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新型Vitaについての個人的感想。

月曜日(9/9)の「SCEJAプレスカンファレンス」は、リアルタイムでは見れなかったものの、帰宅してから観た録画は驚きと興奮のままの2時間だった。

当日に勢いでいろいろ書いても良かったし、何より「新型は未だ先だと思う」と考えていたので、そこに何より驚いたし、Vita TVの発表にも驚いた。というか、驚きっぱなしだった。*1 *2


とりあえず謝っておこう。出ないと思っててごめんなさい。


なお、PS4の発売日については年末ぐらいと考えていたけど、それより遅かったか~という程度で、別に驚きも無かった。むしろ、日本の市場と海外の市場の違いによる溝は結構深いんだな~と思ったぐらい。もともとPS4はSCEJではなく、(据え置きが強い)SCEAが主体で作ってきたと聞いているし、これは想像の範囲内だったし。*3


で、過去の自分の妄想を反省しつつ、新型Vitaについてと今後のVitaについて簡単に書いておく。

現時点での自分の感想。今後、情報がいろいろ出そろえば変わってくるかもしれない。


あと、Vita TV はずいぶん趣旨も違うのでこれはまた別に書きたい。


新型Vitaについて

新型Vitaの特徴を現行と比較する形で書く。実機を見ていない以上は印象ではなくSPECのみで語る事にする。

Vita現行機と新型の比較
項目 3G/Wi-Fi版(現) Wi-Fi版(新) 備考
シリーズ PCH-1100 PCH-2000  
発売日 2011/12/17 2013/10/10  
サイズ W182.0xD83.5xH18.6mm W183.6xD85.1xH15.0mm 新型薄い、一回り大きい
重量 約279g 約219g 新型60g軽い
画面 5インチ有機EL
960x544(16:9)
5インチ液晶
960x544(16:9)
 
ランプ PSボタン POWER
お知らせ
 
GPS 3Gモジュールに内蔵 なし Wi-Fi時はSkyhook利用
3G通信 可能 なし  
Wi-Fi通信 可能 可能 IEEE 802.11b/g/n
内蔵メモリカード なし 1GB 内蔵と増設分は併用不可
拡張端子 あり なし 新型は廃止
マルチユース端子 独自 MicroUSB
type-B
スマホと同じ
クレードル 充電、音声出力
データ連携
充電、データ連携  
バッテリー DC 3.7V
2,210mAh
不明  

個人的に重要っぽい所を赤字に。この辺りは個人の感覚なので人によって着目点は違うだろうけど。

それについて以降にポチポチと書いていく。

現行機より一回り大きい新型のサイズ

見落とされがちなのが「サイズ」。薄くなっているし、重量も軽くなっているが実際は一回り大きくなっている。

これは、本体の強度的な問題によるものだと考えている。現行機の前面が1枚のフラットパネルではなく、操作部分と液晶部分がセパレートされていたり、金属部分が少なくなっている事などが要因と思われる。

その割に全体的に丸みを帯びた形にしたからか、小さくなった様にも見える。人間の錯覚ってすごい。


60gほど軽いというのは大きいポイントだと思うし、サイズ辺りの話は差も僅かだから、持ちやすかったり使い安ければ関係ないので、結局は好みだろうなとは思うけど。

有機ELから液晶へ

まず最初に注目されるのは間違いなくこれだろうと思う。あえてサイズを先に書いたけど。

個人的にはこれも「最終的には好みの問題」だとは思っているが、有機ELから液晶に変えた事自体は、少し残念に感じている。

無論、この変更によって出たメリットも決して少なくないだろうから否定はしないものの、ゲームを作る側は有機ELと液晶の2つの見栄えや性質を意識して調整しなくてはならない面が出てくるのは否めない。*4


なお、サイズが大きくなった事と薄くなった事とこの液晶になった事は関係していると思っている。(なのでサイズを先に書いた)

今はずいぶん変わったとはいえ有機ELのパネルはねじり強度に弱いのだ。というか、液晶の方がこの辺りはタフい。もちろん、紙の様に曲げられる有機ELなんてものも既にあるので一概に言えないけれども、この辺りは現時点では液晶の方がこなれている。現行機と強度に対してはずいぶん変わっていると考えられる。


薄くなるという事は、それだけねじれが発生しやすいという事。液晶採用の影にはこういう面もあるのかな?と思っている。

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電源ランプの追加

現行機には無かった「電源ランプ」が新型からは付くようになったらしい。

どこについてるんだろう?と思ったら、前面パネルではなく上部パネルみたい。電源ボタンの脇に2つのLEDらしき痕跡がある。縦長になっている事から、通常利用時に前からも多少は見える様にはなっているんだと思うけど、実機を見て見ない事にはよく判らない。

ただ、これは相当クレームというか現行機で問題になったんだろうなと思う。

自分もあった方がいいと思っていたし。これについては結構歓迎したい。

位置はともかく。

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メモリカードの必須化からの内蔵メモリカードの採用

システムソフトウェアのVer.2.10からブラウザ起動時の動画ストリーミング再生に対応した時、メモリカードが必須になった。また、つい最近のVer.2.60からもPC/PS3/nasneにあるコンテンツの再生についてもメモリカードが必要になっていた。

この辺りは、メモリカードの本体同梱版が今後出てくるかもな?と思っていたが、本体に内蔵するという形で対応してきた。まぁ、これは仕方が無いかという感じ。

カンファレンスではセーブデータの保存などと言っていたが、正直1GBでは何もできないと思っていい。現状、ずいぶん多くのゲームタイトルがパッチとして数百MBの単位で配信されており、これらも同じ領域を使う事を考えると、「いちいち消さなくてはならない」という手間になるし、その領域を使ってしまうと先のYoutube等の再生に影響が出てしまう。

というワケで、今後もメモリカードの購入は必須である。

ただ、Vitaを買った直後でメモリカード買い忘れたー・・・というトラブルだけは避けられるという意味で、この形に収まったんだと思う。


買ってきたゲーム機がすぐに遊べないというのはアレだもんね。いろいろと。

追記(2013/10/11)
そういえば、今年に入ってから「Vitaカード保存」に比べて「メモリーカード保存」のゲームが明らかに増えてきていたし、この辺りもこの判断に関係していたのかも。

クレードルの変更と音声出力不可

現行機のマルチユース端子には音声出力が出来る機能があったが、USBに変更になったことで、これが出来なくなった模様。

充電やデータ連携という意味では、USBケーブルが使えるという点で便利ではあるが、現在クレードルからスピーカにつないでいる人もいるであろうことを考えると、少し残念な仕様変更というか。

実機を見て見ないと判らないが、新型のクレードルとヘッドフォンのジャック位置は被る様に見えるので、同時使用は出来無さそうだし。


Bluetoothでスピーカーに繋げってことなのかもしれないけど、遅延とか無い訳じゃないし、そもそもBluetoothのスピーカーなんて持ってる人そんなに多くないと思うので、これはこれでいろいろアレだなーと思ったり。

3G版は現行機、Wi-Fi版は新型機

新型で発表されたのは全て「Wi-Fi版」であり、3G/Wi-Fi版については今後も現行機での提供となる。

そういう意味では、現行機が新型機に置き変った訳ではなく、併売となるワケで、若干重量がある事を除けば、「現行機の方がいい」という人もそちらを継続して買う事が出来る。

というか、ここで3つの疑問が出てくる。

1つ。そもそも同じモデルで複数のタイプがある事が混乱を生んでいたのではないのか?だから値段を揃えたのではないか?(2月の値下げ)

2つ。現行機は見た目がほぼ同じデザインだったから生産ラインも共通化出来たろうが、全くデザインが異なる以上、同じ生産ラインでは作れない。今後もこれは継続していくのか?

3つ。海外では現行機の値下げをしたばかりだし、今後も現行機での提供だと思われるから、この辺りの計画ってどうなってるの?海外で現行機のWi-Fi版を手に入れちゃう人もいるから市場は結構カオスになるよね?*5

と。

携帯機の市場がかなり大きな日本の特例にも見えるが、この辺りの今後のロードマップ的な物が見えてこない気がする。

まとめ

正直、現行機を持っている人が新型機に買い買えるメリットは殆どないと思う。*6

バッテリーの持ちが良くなるとか、薄く軽く携帯性に優れている!とか、全体的に持ちやすく(ボタンも操作しやすく)なるとか、液晶の方が好き!とかカラーリングが好み!!とかスマホと同じ充電ケーブルが使える!いう以外では基本的な部分で何も変わっていないので。そこが重要なら話は別だけれども。


ただ、カラーバリエーションが増えた事や、オリジナルデザインも一気に発表された事を踏まえても、今後よりカラーやデザインに手を入れたものが出てくるであろうことは想像に難くない。そして、これらは新型で行われ、本体だけを買うよりも、様々な物がセットされた形でより安価に買えるであろう。


そういう意味で廉価版に見えなくも無いけれども、機能的な面で同じ事を踏まえて今回の新型は「現行機のバージョン違い」ではなく実際の所は「バリエーション」でしかないんだろう。だが、いろんな要因から考えても「今後の主流は新型になることは間違いはない」と思う。


そもそも現行機の発売からまだ1年と10ヶ月。あまりにも早い新デザイン。

そう考えればこのデザイン現行機と合わせて当初から検討されていたものの一つなのかもしれないし、それならそれでちょっと面白い。もしかしたら最初からこのデザインで発売されていた可能性もあったと思えば。*7


そんな平行線世界を妄想しつつ、改めて別記事で Vita TV についても考えてみたい。

ワクワクするね。いろいろと。

追記(2013/10/3)
先日、家電量販店に展示してあった新型Vitaを試遊してきた。個人的にいろいろと言いたい事はあるけれども、「有機ELとの違い」については「やっぱり液晶なんだな」というのが率直な感想。
ただ、こういう言い方もアレだけれども、これからはじめてVitaを買う人にとっては「今まで有機ELである事が購入するきっかけになっていなかった以上は液晶と有機ELの違いは気にしなくてもいいのでは?」とも思う。有機ELも決して万能ではなく、普段見慣れている「液晶」の方が安心できるとか見やすいという人も居るだろうし。それ以外ではデザインの好みと3G機能の無いWi-Fi版のみという事にこだわらなければ、新型Vitaの方がいろいろと使い勝手は良いと思う。
現行機で満足している自分としては、特に買い替えの予定はないです。まぁ、3G/Wi-Fi版は現行機併売だし。色は黒だけだけど。
追記(2013/9/11)
今(19時頃)、ソニーストアをチェックしたら現行のWi-Fi版(PCH-1000シリーズ)はラインナップから消えていた。新型のWi-Fi版(PCH-2000シリーズ)と、現行の3G/Wi-Fi版(PCH-1100シリーズ)のみに。3Gは黒しか残ってないからなぁ。ちょっと残念。

*1:以前、「Vitaは単独3年で採算がとれるハードウェアデザイン」という話も聞いていた。もちろん逆ザヤと言う訳ではなく、開発費の分をペイ出来るのにそれぐらいかかるという話だと思っていた。結果として1年と10ヶ月で新型が出るし、亜種ともいえるVita TVも発表された。ハードウェアの販売台数は低迷ともいえる状況ではあったが、今年2月の値下げでソフトウェア(特にダウンロード販売)が予想以上に売れているという話もあり、この辺りの採算の見直しで計画を前倒しにしたのかも知れない。

*2:そもそもベースとなる現行のVitaのハードウェア設計があったとはいえ、新型Vitaも設計に時間がかかっていたであろうことを考えれば、むしろ1年10ヶ月は短すぎるぐらいであり、かなり前から設計は行われていたと考えると、デザインとして複数プランがあった可能性は高い。そういえば、発売直後に開発者インタビューで「Vitaはもっと薄くなる予定があった」という記事を読んだ記憶があるので、これらも現行発売前からデザイン自体はあったのかも知れない。

*3:PS4との連携の関係があるので、PS VitaもSCEAの意見は強く入っていると思っている。

*4:有機ELの特徴の一つであるコントラストの強さが味になるゲームについては、その雰囲気が損なわれることになるし、自己発光の特性によって画面が浮き上がるように見えるのも、液晶では全く逆の雰囲気になる。液晶は全体的にやわらかい色合いになるのでそれが好み、見慣れているという人にとっては見やすい画面になるワケで、一概に否定するつもりはない。あくまでも個人的に残念という意味。

*5:海外は海外で3G版の通信キャリアとの契約が国内とは違う形であるだろうから、この辺りの事情も現行機種を継続する必要性などがあって新型を投入できない面倒があるんだろうと推測は出来る。

*6:一応、自分の判断を書いておくと「自分は有機ELの現行Vitaで、ボタンなどの不満点はあるものの、前面のデザインも含めて気に入っている」ので買い換える気は全くないです。大切に使いたいと思います。現行黒のWi-Fi版は。

*7:そういえばVitaのデザインは発売当時から「もっと薄く出来た」(したかった)的な話があったから、これも一つの変更としての規定路線なんだろうと思う。