Vitaとアクションゲーム内コミュニケーション問題
ブログ内では特に書いてこなかったけど、自分がハンティングアクションゲーム(通称:狩りゲー)好きというのもあるので、個人的に注目度が高かった「討鬼伝」が先週発売(6/27)された。
当然、アクション体験版の第一弾の配信からダウンロードし、アップデート、引き継ぎ体験版を経て、「引き継がないで」製品版を1から遊んでいたりする。
えっ?フォトカノはどうしたのかって?
あ、そちらも引き続き遊ぶ予定です。DLC続いているし、そもそも討鬼伝の世界には「古」から「乱」まではあるけど、「現」(現在)はないでしょ?(意味不明)
という戯言はとりあえず置いておいて、以前こんな記事を書いたことがある。
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- Vitaとゲーム内コミュニケーションの相性問題 (2012/10/29)
この時は「Vitaってオンラインゲーム多いよね」って感じでいろんなジャンルで書いた訳だけど、それから8ヶ月。当時は予想もしなかった「共闘先生」なんてCMキャラクターも登場するぐらい、Vitaにおける共闘という名のオンラインマルチアクションゲームというジャンルは、かなり集中的に発売されていてかなり特徴的な様相になってきている。
そんなワケで、この「オンラインマルチアクションゲーム」というなんだか漠然としたジャンルに限って「オンラインコミュニケーションの実装状況」を改めて整理してみようかな?と思ったワケで。
共闘なタイトルはまだまだ続く訳だし、この段階でしても面白いと思うし。
ゲーム内コミュニケーションは6種類(再掲)
前回もまとめた表を今回も改めて書いてみる。一部を除いて前回とほとんど同じ。変更点は太字にしている。
Vitaのゲーム内コミュニケーションの種類
- ボイスチャット
- 正確にはゲーム内ではないが、Vitaの機能(パーティー)を使ってゲームをプレイしながらボイスチャットを行うという方法。2013年5月末に行われたSkypeアプリのアップデートで、Skypeユーザともゲーム中に通話が可能になった。一応、Vitaはマイクが本体についているので特にヘッドセットなどを買う必要はないが、マイクの感度があまりよくないので、別に用意する方をお勧め。
- メール/掲示板
- ゲーム内の専用メール(メッセージ)システムや、掲示板などのシステム。Vitaの付属するグループメッセージングとは別。ゲーム内の完全にクローズドなコミュニケーション。相手がオフラインでもメッセージの送信は可能であり、オンラインの場合はほぼリアルタイムのやり取りを行うことも(システムとしては)可能。
- テキストチャット
- ゲーム内の部屋やロビーなどで行うテキストによるチャット。ソフトウェアキーボードを利用して入力する。現在、Vitaではハードウェアキーボードには対応していないので、ある程度の慣れは必要。なお、メッセージ内のNGワードチェックは結構シビアに行われており、よく伏字になることがある。
- 定型文チャット
- ゲーム内の部屋やロビー、ゲームプレイ中などで行う定型文によるチャット。ソフトウェアキーボードは利用せず、専用のメニューやボタン操作・画面タッチなどのショートカットで入力を行う。定型文の為、ゲームによっては「音声対応」している場合もある。
- エモーション/アクション
- ゲーム内のキャラクターに身振りや手振りなどのアクションを行わせたり、文字ではなくアイコンなどで感情などを表現するエモーション。専用のメニューやボタン操作・画面タッチなどのショートカットで入力を行う。基本的にプレイ中などのリアルタイムで利用する。会話の独自性を出すためにイラスト(シンボルアートなど)を登録して利用したり、感情表現として吹き出しの形を変えたりする機能もこれに含まれる。
- 非リアルタイムコミュ
- プレイヤー間は全く独立して非同期な状態となっており、相手キャラクターに対する何らかの操作により、その操作結果を相手に非リアルタイムで通知する。自分の行動そのものは相手には直接伝わらず、相手の行動も直接的には受け取らない。ただし、同じ非同期ではあってもメールやメッセージなどとは異なり、特に文章などの入力は行わず、あくまでも結果・行動のみが通知されるコミュニケーション。
と。
無論、1つのゲーム内で組み合わさっていることもあるし、若干違うということもある。
相変わらず「非リアルタイムコミュ」はよく判らないという部分に思われるかも知れないが、例は前回の記事にも書いてあるし、大ざっぱに言えば「他の5つに当てはまらない非同期なコミュニケーション」としか言いようが無いワケなんだけど。
では、次の項目で今回のメインの話となる「狩りゲー」で比較してみたい。
Vitaの狩りゲー・コミュニケーション対応状況
Vitaで発売済みの「オンラインマルチアクションゲーム」のタイトルでまとめて見る。たぶんこんな感じ。一部、未発売の為「予想」を含む。
コミュニケーションの種類別タイトル(例)
タイトル ボイスチャット メール/掲示板 テキストチャット 定型文チャット エモーション/アクション 非リアルタイム ラグナロクオデッセイ ○ ○ サムライ&ドラゴンズ ○ ○ ○ ピコットナイト ○ ○ 地球防衛軍3P ○ ○ ファンタシースターオンライン2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ソウルサクリファイス ○ ○ 討鬼伝(※1) ○ ○ ラグナロクオデッセイエース(※2) ○ ○ ゴッドイーター2(※3) △
- ※1 : メーカーよりアップデートの可能性について検討中と発表あり
- (2013/7/12) Ver.1.03 にて定型文チャット機能が追加
- ※2 : 現時点では未発売の為、あくまでも筆者の推測による記載
- ※3 : 現時点ではインフラストラクチャー機能はVita版においても無しの為、参考として記載
- ボイスチャットについては、Vitaの標準機能となるため特にゲームを限定するワケではない
- テキストのメッセージについては、Vitaの標準機能でも利用可能だがオンラインプレイ中のゲーム内機能としての保有で整理
こんな感じだろうか。
一部、「共闘先生」と関係ないものも含まれているけど、「わかりゃいいのよ要するに」の精神で表としては比較対象が多少あった方が面白そうなので勝手に入れてみた。
細かいことはいいんだよ。
あと、アドパ(アドホックパーティー)対応かどうかとかは気にしていない。そもそもアドホックパーティー自体は、「アドホック通信」が出来ることだけが機能要件であり、アドホック通信は本来近接通信で「その場にみんな集まって」が基本プレイスタイルなので、そもそもゲーム内でのコミュニケーションは不要なワケで。なので、上記の表は基本的には「インフラストラクチャモード」としての利用で考えている。
細かいことはいいんだよ。いや、そこは細かい。
ゲームのジャンルが「リアルタイム」にこだわる必要があるので、欲しいもの、必要な物がある程度見えてきた・・・と思う。
まとめ
今回は冒頭が長かったのでさっさとまとめに。
こうしてみると、元がPC版だったという事もあるが、「ファンタシースターオンライン2(PSO2)」は異常だな~という事が判る。そして、それが強みでもあるワケで。
だが、だからこそVitaでBluetoothキーボードが使えないというのが不満として上がるのが良く判る。
そして、同じくキーボードという意味では、今回発売されたばかりの「討鬼伝」は(将来的にアップデートが期待されているものの)現時点ではPSPとのオンライン共闘を前提とした設計だったためか、Vitaのソフトウェアキーボードすら使えないという問題があり、当然それではテキストチャットなど論外なワケで、実際かなり不満点として上がってしまう。
あ、話は脇道にそれるけど、フォトカノKissも元々がPSP版だった為か、キャラクター名がVitaのソフトウェアキーボードではなくて独自入力形式だった。討鬼伝と同じで。キャラクター名ぐらいであれば、最初だけだし、漢字が探しにくいぐらいでむしろキャラクターメイキングという意味でそのゲームの世界観に合わせる必要があるから、それはそれで仕方ないというかいいと思う。コミュニケーションとなると話は別だけど。
話を戻すと、今後発売が予定されている「ゴッドイーター2」も、PSPとのマルチ、共闘が可能という事を考えると、テキストチャットは期待が薄い。ゴッドイーターバースト(GEB)では、アクションがあったので、それは引き続き期待は出来るものの、あれもフェンリル支部のロビー部分だけでしか利用できなかったので、出来ればクエスト中でも利用できるようにして欲しい。それぐらいは期待してもいいかなと思っている。*1
「機能として欲しい」と「使いやすいか」は別問題。
特にアクションゲームという「その瞬間の判断、コミュニケーションが戦局を大いに左右する」というゲームの場合は意思疎通はスマートかつスムーズであればある程良い。
最初と最後の挨拶はもちろん、クエスト開始前の作戦(雑談を含む)も大事だし、クエスト中の状況変化に対応する為のコンタクトも大事だ。*2
リアルな友達であればボイスチャットという(大騒ぎして親に怒られない程度の環境面での配慮は必要だとしても)選択肢もあるが、オンライン上のフレンド、ましてや野良プレイなどの場合はボイスチャットは未だに抵抗がある人も少なくないだろう。いや、むしろそこも安易に「ボイスチャットでいいだろう」では済まされない大事な部分。
Vitaというハードウェア制約がある中で、今後どういう形になっていくのかというのは個人的にとても興味深く感じている。
あと2年ほどすればこの辺りも「これが出来て当たり前」ぐらいの雰囲気に、最低ライン的な物が出て来て、ゲームのジャンルとしてのコミュニケーションが確立してくる・・・かも知れないと、ちょっと思っている。
それも楽しみ。
- 追記(2013/7/12)
- 「討鬼伝」が Ver.1.03 にアップデートされ、オンラインコミュニケーション機能が変更になりました。定型文チャットが追加になっておりますので、上記表は修正しています。