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Vitaと電子攻略本の未来

以前、以下の様な内容の記事を書いた。

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攻略本に求められるものは何なのか。ゲーム本体のダウンロード版普及が進む中で、攻略本だけは紙として残ることになるのだろうか。

現在発売中のVitaのゲームについては、パッケージ版であってもかなりの数でオンラインマニュアル化が進んでおり、実質箱を開けると紙は注意書きぐらいしか入ってないというパターンも多い。むしろ淡白なほどに何も入っていなくてそもそもパッケージである意味があるのか?ぐらいの拍子抜けさを伴うほどに。


ただ、これは以前の記事でも書いたが、紙への印刷の手間軽減だけでなく、将来的に大型パッチなどで機能が改善されたり追加されたときに、マニュアルも含めてアップデート版が配布できるというメリットもあるワケで、電子化は必然ともいえる部分。店頭に置いてあるものが古いパッケージでも更新してしまえばなんの問題もない。

とはいっても、パッケージがすかすかというのは少々寂しさもあるので、個人的には「せめてマニュアル以外の何かをつけてもらえないだろうか」的なことは考えたりしている。ファンブックだったり、設定資料集だったり、映画のフィルムだったり。最後のは違うか。

このあたりの話は特典とか絵本の話とかと絡むので、また別の機会に書いてみたいと思うが、今日はそのあたりの電子マニュアルと電子書籍の話を改めて掘り下げてみたい。


いうまでもなく、いつも通り妄想全開の内容で書いてあります。妄想。


Vitaの簡易電子ブックリーダーは使いにくい

そもそも、Vitaの本体マニュアルがWebブラウザによるオンラインというガッカリ仕様なのは、未だに納得できていないワケだが、これに対してゲームのマニュアルについては「簡易電子ブックリーダー」的なものでオフラインでも参照できる安心仕様だったりする。

当然、ブラウザと違ってゲーム中に起動することも出来るし、逆にゲームを起動していなくてもゲームごとのLiveAreaにアイコンがあるのでいつでも気軽に見ることが出来る。まぁ、そこまで何度も見たいマニュアルというのは滅多にないけど。

ただ、「ゲームをお店で買って、家に帰り着くまでの間にワクワクしつつ電車の中でマニュアルを読む」という事は出来なかったりするので、気軽ではあるけど時代は変わったのよね、という気もする。

もっとも、ゲームのマニュアルは「最初しかみねぇよ」「そもそもみねぇよ」という人も多いであろう事を考えると、ゲームのマニュアルの存在意義ってなんなんだろう?と思う事もしばしば。

特に、ゲームが親切設計になればなるほどゲーム中で説明してくれたり、チュートリアルが丁寧だったり、メニューが充実していたりと、結果的にマニュアルを読む理由がなくなり、そもそもマニュアルなんて不要だろう?という声は今に始まった話でもVitaに限った話でもなく、昔から結構議論はある。議論ほどじゃないか。


そんな中で発売された「P4G」については、パッケージで買っても紙のマニュアルは付かないという点で、Vitaの他のソフトと変わりは無いものの、個人的に興味深かったのは電子マニュアルの最後のページに「ペルソナ合体表」が付いていた事だった。

「あ、これって普通は攻略本とかに付くようなものだよね」

と。

とはいえ、もともとのゲーム内容的に機能が豊富だという事も合わせて、全64ページもある非常にボリュームの多いマニュアルであり、素直に感心した。というか感動したものだった。


ただ、残念なのはVitaの仕様の方の話で、「簡易電子ブックリーダー」がかなりダメ設計で、拡大縮小は一段階で出来ないも同然だし、目次があってもページジャンプは出来ないし、ページリンクの機能も、ページジャンプの機能も無い。

ページ数が多ければ多いほど、情報が充実すれば充実するほど参照性が悪くなるという。

せっかくステキで役立つすばらしい電子マニュアルなのに、使い勝手が良くないのだ。

追記(8/29)
Ver.1.80において、「任意倍率での拡大縮小」と「ページジャンプ(スライダー)」の機能が追加になりました。ここに上げた不満としての使い勝手は改善されたことを補記します。

Vitaにおける書籍攻略本と攻略Wikiのジレンマ

そんな中。先月の下旬頃、完全版!と名高いP4Gの攻略本が発売された。総ページ数は400頁を超える。

とても重く、分厚い書籍だ。攻略チャートの小冊子もついてくる。

実は買おうかな?と思ったんだが、未だ買っていない。P4Gは3周目を遊んでいるぐらいだからむしろ買った方がいろいろよい気がするんだけど、なんか、こう、せっかく手軽に持ち運べる携帯ゲーム機であるVitaで、持ち歩くのには不向きなほどの大きさの攻略本が不釣合いで買っていないのだ。


また、昨今ではインターネットの一般化で攻略本の発売よりも攻略Wikiの更新や充実が早かったりすることもあり、実際P4Gも攻略Wikiはたくさん確認されている。

が、自分はこれも殆どというか全くというか見ていない。その一番の理由はVitaのブラウザがゲーム起動中に利用できないからで、せっかく気軽に持ち運べる携帯ゲーム機であるVitaで、パソコンの側で必要な情報を検索しながら遊ぶのは、なんか不釣合いでその気になれなかったからだ。

それならスマホでいいじゃん?という話もあるが、スマホのブラウザって情報を読むというか閲覧という意味では特に問題はなくても、リンク情報量が多いWikiみたいな所は、タッチが難しく、誤操作になりやすくて基本的に苦手なのだ。そもそもバッテリー的にスマホをそんなに駆使していたら、あっという間になくなっちゃうし。


一番の理想は「攻略本みたいな情報が電子書籍としてゲーム中に切り替えながら閲覧出来たら楽なのにな」と思った。しかし、攻略本の電子書籍というのはニーズがありそうでいまいち話にあがらない。

なぜなんだろうか。


攻略本と画像情報とファイルサイズ

ゲーム攻略本の電子書籍化というのは、古くから結構話題にはなっているが、現実的には殆ど存在しないというか、実際は全くというほど進んでいない。

前段の通りに現状の書籍での攻略本は、物理媒体であるが故のメリットはあるものの、デメリットも多くあり、特に携帯ゲーム機となるVitaの場合は、デメリットの方が多くなるような気がする。

とはいえ、なぜ実現しないのか?というと、電子書籍化するには情報量が多すぎるというのが何よりの問題だ。

ゲームのスクリーンショットが大量に張られることはもちろん、イラストも豊富でなくては満足感を得られないし、攻略本の肝という意味で各種攻略情報となる表なども大量に存在する。当然、モノクロではなくカラーが望ましい。

そうなると、コンテンツとして考えた場合のデータ量はハンパない量になってしまい、正直現実的ではないんだろうと想像は出来る。

参考にはならないかもしれないが、ソニーが出している電子書籍リーダー「Reader」という製品では、

商品の特長 | たっぷり読める、長く読める

内蔵メモリー約2GB(ユーザー使用可能領域 約1.4GB)を一般的な書籍1冊分のファイルサイズ約1MB、または一般的なコミックコンテンツのファイルサイズ約40MBで計算した理論値です

としている模様だ。

一般的なコミックがサイズが新書判(縦176mm×横112mm)程度なのに対し、攻略本はA5判(縦210mmx横148mm)程度であり、ページ数として倍、サイズとしても1.5倍程度になる。ただし、コミックのモノクロの画質に比べ、カラーの場合はよりdpiを高くしないと見るに耐えなくなることから考えても、攻略本だけで400MB~800MB前後ぐらいまでは軽く行ってしまうのではないか?と、想像できる。

いや、それは無理だってばさ。


まとめ

Vitaでゲームの攻略本が読みたいな~と思いつつも、完全版の攻略本はやはり荷が重いと思われるし、今後もあまり期待は出来ないような気がしてきた。

サイズが大きいがゆえにゲームと同時起動できないというのでは本末転倒な話しだし。

でも、やはり限界を理解すれば、ゲーム機に特化した形でのすごく利便性の高い攻略本が出来そうな気がする。

たとえば攻略本なんかに付属する小冊子部分だけの電子書籍化や、自分でチェックや記録が残せる形でのチャート式書籍や、ゲーム内の自分の進行状況やトロフィーに合わせて情報が増えていく形のネタばれ配慮型とか。


Vitaには、マニュアルを読むための簡易電子ブックリーダー的なものしか現在はないけれども、これとは別にLiveAreaから起動できるDLCとしての電子攻略本という形も十分にありな気がする。

いっそのこと、

  • 初回特典として電子攻略本のDLC配布
  • 書籍攻略本の購入者特典としてDLC同梱
  • プラチナクリア者限定DLCとして電子イラスト集

とかそういう展開も普通にありな気がしてきた。

そんなお話。