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続・Vitaとゲームの録画機能

久しぶりに長文。いや、超長文。

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今から1年と5ヶ月程前に、上記の様なタイトルで記事を書いた事がある。

先日(7/18)、ニコニコ動画のアプリがVer.2.00にアップデートされて「生放送」に対応した。ゲームの録画ではなく、あくまでもVita内蔵のカメラ映像の生放送としてだが。

Vitaの発売日から飽きもせずにVitaについての情報をダラダラと書いてきたこのブログとしては「ゲーム動画の生放送配信は基本的に出来ない」(難しい的な意味)と、上の記事内でもまとめた通りに。Vita単体では。


単体でなければ?という可能性について、「画面出力対応のクレードルが出るかも」なんて事も書いたし、今でもその妄想を否定する理由が無いので、意外とあきらめてなかったり。

そんな感じで冒頭から長く書いたけど、あれから1年と5ヶ月を経過した今となって少し考え直して見るとどうなるのか?という事をいくつか書いてみたい。


いつもの通り、「これは妄想です」のでご注意ください。


生放送配信の開始と動画投稿の未来と

前回の記事では、今後Vitaでの動画投稿や配信はこんな風になるかも?と想像した。(以下枠内は前回記事より引用)

生放送
ゲームプレイ生放送というより、VitaをUSBカメラ代わりにし、パソコンなどを使わない生放送スタイル。持ち運びも出来るので、室内だけではなく屋外からの実況なども可能。
ビデオ投稿
Vitaをビデオカメラ代わりにし、日常風景などを撮影して投稿するスタイル。パソコンではないので編集は出来ないが、撮影から投稿までをVitaだけで完結できる。
ゲーム実況
Vitaのゲームプレイを(ゲームソフトの対応により)動画として録画し、プレイ動画として投稿するスタイル。編集は出来ず、動画内にはコピーライトも入る。マイク音声の合成による実況は可能。
編集動画(MAD)
ビデオ撮影した動画や、ゲーム実況として録画した動画は、動画ファイル(MP4)として出力されている為、PCに取り込み編集してから投稿するスタイル。今までと近い形になるが、録画装置は不要で、画質などの改善は見込める。

この内、「生放送」については冒頭に書いた通り、「ニコニコ」のアップデートでめでたく対応された。

それ以外の3つについて、次からいろいろ書いていく。


Vitaでの「ビデオ投稿」

技術的には「ビデオ投稿」も「Vitaのカメラで撮影」の部分は既に可能。これはVer.1.60での対応であるから、ずいぶん前の話。

撮影した動画は、コンテンツ管理でPCに移動させる事も出来たし、それ経由であれば普通に動画投稿をする事も出来た。生放送、中継という形ではないが、Vita単体でなければビデオ投稿は今までも出来た。

なので、あとは「ニコニコ」なり「Youtube」なりが動画投稿に対応してくれれば可能なのにな~と思っている。

もっとも、そもそもVitaの標準「ブラウザ」で出来てもいいかもね?という気がするので、動画ファイルのアップロードという形で「ブラウザ側で対応する」という可能性もあるけど。


とはいえ、この「ビデオ投稿」についてはちょっと言いたい事があるので後でもう一度触れる。


Vitaでの「ゲーム実況」

Vitaにはスクリーンショット機能があり、またその機能はゲーム側でソフトウェア制御出来る事が判っている。

ただ、最近になって(個人的に)問題だな~と感じたのが以下の点。

「メモリカードのアクセス速度」

ゲーム実況を「録画」して保存する事を考えると、保存先は当然メモリカード側になる。ゲーム側が頻繁にデータのアクセスを行う場合、いくらメモリカードが速いとは言っても読み書きが混在するとさすがにいろいろと問題が出てくる。特に書き込みが連続するという場合には。

推定ではあるが、スクリーンショットの機能と同様に動画を録画する場合にも動画ファイルの保存処理を行うのはゲーム側のリソースでは無く、システム側のリソースを使うと思われる。

たとえばSkypeはカメラの映像をTV電話よろしく送る事が出来るが、ゲーム起動中でも割り込みで利用出来ていることから、これはゲーム側のリソースを使わずに実現していると考えられる。

しかし、セキュリティーの観点からもメモリカードへのアクセスはゲーム側もシステム側のリソースを使うであろう事を考えると、動画のファイル保存が継続して行われる状況はゲームの処理に影響する可能性があると考えられる。

たとえばフォトカノKissは、アルバムデータの自動保存機能があるが、これを使うと写真撮影をしたタイミングでBGMの音割れが起こる事がある。写真データの保存と次の処理の為の読み込みがバッティングして処理に遅延が起きているんじゃないか?と考えている。

となると、「ゲームをプレイしながら動画を録画する」というのは結構難しいんじゃないか?と考え直すに至った。


ただ、現実的なところとして以下の方法は可能性があるかな?と思った。

Vitaでのゲームリプレイ動画

プレイ動画や実況動画ではなく、ゲーム側に持つ「リプレイ機能」などが「動画出力に対応する」という形。
対戦格闘ゲームやアクションゲーム、レースゲームなど、1回のプレイ時間が比較的短く、ゲームによっては今でも「リプレイ機能」を持っている事から、この再生中に「動画出力」を行う。

この方法だとプレイ中の音声実況は入らないので、別録りになるだろうけど。*1


とはいえ、この「ゲーム実況」についてはちょっと言いたい事があるので後でもう一度触れる。


Vitaでの「編集動画(MAD)」

これは先の2つの段落、「ビデオ投稿」と「ゲーム実況」が出来た上でPC上で編集するという話だった。

なので「Vitaでの」と頭に付く場合には「出来ない」として良いと思う。たぶん、Vitaには「動画編集機能」は出てこないし、そういうアプリも今後登場する見込みは低いと思う。

ニコニコのアプリが生放送をしながらスタンプで埋めたり、放送中断中のイラストを表示させたり、文字を入れる等の画面を編集するという機能を持っているが、これは全く別の話。

「編集動画(MAD)」という意味では、複数の動画をつないだり、タイトルや文字や音を入れ替えたり、エフェクトで加工しながら動画編集をするという意味になるので、これは出来ないと考えてよいと思う。

いずれにせよ、「ビデオ投稿」(による動画ファイルの保存)と「ゲーム実況」(による動画ファイルの保存)が出来ていたら、あとはPC上でどうするか?であり、そこまで出来ていれば今でも出来るという話なので、これはここでおしまいとする。

まぁ、動画の編集という意味で「一部切り出し」とか「動画ファイルの連結」なんかが出来たら便利かな?とは思うけど、メモリカードの容量が足りないとかいろいろ言われてしまう携帯ゲーム機で出来る意味はそれほど無い気がするので、「そういうのはPCでやればいいんじゃないかな?」という結論にする。


PS4との連携による「ビデオ投稿」と「ゲーム実況」の可能性

ここから先は完全なる妄想なんだけど、PS4との連携って「PS4のゲームがVitaで遊べる」だけじゃなくて逆も出来ないかな?という発想。いや、妄想。

PS4には現在発表されている機能として「SHARE」がある。

コントローラーにある専用のボタンを押すと、PS4のゲームが録画されるという機能。録画についての詳しい条件というか情報が未だ少なくて、具体的な方法や内容は良く判っていないものの、ゲーム側が許せばシステム側での録画となる模様で、そういう点ではVitaスクリーンショットと同じ感じになる。


もし、である。

「PS4にVitaのゲーム出力機能が登場したら出来る事いろいろあるんじゃないか?」

という。

なんかこれだけだと具体性が無くてよく判らないが、想定イメージの例をいくつか挙げると意味が判ってくるかもしれない。

PS4のVitaゲーム出力機能(妄想)
TV出力
PS4側でアプリを起動し、Vita側のゲームからPS4に接続して連携。Vitaのプレイ画面はそのままPS4を通じてTV画面に出力される。ゲームプレイ自体は基本的にVitaで行う。当然、VitaとPS4はWi-Fi経由で接続される。*2
ゲーム実況(ゲーム録画)
上記「TV出力」の機能を受けて、PS4でゲーム実況プレイとして録画する。PS4のSHAREボタンと同じような機能として、録画の開始と終了はVita側のゲームで制御される。音声はVitaのマイクからもとれるので、実況も可能。
ゲーム実況(生放送)
上記「TV出力」の機能を受けて、PS4でゲーム実況プレイを生放送として配信する。配信自体はPS4の機能を使う。生放送にはコミュニケーション手段も必要となる為、専用アプリケーションとなる。

こんな感じで。完全に勝手妄想。


Vitaのゲームである以上、ゲーム出力の制御は全てVita側のゲームが行う。PS4側は「映像入力チャネル」の一つとしてVitaからの受け付けるだけ。

Wi-FiVitaの高画質な映像飛ばせるのかよ?!」という気がするが、それは逆に言えば「(リモートプレイで)PS4の高画質な映像をWi-FiVitaに飛ばせるのかよ?!」になるし、それについてはPS4からVita側は既に公表されているので問題が無いと思う。カメラの映像に限るけれども、先日アップデートされた「ニコニコ」ではWi-Fiでの生放送を実現しているワケだし、それ以前からSkypeでも出来ていたし。ついでにいえば、torne経由でみるnasneの映像だって十分に綺麗だし。*3

無論、エンコードとデコードの処理負担的な違いがあるから出来る保証は無いけど。


妄想PS4配信とニコニコの違い

以前からニコニコ動画側は「ニコニコ」のアプリはゲームの実況生放送には対応せず、ゲーム側に自社で開発した生放送対応のライブラリを埋め込んだ上で、ゲーム側の機能として対応すると発表している。

それはまぁ、当然といえば当然で、そもそも「ニコニコ」はVitaのゲームモードで起動するアプリなワケで、排他的に1つしか起動できないゲームモードでは、ゲームと同時に起動して使えるものではない。

そう、ゲームやアプリは直接通信をすることは出来なくて、Vitaのシステムソフトウェアを通じて連携する必要がある事を考えても、サービスを利用するしかない。

ここでいう「サービス」とは、Vitaの3つのモードの内の一つでゲームでもアプリでもない3つ目のモードで動くプログラム。

1年以上前に書いた記事なのでずいぶん感違いしている事も入ってるけど、サービスについての説明はこの記事でしてる。

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このサービスをニコニコが(アプリのアップデートとして)提供し、ゲーム側がこのサービスと連携する機能を実装すれば、現在「ニコニコ」が行っている「生放送」の仕組みでゲームの実況が出来るという形になると思われる。(ニコニコ動画へのログイン処理が必要となる為、「ニコニコ」のインストールおよび設定は必要が前提)*4


ニコニコの「サービス」と別にPS4用の「サービス」が実装されれば、接続先がニコニコ動画のサーバか、PS4かの違いだけで同じような事は出来るハズ。

無論、PS4が無ければPS4のサービスは使えないワケだし、PS4側のSHARE機能で利用出来る動画投稿サイトはニコニコとは限らないだろうから全く別として存在するハズ。


だが、だとすると問題はゲーム側。あくまでもゲーム動画の配信が許可されるという前提だったとしても、同じような動画投稿に関する機能・サービスが2種類あっても実装するのが大変なだけだ。


今回の妄想では、PS4側との連携については「TV出力」の機能だけにした。そこから先はPS4側での対応を前提として書いてある。なので、双方向的な意味でのインタラクティブ性は特にない。

しかし、現在発表されている「ニコニコ」のゲーム実況(生放送)については、インタラクティブ性を非常に高く意識して説明されている。実際、「wコメント機能」については双方向性を意識したものであり、一種のゲームになっている。「アンケート機能」もあるし。

なので、この2つはこのインタラクティブ性の面でも全く違うと解釈できる。


なお、ニコニコ動画の方は、「コメントやアンケートの結果でゲームプレイを変化させるという事をしたい」と、当初の発表の時からコメントしていたし、今回それの一つの形として実際に見せてくれたと考えている。(ゲーム配信中の画面内でwコメントの草刈りがしたい訳ではないが、ゲーム内にコメントが影響する可能性の体現として非常に興味深い)*5


まとめ

長くなりすぎたのでこの辺でまとめ。何度でも書くけど、これは個人的な妄想。

「ゲームの録画機能」という意味では、「PS4」の「SHAREボタン」の発表によって「Vitaでの可能性も高くなったかな」とずいぶん軽く考えている。

また、昨今(ニコニコ動画などでの)「公式生放送」や「公式イベント」でゲームプレイ動画を募集していたりする事もあるし、そういう動きも(一部のゲームでは)出てきた。

なので、この辺りは今後、それほど遠くない内に大きく動きがありそうな気がしている。


無論、PS4は最初から録画専用の機能をソフトウェア、ハードウェア共に実装してくるという事もあるし、Vitaの現状とは違うのでゲームの録画という意味では決して「出来ると確信した」と言えない状況なのも確か。Vitaのメモリへの書き込みのバッティングも含めた、リソース面での影響も決して無視できないし。


でもそれをそれと理解した上で、システム側で対応したと考えた後の問題は「ゲームメーカー側の機能の実装」だ。

いくらシステム側が出来るとはいっても、ゲーム側が対応(許可)しなければ勝手に録画や配信をしていいものではない。だからスクリーンショットもゲームタイトル毎、タイトル内でも制御が行われて来ている。

言うまでも無く、それらの実装でゲーム自体がプレイしづらくなったり、そもそも開発が大変になったら本末転倒なので、どこまでで妥協するかという面もあるだろうし、技術的な所はシステム側が担保してくれるという大前提が必要だ。でなければ、ゲームを作る側が積極的にこの機能を入れる理由が無いワケで。


今回の話、「PS4に期待したいのか、ニコニコに期待したいのかどっち?」という感じだが、正直「どちらも期待している」というのが本音。上にも書いた通り、Vitaに関してだけ言えば全く別だと思っている。まぁ、まだ発売もしていないPS4側の話は現実性、実現性よりも妄想分が多すぎる気はしているけど。そういう意味では出来たら面白いのにな!程度の話。

ニコニコの方は生放送に対応したという意味でも、以前から現実的な話が出ているという点でも可能性はずいぶん上がったかなと思っている。


PS4発売の前ぐらいの時期に、この辺りの具体的な話がなんか出てこないかな~と期待している。さすがに妄想が過ぎる話だと思ってるけど。*6

追記(2013/7/31)
本記事の内容と直接関係あるものではありませんが、インタビュー記事がありましたので参考までにリンクしておきます。
追記(2013/8/15)
ゲームの録画と直接は関係ありませんが、「Vitaのプレイ画面の外部出力」という意味で興味深い事例がありましたので、記事にしてみました。
Vitaと無線プロジェクターのデモ?
追記(2014/7/25)
半年ほど前の話になるけど、「リプレイ動画」に該当するような感じで実装したタイトルがあったので追記。その時の記事がこちら。⇒ うた組み575の動画出力機能の実装と妄想 (2014/2/14)

*1:音声と言えば、ゲームによっては「カスタムサントラ」に対応しているゲームがある。システム的には音を混ぜて再生しているダケだが、この機能とゲームの録画を考えるとゲームの録画中はカスタムサントラは利用できないなどの機能制限や制御が必要になってくる。静止画であるスクリーンショットでは見えてこない問題もある。

*2:PS4との接続については、アクセサリー端子やマルチユース端子を利用する可能性もあるとは思っている。オンラインゲームがWi-Fiで接続される事を考えると、Wi-Fiに両方の情報を流すのは非常に無理があると思うので。

*3:ゲームとして見た場合のFPSが担保されているか?という点はあえて無視している。それは今後PS4が発売されて具体的に見えてくる話で、今回はさらに逆の話だから正直かなり妄想寄りの話。

*4:現在この手の連携の例が無い為、実現性については非常に未知数である。サービス自体もゲーム側に取り込むという可能性もあるが、その場合にニコニコのアカウントの連携はどうするのか、ゲーム毎に設定がいるのか?などの問題も出てくる。TwitterFacebookVitaのシステムソフトウェア側に登録出来るのでこれを利用出来るが、ニコニコ動画のアカウントの登録は個人的には無いと思っている。

*5:もっとも、ゲームプレイ中にコメントが流れるという状況は、プレイする側としては結構大変というか邪魔なので、この辺りの画面デザイン、UI設計も非常に重要になってくる。単に繋がればいいって話でもないし。自動読み上げソフトがある訳でなし。

*6:余談として、今回のまとめ的な結論をしても(PS4を使わない)「VitaでのTV出力」については今でも期待している。専用ケーブルじゃなくて専用クレードルでもいいので。出力の制限はゲーム側で制御出来る前提で。