みた、こと。きいた、こと。

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Vitaの「メモリ」のもやもや。

追記(2013/4/10)
VitaのVer.2.10からフォルダ機能の追加に伴い、アイコンの位置などの情報はメモリカード側に保存される事になりました。下記記事は2012年1月時点での記事となります為、Ver.2.10以降と状況が異なります。ご了承ください。
追記(2013/11/22)
2013/10/10に発売となった新型Vita(PCH-2000シリーズ)から、内蔵メモリカード(約1GB)が標準でつく形になった。記載内容がわかり辛くなった為、もともとの表記の「内蔵メモリ」は「内部メモリ」に変更しました。なお、内蔵メモリカードは「メモリカード」に読み替えていただければ内容としての違いはありません。

年末頃の話。Vitaのメモリを買った。
「えっ!まだ持ってなかったの?!」
と思われるかもしれないけど、発売日に予約していて買った16GBはもちろん持っていて、2枚目として32GBを買ってきたのだ。
「え~っ、なんでそんなに容量いるの?もう使い切ったの?バカじゃないの?」
と感じられるかもしれないけど、実際の所は特になんか問題があったとか、容量が足りなくなったとかそういう話でもなくて、発売当時は予約出来なかった32GB*1が最近は普通に出回っていると聞いたので、本来欲しかったサイズという意味で買ってきただけだ。そう、大人だから!
とはいえ。
せっかく2枚になったので、最初に買ってきた時はドキドキしていて深く調べられなかった、どうにもサッパリ判らないVitaのメモリ関係の仕様的な不明点を、いろいろ調べてみる事にした。
なお、ここまで書いておきながら、実は「PlayStation Vitaカード」のゲームを未だ1本も買っていないので、それに関する説明は間違っている可能性は高い。その内なんか買ってみようかとは思っているけど。うん。

Vitaのメモリは3タイプ

「あれ?Vitaのカードってゲームとメモリの2タイプでしょ?」という人がほとんどだと思うし、それはもちろん合っている。でも、いざ使ってみると実際はメモリカード以外に内部メモリ側にもいろんなデータが保存される為、管理上は3タイプである事が判る。

  1. PlayStation Vitaカード (以下、Vitaカード)
  2. Vita専用メモリカード (以下、メモリカード)
  3. 内部メモリ (OS管理用データ保存領域)

いやいや、内部メモリは当たり前なんだから別に書く必要ないんじゃない?と当初は思ったんだけど、現実的にはここに保存されるデータが存在し、電源を消しても維持される、カードを入れ替えているのに維持されるという意味で、しっかり把握しておいた方がよさそうだ、という事が判った。
というか。Vitaの場合はこの違いがユーザに意識させない様に管理されている為、非常に判りづらい。
実際、メモリカードが無くても、Vitaカードだけで遊ぶ事も出来るし、VitaをWi-Fi端末として使うだけなら、そもそもVitaカードもメモリカードもなくて使えたりする。自分の場合、Vitaを手に入れた興奮から、メモリカードをセットしないままWi-Fiも含めて一通り設定を済ませてしまい、PS Storeに接続しようとしてからその事実に気付き、慌ててメモリカードを入れようと思ったところ、これって逆にデータが初期化されるんじゃないか?と、不安になったぐらいだ。結果はされなかったんだけど。
とにかくこの3つ。ユーザ側では把握できない感じでシステム設計されている為に、使い始めてからこっち、いまいちその実態が見えなかった。
この機会にちょっと調べてみたので、今回はこの違いについて、次の様な感じでまとめてみた。

メモリのタイプと違いについて

Vitaで扱う3タイプのメモリについて、それぞれの用途的なものを書いてみた。

タイプ Vitaカード メモリカード 内部メモリ 備考
主な用途 パッケージ販売用 ダウンロード用 OS管理用 カードはそれぞれ別売り
ゲーム(ROM) ○ 可能 - なし - なし 標準アプリは内部メモリ側
(ダウンロード) - なし ○ 可能 × 不可 メモリカード必須
(追加コンテンツ) △ 一部可能 ○ 可能 × 不可 一部ゲームはVitaカードに対応
(セーブデータ) △ 一部可能 ○ 可能 × 不可 一部ゲームはVitaカードに対応
ユーザ管理 × 不可 △ 一部可能 ○ 可能 PSNアカウントは内部メモリ側
アイコン配置 × 不可 ○ 可能 △ 一部 Ver.2.10から変更
コンテンツ管理 × 不可 ○ 可能 × 不可 ビデオ、ミュージック、写真も同様
データベース - なし - なし ○ 配置 Vita内部管理用の領域
メモリ容量 2G/4G 4G/8G/16G/
32G/64G
512MB VitaカードはROM部分を除く
  • 2013/10/10 よりメモリカードに64GBが追加されました。あわせて2012/11現在、4GBは販売終了になっています。

上記は今まで自分が調べた範囲の整理なので、実際は違うかもしれない。
で、だ。
上記を見てもらうと「なんだか○と△と×が混在してるよね!」という事に気付いてもらえるかと思う。
これが、Vitaのメモリ管理がなんだかよく判らない事にしている根源の様な気がする。
それぞれがそれぞれを補うように設計されていると言うよりも、様々なユーザの利用パターンを想定した結果、どっちでも出来るようにしましたという感じ。
どっちでもって何?という所については、次の「今までとの違い」で説明したい。

今までの携帯ゲーム機との違いについて

過去のゲーム機は、この辺りのメモリ管理がとてもシンプルに出来ていた。

DS/3DSの場合はカートリッジ方式

DS/3DSは、ゲームは基本的にパッケージ販売となっている。セーブデータの保存は、そのゲームカートリッジ内のメモリ領域に行なわれ、カートリッジを抜いて別の端末に入れてもそのまま遊べる。また、SDカードも使えるが、これはゲームカートリッジでの購入ではないダウンロードゲームのインストール先としてや、デジカメで撮影した写真などのデータバックアップ用として利用であり、実態としてはあくまでも補助的なものだった。
付属品として最初からつくものの、普通にゲームを遊ぶ上では無くても特に問題のないものだった。

PSPはメモリカード方式

PSPはゲームの提供はUMDで行なわれている。光ディスクでありセーブデータは保存はできなかった。この為、セーブデータの保存はメモリースティック(以下、メモリカード)に行なわれる。当然、セーブデータに限らず、各種データはメモリカードに行なう形となっており、別の端末で遊ぶときは、UMDとメモリカードをそれぞれ移して遊ぶ感じだ。メモリカードはバックアップという位置づけではなく、主のメモリ領域として使われ、バックアップを行う場合は、PCまたはPS3との接続により別に管理される方式だった。
にも関わらず、メモリカードは本体には付属せず、別途購入する必要があった。

PS Vitaはカートリッジ+メモリカード方式

ここまで読んで、あれ?と思った人もいるかもしれない。
Vitaカードにセーブデータは保存できるし、メモリカードにもセーブデータが保存されるみたいだし?と。
PS Vitaは、上記二つの要素を組み合わせたような設計になっている。なので、余計判りづらい形になってしまったような気がする。
そして、それらを両立させる為の管理領域として内部メモリによる管理が新たに発生してしまった様な感じだ。

PS Vitaの方式について、次項で詳しく説明する。

PS Vitaのメモリ方式

Vitaカードでゲームを購入した場合、基本的には(ゲームにもよるとの事だが)「Vitaカード内にセーブデータが保存」される。つまり、カートリッジ式と近い感じになる。PS Storeで追加コンテンツをダウンロードする場合はどうなるの?だが、Vitaカードが入っている場合は、このカードにダウンロードされる模様。その為に2G/4Gの容量が用意されており、特にメモリカードは必要ないらしい。しかし、該当するゲームのVitaカードが入っていない場合は、メモリカードに保存される形になる。*2
一方、ダウンロードでゲームを購入した場合。基本的にはメモリカードにゲームがダウンロードされ、「メモリカード内にセーブデータが保存」される。つまり、メモリカード方式と近い感じになる。PS Storeで追加コンテンツをダウンロードする場合はどうなるの?だが、言うまでも無くメモリカードにダウンロードされる。
ちなみに、Vitaカードに入っているゲームは、カードを抜くとホーム画面からアイコンが消滅する。カードを入れると再び現れる。出現場所は「ホーム画面の後ろに追加」になるので、前回と同じ場所ではない模様。
メモリカードに入っているゲームも、カードを抜くとホーム画面からアイコンが消滅する。メモリカードを入れると再び現れるが、Vitaカードと同様に出現場所は「ホーム画面の後ろに追加」になり、以前の場所・位置の状態が保たれているワケではない。
ところが、Vitaカードを抜いても、メモリカードを抜いても消えないアイコンがある。
初期インストールされているアプリ群だ。これらは、カードの抜き差しに関係なく以前と同じ場所に表示される。ウェルカムパークなどのゲームデータは、そのまま維持されているので、Vitaカードでもメモリカードでもなく、内部メモリ側に記録されていると思われる。

ゲームとデータ保存場所は基本的に同一

上記説明で混乱する人も多いと思う。書いている自分でさえ混乱する。
ここで、実際はゲームにより異なることがあるものの、あえて断言して言い切るとこういう説明をする事が出来る。
「ゲームの入っているカード、メモリの場所にセーブデータは保存されている」
と。
今のところ、これで大体あっている感じだ。

記事訂正(2013/11/11)
以前は上記の様に書いていたが、ここ1年ぐらいはVitaカード保存のタイトルが明らかに減ってきており、新型Vita(PCH-2000)は内蔵メモリカードとして約1GBが搭載されたし、今後予定されているタイトルもほとんどが「メモリカード保存」である事から、
「ゲームはVitaカード、セーブデータはメモリカードが多い」
と考えた方が大体良さそう。なお、その辺りを書いた記事は以下の通り。
新型Vitaの内蔵メモリ1GBの背景に関する考察 (2013/10/15)

ただ、ここで重要な問題が出てくる。セーブデータのバックアップ、コンテンツ管理の違い、だ。

Vitaアプリのコンテンツ管理

Vitaには「コンテンツ管理アプリケーション」というツールがあり、PCまたはPS3にアプリのデータをコピーしたり、メモリカード全体のバックアップ/リストアをしたりする事も出来る。この時、普通の人はこう考える。
「セーブデータだけコピーできればいいんだけど」
実際、PSPはそうだった。ゲームはUMDで提供されていた為、メモリカードに入っているものはセーブデータだったり、追加コンテンツとなるデータだけだったし、これをバックアップして別のメモリカードにコピーすれば、それで問題なかった。
しかし、Vitaは違う。Vitaアプリのコンテンツ管理については、こうなる。
「ゲーム本体とセーブデータは同一パッケージとしてコピーされる」
と。
セーブデータだけをバックアップするという事は出来ない。ゲームのコピー、バックアップによりセーブデータも合わせてバックアップされるのだ。
そこで、ふと疑問が出てくる。
「あれ?Vitaカードのセーブデータをバックアップする時はどうなるの?」
その答えは、公式サイトに書いてある。

ゲームなどのアプリケーションをコピー/削除する(パソコン)

つまり、ゲーム側で「Vitaカードに保存する」タイプはバックアップをする事が出来ず、「メモリカードに保存する」タイプはメモリカードに保存されたものだけバックアップされる形となる。
また、もう一つ重要な事が同じページ内に書いてある。

  • アプリケーションデータはホーム画面で削除することもできます。ホーム画面をタッチアンドホールドし、編集モードにすると削除できます。アイコンを削除すると、そのアプリケーションに関連するすべてのデータが削除されます。

つまり、ゲームをメモリーカードにダウンロードして遊んでいて、「メモリカードが一杯になってきたから、ゲーム本体だけ消して、セーブデータはそのままにしておこう」という事は出来ないという事。
正直言って、複雑すぎると思う。コレ。

内部メモリって何してんの?

メモリカードが2枚になって最初にした事。
「新しいメモリカードを入れたとき、どこまで情報が残っているのか?」を確認する事だった。メモリカードの入れ替えについては、一度電源ボタンを5秒間押し、電源断の状態としてから行なっており、スタンバイ状態ではないことを追記しておく。
結果としては、

  • 残っていたもの
    • スタート画面の画像は残されていた
    • 各ホーム画面の背景画像は残されていた
      • 画像は標準のものではなくメモリカード上の画像でも残った
    • 標準アプリのアイコン位置は残されていた
      • "near"の履歴/アイテムの情報は残されていた
    • Wi-Fi設定は残されていた
    • PSN設定は残されていた
    • その他設定は残されていた
  • 消えていたもの
    • ダウンロードアプリのアイコンは全て消えていた
      • アイコンが1つも無くなったホーム画面は消された
    • アプリの利用履歴は消えていた
      • コンテンツ管理で戻した場合でも「初めて使った」と表示された
    • スクリーンショット、写真は消えていた
    • ビデオなどのコンテンツは消えていた

気付いた範囲では、上記の通りとなっていた。
事前に調べていた範囲では「PSNアカウントはメモリカードで切り替えられる」だった気がしたが、まっさらなメモリカードを挿入した場合には、何も設定しないままでそのままつながった事を考えると、基本的には内部メモリ側で管理していると思われる。
アカウントが2つ無いのでこれ以上確認できなかったが、別の情報で保存した場合は、以降そちらの内容が有効になるのかも知れない。

メモリーカードの入れ替え運用

正直言って。
個人的な感覚として「複数枚のメモリーカードを入れ替える形での運用はなしだな」と思う。
入れ替えるたびに、ホーム画面のアイコンの並びがリセットされるという状況は、画面カスタマイズで楽しんでいた自分の心が折れる。まぁ、それはいい過ぎだとしても、画像の情報と一緒にこのアイコンの表示位置もメモリカード内に記憶してくれるのであれば、ログインのセキュリティーロックと合わせて別人格で運用する事も可能だろうし、それぞれが「自分のメモリカード」「自分のホーム画面」とか「友人への一時的貸与用のカード」なんていう使い方も出来てよさそうなんだが、現時点での動作結果を見る限りでは、そういう感じでは使えなさそう。
確かに、「ゲーム機は一人一台」という時代だから、別にそれでもいいのかも知れないけど、決して安いゲーム機ではないので、家庭で1台という人も少なくないと思う。ゲームによってはオートロード/オートセーブに対応しているため、複数人で使い分けるという事は出来ないし。

メモリカードの表記と実際の容量の差異

追記 (2014/01/06):
Vitaのメモリカードに限らないんだけど、最近のHDDやSDカードなどのメモリ媒体の容量は、買ってきた時の表記と実際の容量に差異があることが多いというか、既に暗黙の了解でそれが常識になっている。

知っている人はいいけど、知らない人に取っては気味が悪くて気持ち悪い話しなんだけど、そのあたりの誤解を解くために、このページに追記しておく。

Vitaメモリカードの種類と実際の容量
カード種別 実際の容量 備考
内蔵1GB 約1.0GB PCH-2000以降のみ
4GB 約3.8GB 発売終了(2013/11時点)
8GB 約7.6GB  
16GB 約14GB  
32GB 約29GB  
64GB 約59GB 2013/10/10発売
  • 上記、実際の容量はシステムソフトウェアのバージョンによって異なる場合があります。

だいたいこんな感じの容量になっているハズ。

これには主に2つの理由があって、

  1. メモリカードの容量計算は1,000単位と1,024単位の混在となる為
  2. システム領域で使用される分は表示されない為

となっている。

前者の「単位が混在」は、

記憶媒体のメモリは、1,000基準(10の3乗)で表記されるが、実際にコンピュータが利用する場合は1,024基準(2の10乗)で計算される為に誤差が生じる

というコンピュータシステムの事情によるものである。

たとえばの例で32GBで計算してみると、

32GBの場合の単位変換例
1,000基準 単位 1,024基準
32,000,000,000 Byte 32,000,000,000
32,000,000 KB 31,250,000
32,000 MB 30,517
32 GB 29.8

同じByte容量から計算しても、ずいぶん違ってくることが判る。

そして、この他に後者の「システム領域」が必要であり、これはユーザが使用出来ない部分という事で、特にどれほどの容量があるのかの表記は行われず、またこれはシステムソフトウェアのバージョンによって変わってくることがある。

この辺りの話はVitaに限らないんだけど、一応Vitaの話として書いてみた。

まとめ

まとめと書くが、上に書いてある事は私個人が確認した事であり、仕様とかそういう事を明言したものではありません。私の勘違いによるものも含まれます。
なので、参考程度に読んでいただければと思います。
というか。
もう少しまとめて判りやすく書きたいんだけど、なんかこう複雑すぎてまとめられないと言うか。
とにかく、「カートリッジ方式とメモリカード方式がごちゃ混ぜで運用されているよ!」という事が、なんとなく伝わればとりあえずはOKって事で。
何がOKなんだかよく判らないけど。

*1:Vita発売当時は32GBのメモリカード出荷量が少なかったらしく、かなり早い段階で予約終了になっていて、私が買った当時は「32GB入荷未定」だったため、16GBを使っていたというだけの話。

*2:追加コンテンツは、ダウンロードした状態で読み込ませると言う形式ではなく、インストーラー形式のアップデータという位置付けらしい。この為、一度アップデートを行なうと、特にその後は読み込みを行なう必要などは無くなる。なので、ダウンロード先がどこだろうと実行されれば良いという感じみたい。