は、

「(発売されるタイトルにもよるけど)比率がほぼ同じぐらいのところまで来たのかな」

と。この結果を好意的に見ると「Vitaの方がPSPより売れていない」とはいえないと思う。

値段も違うし。


PSPがもう売れてないんじゃない?7年目だよ?

そう。確かにPSPは既に初代の発売から7年を超えたハードであり、現行主流のPSP-3000ですら2008年10月の発売である事から、3年9ヶ月を経過している現状がある。処理性能上の違いこそアレ、基本的には同じゲームが遊べるので、故障でもしない限りは買い換えなくても遊べたりしていた。

そういう意味では、PSPの出荷台数は頭打ちになって来ていたと考えている。もちろん、新規に買う人はいる中で、欲しい人には大体行き渡っている状態だったと考えている。

実際、期間を少し遡ってみると、PSPの販売台数は減少の一途をたどっていたりする。まぁ、最初がモンスター級のタイトル発売直後なので比較するにはちょっと無理のある数字なんだけど。

PSPの販売台数 (2010/10~2012/6)

年月 PSP 全体比 含むVita 備考
2010/10-12 1,347,000 38.1% - MHP3rd発売(12月)
2011/1-3 642,500 26.0% -  
2011/4-6 488,500 34.7% -  
2011/7-9 399,500 21.0% -  
2011/10-12 548,500 12.7% 23.0% PSVita発売(12月)
2012/1-3 278,000 11.8% 20.3%  
2012/4-6 165,500 10.4% 20.6%  
  • ※ 全体比=該当期間内のゲーム機販売台数の合計に占める割合(PSPのみ)
  • ※ 含むVita=該当期間内のゲーム機販売台数の合計に占める割合(PSP+Vita)

こんな感じ。PSPにはPSPgoも含めているが、大勢には影響は無い。

一方、表の中に記載した「含むVita」の部分。PSPの台数にPSVitaを加えてみると、Vita発売直前も含めたここ1年は「ゲーム機販売台数全体と比べてだいたい同じ比率」となっている。


まとめ。

唐突にまとめ。

上記までの表の数字で見ると、PSPからPSVitaへの移行、世代交代は始まっていると考えても問題なさそうかな?という気がしている。

もちろん、UMDの互換性の問題だとか、アドホックパーティー未対応の問題だとか、値段の問題だとか、使い勝手の問題とかPS3とかTVや外部機器との接続とか、その移行についてはいろいろと障壁があるのは事実。

PSPが壊れたからVitaに買い換えて今までと同じように遊べるか?というと、それらの問題がある以上、人それぞれの事情によって「そうではない」という点で、なかなかに難しい問題だと思う。

でも。

それでも、PSPとVitaの販売台数の合計が、ゲーム機市場の需要というかシェア的な意味でこの1年、ほぼ変動がなく一致しているように読み取れる事は興味深いと考えてもいいと思う。

断言も断定も出来ないが「世代交代」が起こっていると考えても良いと思う。

完全に切り替わるまではまだまだ時間は掛かるだろうが、PSPに比べて値段が高いVitaの販売台数が先月の1ヶ月間、2012年6月の全ての週で多かった事は、とても興味深い。「値段は高いけど、今買うならPSPではなくてVitaを買おうかな?」という人が十分に出てきていると考えられるという意味で。安定的にVitaの方が多くなる時期は、それほど遠くないかも知れない。

そんな事を、少し妄想した。