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スマホで出来てVitaで出来ないこと? (Ver.3.00)

追記(2016/4/8)
Ver.3.60対応版で記事を起こし直しました。2015年の変動を反映しました。⇒ スマホで出来てVitaで出来ないこと? (Ver.3.60)

まだVitaが発売されてから3カ月程度しかたっていなかった頃、表題の様な内容で記事を書いた。それが上の「関連記事」の1つ目。その時の書き出しは下記の通りだった。

Vitaについては、見た目のデザインはPSPと大きく違わないように見えて、その中身的にはゲーム機というよりスマホとして考えた方がシックリくるんだよな~というのが実感。

月日が流れていつの間にやらVitaのシステムソフトウェアもVer.3.00 (この記事掲載時点では Ver.3.01) となり、Vitaは発売当初からは考えられないぐらいずいぶん進化した。見た目は変わってないんだけどね。

以前のこの感想は今は違う。

ここ最近の進化の方向がスマホの後追いではなく「よりVitaらしく、ゲーム機らしく」に向いている様であり、ずいぶんと当初からの印象が変わったと思う。そしてVitaTVの発売も行われ、携帯ゲーム機の枠から抜け出し、携帯ゲーム機と据え置きゲーム機、スマホや様々なネットワークを繋ぐ1つのデバイスとしてVitaらしい進化はまだまだ続いていく」と信じている。


そういう意味で年末の特にシステムソフトウェアの更新もしばらく無いだろう的ないいタイミングなので前回と同じ形式、項目(+α)で比較してみる。ただ、Ver.2.00 と大きく変わったという程ではないけど。


なお、本比較はあくまでも(携帯ゲーム機の)「PS Vita」としてであり(据え置きゲーム機の)「PS Vita TV」では無い点は要注意。そもそも本記事の趣旨としてスマホとの比較であり、Vita TVは立ち位置が据え置きゲーム機に近く、使い方からして違うわけで、スマホと比べるのがおかしいと思っているので。

VitaVita TVの違いについては関連記事を別途参照いただきたい。


ってか、あいかわらず前置き長い。


なお、前回までと同様「特定のスマホとの比較ではない」という点にはご留意いただきたい。だって、スマホ種類多すぎなんだもん。


ケータイとしての比較

ケータイ電話機としての機能で比較してみる。まず、基本的な部分から。

機能名 スマホ PS Vita Vita補足説明
電話機能 ○ 公衆回線 Skype '12/4/25~*1
SMS ○ 公衆回線 × 3G/Wi-Fi Ver.2.1x~
電話帳 ○ アドレス帳 △ フレンド機能 PIM管理は出来ない*2
メール機能 ○ キャリアメール IMAP/POP3 Ver.2.00~
振動機能 ○ 設定可能 × 不可 バイブレーション機能なし
機内モード △ 機種による ○ 全通信停止 マナーモードとは別
名刺交換 ○ 可能 △ みんいつ
× 不可
アドホックによる交換可能
2015/3 サービス終了

この辺りは前回と特に変化は無し。新型Vitaになったけれども、この手の機能が追加されたワケでもないし。

Vitaには通話用の電話番号がないことと電話帳/名刺管理が出来ないことを除けばかなりスマホに近付いた印象。Skypeにクレジットカードの登録が出来る人であれば、経由して固定電話や携帯電話と通話することも出来る。なお、カメラ機能が無いので、VitaTVはSkype未対応。そういえばマイクもスピーカーもVitaTVにはない。


そして、そもそもの通信機能(電話以外)はというと、

機能名 スマホ PS Vita Vita補足説明
データ通信 LTE/3G △ 3G 3Gモデルで契約時のみ
Wi-Fi通信 ○ b/g/n ○ b/g/n IEEE802.11b/g/nの意味
アドホック通信 × なし ○ ゲーム時 PSPとの互換あり
Bluetooth通信 ○ 対応可能 ○ 対応可能 対応プロファイル制限あり
赤外線通信 ○ 可能 × 不可 赤外線ポートなし

2013年10月に新型Vitaが発売されたが、この辺りは結局変わらなかった。

「データ通信が3Gまでなのでゲーム機としてはジャンルと使用用途が限られる」という点以外では、通信機能としては携帯機として十分に充実していると言っていいだろう。

もっとも、新型Vitaは「Wi-Fi版のみ」というラインナップであり、3G通信部分を拡張できる内部構造では無いので、今後は基本的にはWi-Fiモデルが標準になり、各個人がスマホモバイルルーターを所有した上での「テザリング」による接続が中心になっていくと思われる。*3

無論、3G/Wi-Fi版(PCH-1100シリーズ)も継続して併売しているので、無くなるわけでは無いけれども。

余談だが、Ver.3.00から対応した「PocketStation」はもともと「赤外線通信」を積んでいた。今回の「PocketStation for PlayStation Vita」では赤外線ではなく同様のことをアドホック通信で行う模様。いろいろと手が込んでる。

カメラ/地図などの便利ツールとしての比較

多機能化が進む日本のケータイ事情的なところでの機能比較。

機能名 スマホ PS Vita Vita補足説明
ブラウザ ○ あり ○ あり Ver.2.00~使い勝手向上
Flash対応 △ 一部可 × 不可 ブラウザ非対応
カレンダー ○ あり × なし
○ あり
スケジュール/ToDoとは別
Ver.3.10~対応
スケジュール ○ あり × なし
○ あり
勇者のきろく、サービス終了
Ver.3.10~対応
電卓 ○ あり × なし  
メモ帳 ○ あり × なし  
目覚まし ○ あり ○ あり '12/4/19~めざまし同盟
カメラ(写真) ○ 可能 ○ 可能 ズーム不可
カメラ(動画) ○ 可能 ○ 可能 ズーム不可
バーコードリーダ ○ 可能 △ 一部可 ゲームにより対応
画像編集 ○ あり ○ あり '12/4/19~ペイントパークで対応
位置情報 GPSあり Wi-Fi位置情報 3G版はGPS利用可能
地図 ○ 地図アプリ ○ マップ
× 不可
Ver.1.60~対応
Ver.3.50~削除
交通情報 △ アプリにより ○ マップ
× 不可
Ver.1.60~対応
Ver.3.50~削除
天気情報 △ アプリにより △ マップ
× 不可
Ver.2.00~対応。予報なし
Ver.3.50~削除
動画再生 ○ 可能 ○ 可能 PSStore購入可能
ワンセグ △ 機種により × 不可 torne転送の番組視聴
TV視聴 DLNA経由 △ nasne経由 DLNAは未対応
音楽再生 ○ 可能 ○ 可能 コンテンツ管理での転送
音声録音 △ 音声メモ × なし
○ あり
マイクはあり
Ver.3.10~対応
電子書籍 ○ 可能 ○ 可能 '12/10/11~Reader開始
アプリストア ○ OSにより ○ PSStore Ver.1.80~PSM対応
オサイフ △ 機種により × 不可 IC機能なし

「TV視聴」の項目は外部機器としてnasneが必要ではあるので「△」扱いだが、相性としてはかなりのもので個人的に満足感は非常に高いって事で導入はオススメ。Vitaの起動有無と無関係に録画が出来るし、VitaTVとあわせて運用する際にどちらでも観れるし、共用ストレージとしても利用できる。


相変わらず電卓、メモ帳、スケジュールなどが無い感じで寂しい。PSM(PlayStation Mobile)の充実もあるが、最近はゲームタイトルの方が多くてツール類は少なめ。PSMに期待は残るものの、Vitaの本体機能としては今後の追加はあまり望めないだろう。なお、VitaTVはPSMに未対応なので注意。(Ver.3.10からVitaTVもPSMに対応した。未対応タイトルもあるので注意は依然必要)

だが、いわゆるエンターティメント的な利用においては汎用的なスマホよりも専用性を追求している面で使い勝手が良い場合もあり、ネットワーク機器との連携もなんだ感だで進んできている。この辺りはこれからも変化が期待できる楽しみな部分だ。

補足(1)
Flash Playerの対応については、Adobe社が携帯端末向け(ゲーム機に限らず)のバージョンアップを行っていない為、今後の対応については期待できないというか、無いというか、基本的にはHTML5での対応が前提になると思われる。
補足(2)
ブラウザは、PSPのそれと比べるとずいぶん使い勝手が良くなっているし、操作性という点でも画面が横長だったり、物理キーが使えるなどの理由でスマホより扱いやすい場合がある。ただ、スマホに比べてブラウザ自体が使えるメモリサイズに制限があるため、ゲームを起動しながらの利用や、タブを複数開いての利用の場合には限界があるのであまり期待しすぎないほうが良い。このメモリの話は以前記事に書いたのでそちらを参照のこと。⇒Vitaブラウザのメモリ上限値 (Ver.2.00)
追記(2014/3/27)
Ver.3.10 (2014/3/25配信) より、「カレンダー」の機能が追加されました。この機能によりスケジュール管理が出来るようになっています。また、「VitaTV」がPSMに対応しました。操作が異なることで未対応タイトルは残りますが、PS Storeから購入・ダウンロードできます。
追記(2015/8/7)
Ver.3.50 (2015/3/26配信) より、「マップ」の機能が削除されました。この機能に関連していた、「地図」「交通情報」「天気情報」はいずれも「× 不可」となりました。

コミュニケーションツールとしての比較

電話機能以外でのコミュニケーション、コンタクトツールとして見た場合の比較。

機能名 スマホ PS Vita Vita補足説明
音声チャット △ 機種により ○ パーティー フレンド登録が必要
テキストチャット △ 機種により ○ パーティー フレンド登録が必要
ダイレクトメッセージ △ 機種により ○ あり メッセージで対応可能
フレンド登録 × 概念なし ○ フレンド他 各ゲーム内外で可能
アクティビティー × 概念なし ○ フレンド 非公開設定可能
トロフィー × 概念なし ○ トロフィー ゲーム進捗状況の公開
タイトル毎の非表示対応
ペアレンタル
コントロール
× なし ○ あり Ver.3.00~対応

ここ数年はスマホ人気アプリトップぐらいの勢いのコミュニケーションツールである「LINE」は無いワケだが、携帯ゲーム機として考えるとかなり充実している。もっとも、PSNというクローズドな環境なので、オープンとは云えない部分はあるけど。

なので、ここは前回と同じく「Vita側が有利な評価」になっている点はご注意いただきたい。

なお、Vitaの「パーティー」機能はPS4とも接続、連携が出来るようになっていて、将来的にはフレンド登録をしていなくても利用は可能になるという話もある。

Ver.2.60からトロフィー機能については、「タイトル毎の非表示機能」が追加された。削除することは出来ないが、公開するタイトルを選択する(正確には公開したくないタイトルの指定)ことも出来る様になった。アクティビティーはトロフィーとは別なので「誰にも知られず隠れてこっそり遊びたい」的なプレイは出来ないので注意されたし。

Ver.3.00からゲーム機らしく、「ペアレンタルコントロール」がアイコンでホーム画面に追加された。詳しい使い方も既に公式サイトにマニュアルが上がっている。

ペアレンタルコントロール | PS Vita オンラインマニュアル

お子様が本機を使用する場合に、保護者の方が必要に応じてコンテンツの再生や機能の利用を制限することができます。

数字4桁によるパスワード(というかパスコード)なので、設定するのは手軽でよいが、子供は結構覗き込んで場所を覚えたりするので(こういう事に対する子供の集中力、観察力、洞察力と記憶力はなめてはいけない)これで設定したから安心とか思わないで定期的に管理するようにしよう。

メディアプレイヤーとしての比較

スマホと言ったら音楽と動画視聴よね!という人の為の比較。前回まで無かった項目。一部、前段と次段の機能と重複するが、気にしない方向で。

機能名 スマホ PS Vita Vita補足説明
動画 ○ 可能 ○ 可能 ビデオ
音楽 ○ 可能 ○ 可能 ミュージック
TV視聴 ワンセグ/DLNA △ nasne経由 VitaDLNA未対応
YouTube ○ 可能 ○ 可能
△ ブラウザ
VitaTV非対応
2015/4 対応終了
ニコニコ ○ 可能 ○ 可能 生放送対応済み
TSUTAYA TV △ 一部可能 × 未対応 11/14 VitaTVのみ対応
DMM.com △ 一部可能 × 未対応
○ 対応
11/14 VitaTVのみ対応
2014/3/13 Vita対応済み
スカパー!オンデマンド ○ 可能 × 未対応 11/14 VitaTVのみ対応
Hulu ○ 可能 × 未対応
○ 対応
12/19 VitaTVのみ対応
2014/5/29 Vita対応済み
U-NEXT ○ 可能 × 未対応
○ 可能
VitaTV対応時期未定
2014/5/8 Vita/TV両対応済み
テレビドガッチ ○ 可能 × 未対応 11/14 VitaTVのみ対応
NHKオンデマンド ○ 可能 × 未対応
○ 可能
2014/3/19 VitaTVのみ対応
2014/4/25 Vita対応済み
TBS 世界遺産セレクション △ 一部可能 ○ 可能
× 未対応
11/14 配信
2015/3 対応終了
Video Unlimited △ 一部可能 × 未対応 開始時期未定
Music Unlimited ○ 可能 ○ 可能
× 未対応
2015/3 サービス終了
JOYSOUND.TV × 対応なし ○ 対応 11/14 配信。Wi-Fiのみ
radiko.jp ○ 可能 ○ 可能 カスサン機能として利用可
Reader ○ 可能 ○ 可能 EPUBVitaはコミック中心
アニマックス Plus ○ 可能 × 未対応
○ 対応
2015/9 アプリ配信

ここほどスマホVitaとVitaTVの違いが出る場所も無い。

というか、むしろこの違いが正直「痛い」と思っている。VitaTV対応していて、Vitaで対応していないサービスがかなり多い。これは今後解消されていくことを期待しているが、むしろ今後増えていく可能性もあるので、この点は注意が必要。

ただし、VitaTVで対応できるのであればVitaでも対応できるケース(ソフトウェア的な意味で)は多いと思うので、Vitaスマホに無い機能やサービスが今後増えていく可能性はあるので期待したい部分と言える。


SNS対応状況での比較

最後にスマホを手放せない理由にも上がる「SNS」の対応状況。一部前段までと重複する部分もあるが気にしない。

サービス種 機能名 スマホ PS Vita Vita補足説明
SNS Twitter ○ 公式 ○ 公式 アカウント作成は不可
SNS Facebook ○ 公式 ○ 公式
× 未対応
2015/9 配信終了
SNS mixi ○ 公式 × 未対応 対応予定なし
SNS Google+ ○ 対応 × 未対応 対応予定なし
電話 Skype ○ 公式 ○ 公式  
電話 LINE ○ 公式 × 未対応 対応予定なし
画像 Flicker ○ 公式 ○ 対応 アカウント作成は不可
画像 pixiv ○ 対応 × 未対応 対応予定なし
動画 ニコニコ動画 ○ 公式 ○ 公式 アカウント作成可(12/20~)
動画 Youtube ○ 対応 ○ 公式
△ ブラウザ
Flash再生不可
2015/3~ 対応終了
GPS fourquare ○ 対応 ○ 公式  
ゲーム PSN(SEN) △ ブラウザ ○ 対応 必須。初回起動時作成/登録
ゲーム GREE ○ 対応 × 未対応 対応予定なし
ゲーム モバゲ ○ 対応 × 未対応 対応予定なし
  • 広義には上記は全てSNSに分類されますが、日記や個人間連絡が主となるサービスについてサービス種を「SNS」としています。

この1年ぐらいは特に変化が無い。ニコニコ動画が生放送に対応したりしているなど機能拡張があるけど、この辺りのサービス不足な印象はまだまだ多い。

個人的な見解だが、"LINE"の対応は予定が無いだけでなく、基本的に出来ないと思っている。Vitaの性能的な問題というより、制度的なものと、「LINEの常時接続前提の設計」がVitaOSの基本設計と合わないからだと考えている。ゲームと同時起動できるかの問題もあるし。Twitterもゲームプレイ中に自動的にタイムラインを更新したりはしていないし。たぶん無理だと思う。


まとめ

前回も書いたが、多機能とはいえ電話機であるスマホと、ゲーム機であるVitaは必要とされる機能やサービスが異なるワケで、単純な意味での「スマホとの比較は意味がない」とは判っている。

でも、発売から2年経過したとはいっても「Vitaを持ってないからいまいち違いが判らない。スマホとどれぐらい何が違うんだろう?」と疑問に持つ人は沢山いるだろう。そういう意味において、「あえてスマホと比較してみると」という点で今回もずいぶん強引にまとめている。


Ver.2.00からVer.3.00については、本体機能の細かい点は変わってきているものの、どちらかというと「周辺サービスの変化」が大きかった印象がある。

特にVitaTVの登場自体は製品の性質の違いがあるものの、同じVitaシステムソフトウェア上で動作するアプリ、サービスという意味においてVitaの新たな方向性を生み出したということは間違いなく、この点においても「Vitaスマホはずいぶんと差別化がされてきた」と考えている。


とはいえ、発売からまだ2年。ゲーム機としてはまだまだこれから。


まとめとしては前回までと同じ。

スマホでも出来る」は、逆にいえば「Vitaでも出来る」になればいいなと思うし、サービスの連携も含めて一緒に進んでいけばいいと思っている。そしてその先として「Vitaにはできるけどスマホには出来ないこと」はもっと増えていけばいいと思う。


いや、今回はそれがより明確になってきたように見える。


この変化の傾向は、今後も大いに期待していきたい。

*1:Vitaは通話用電話番号を持たない。

*2:PIM=Personal Information Manager。個人情報管理ツール。一般的にはアドレス帳と呼ばれるもの。

*3:公衆無線LANもずいぶん増えてきたが、相変わらず利用に際しての方法がそれぞれのサービスで異なっており、利用者側の手間が多いという意味で、浸透はずいぶん先になると思われる。