Vitaの「LiveArea」の使われ方
明日。2/2発売予定の「ラグナロク オデッセイ」は、個人的にちょっと気になっている。
ただ、平日なので買える状況じゃないので、まず様子見になってしまう訳だけど。えっ?ダウンロード版があるんだから、お店関係ないだろうって?・・・そうなんだよね~。でも、眠れなくなったら困るし。(子供かよ)
という、茶番みたいな話は置いておいて、この「ラグナロク オデッセイ」そのものというよりも、その体験版をダウンロードしていて、なるほど「LiveArea」っていうものは、こういう風に使うのかと、感心してしまったので、その事を書いてみる。
とかいいつつ、もう発売から一ヶ月以上経っているのに、私はVitaのゲームをほとんど買ったりしていないという意味で、もっと積極的に購入している人にしてみれば、当たり前の話かも知れない。
なお、話の中心として「ラグナロク オデッセイ」について語ってますけど、ゲームの内容にはほとんど触れませんのであしからず。(体験版を消さないで今日までいるという事で、ある程度察してください)
※ 多少の演出的な誇張があります。そういうストーリーだと思って読んでください。
事の発端:体験版のダウンロード
2012年1月19日。ラグナロク オデッセイの体験版ダウンロードが開始された。
帰宅後にそのニュースを知り、慌ててダウンロードをした。
ゲーム雑誌を買わない自分は、ゲームのニュースにも疎いし、そもそも雑誌では体験版の情報は遅すぎるだろう。
となると、ネットのニュースなどの情報がより確実なんだけど、それも普段チェックしていなければ、気付かない。今回気付いたのも、フレンドにしている人がダウンロードしていた事が判ったからだ。
こういう場合、オンラインでダウンロードが出来るVitaは非常にありがたい。
特定のお店に行ったり、体験版を遊ぶ為に他のゲームを買うとかしなくてもいいと言う意味で、体験版に触れる事が出来る、体験版をダウンロードさせることへの敷居の低さ、いやハードルのなさは、特筆すべき事かもしれない。
無論、これも後に繋がる話として。
LiveArea更新
遊んだ体験版は、つまらなければ消してしまえばいいし、それなりに満足できるのであれば、そのままメモリカードに入れておけばいい。あとでいつでも消せるんだし。
という感じで、とりあえず入れっぱなしにしておいた。
ある日。少し前の事。
朝起きると、『PSボタン』が青く光っていた。
このボタンが光ること自体は特に珍しい事ではない。なので、最近は朝の寝起きにVitaのこのランプの点灯をチェックするというのが習慣になりつつある。
すると、起動画面(スタート画面)に『LiveArea更新』と表示されていた。
このメッセージ自体も決して珍しい事ではない。今までも、『PS Store』などで新商品が入荷した場合にこのメッセージが出る事はあったから。
だが、この時の『LiveArea』はPS Storeではなく『ラグナロク オデッセイ 体験版』だった。
10万ダウンロードありがとう!
『ラグナロク オデッセイ 体験版』の『LiveArea』を起動すると、今まで画像だけだった画面左側のスペースでアニメーションがされるようになっていた。
『10万ダウンロードありがとう!』
みたいに出ていて、『記念壁紙プレゼント』みたいにアニメーションは続く。
その前まで無かった。こんな画面じゃなかった。
誘導されるがままにボタンを押すと、ブラウザが立ち上がり、壁紙をダウンロードするページに辿り着いた。
なるほど。これは面白い。
体験版が、単なる独立したタイトルではなく、広告としても機能している。
これ、かなり重要なことかもしれない。
体験版の存在は
体験版は。ゲームの内容や、それぞれのメーカーの見せたい事によって当然変わるため、一概に「こうだ!」と決め付けられる話ではないが、一般的には『体験版は本製品のお試し版』という位置付けで、導入部分や、特徴的なステージだけが遊べたり、操作性を確認できるだけ・・・というケースは多い。
当然、体験する時間は短ければ数分。長くても数時間に満たないものが多い。例外としてアドホック通信が出来る体験版が配布されたりすると、友達と一緒に製品版と同じ雰囲気で何時間も遊ぶと言うケースも無くはないが、ゲームの種類にもよるし、これはかなり例外的だ。
だから。
今までの体験版は、『遊んだら消される』というのがある意味宿命だった。それ以上のものになりきれなかった。一度でもいいから起動してもらって、まずは『触れてもらう事が目標』という。
そして、その目標を達成したら、それで終わる存在がほとんどだった。
広告塔としての体験版
最初の項目で述べた通り。Vitaは『体験版をいつでもダウンロード出来る』という特徴がある。
これ自体は別に、特段特殊な特徴とは言えないが、携帯ゲーム機であるにも拘らず、オンライン接続が基本的に常時保たれており、PS Storeの利便性と誘導性の高さから、比較的抵抗感なくダウンロードする事ができるという点では、非常に効果的だ。
未だ十分とはいえないまでも、nearなどでもっと情報が集まるようになれば、普通の製品ではない為に売り上げランキングとしては数えられない体験版ですらも身近なランキングに登場するようになり、目に付きやすくなるし、その場で気になればとりあえずダウンロードという事も出来るようになってくる。
そして、もっとも特徴的な所は、
『消されない限り、起動されなくてもLiveAreaは存在し、情報を発信し続けられる』
という「広告塔としての体験版」になりえるという点にある。
LiveAreaの広告効果
『体験版は起動して体験してもらうことが目標』『触れてもらうことが目標』から、『ダウンロードしてもらうことが目標』に変わった。
ダウンロードされた体験版は、起動されなくてもいい。LiveAreaは、未起動状態でも機能する。これは、アプリのバージョンアップなどがあった場合に、ユーザが起動する前にそれを告知できるというメリットがあり、この機能を使う事で、広告効果を生み出す事が出来るのだ。
先に述べた通り。
体験版をダウンロードし、起動しないまでもメニューに残しておいた。後で消すだろうけど、今じゃなくていいや、と。
すると、LiveAreaは製品の新たな情報をその体験版に直接送る事が出来るようになる。
今回のように『ニュース』だったり。製品版で、ダウンロードコンテンツが新たに登場した時に利用するであろう事は考えていたが、体験版でも同様であり、むしろ体験版の方が広告効果は高いかもしれない。
体験版から製品版へ
当然、体験版がメニューに居続ける人は、それなりに気に入った人だろう。気に入らなければ簡単に消せるし。
であれば、である。だからこそ、である。体験版を未だ入れている人、興味を持ってくれているであろう人に対し、『製品版が発売されるまでの間に興味を繋ぎとめておける』『製品版が発売された事を直接ニュースとして届ける』事も出来る。そのまま、PS Storeへの誘導ももちろん出来る。
場合によっては、体験版をダウンロードした時期によって変わる『体験版利用者アップグレード特典』への誘導なども出来るだろうし、そういう流れがどんどん増えて普通になってくれば、より気軽に体験版をダウンロードする人は増えるだろう。そして、消しにくくなることだろう。
体験版の意味付けが。
体験版という一時的なお試しではなく、顧客を製品版へと繋ぐ、発売される前の段階から顧客満足度を高め、興味を失わせないようにする為の広告塔として機能し始めた・・・。
今回の件は、そんな風に感じたのだった。