オンライン専用ゲームとオートセーブ
個人的な妄想で、過去3つのエントリーを書いた。
- VitaとSENが繋がる先は (2/7)
- セーブデータ連携とタイムラグな話 (2/13)
- ゲームの価値は (2/22)
この3つの話の続きといえる話。一応、Vita と関係あったりなかったりする。無い方が割合的には多いけど。
ここからの話は前の3つを読んだ方が通りはいい気がするんだけど、どれもこれもやたらと長いので、正直オススメできない。なので一応、このエントリーだけでも完結するように書いた。足りないと思ったら遡ってもらいたい。が、それはたぶんマゾい人だと思うけど。
で、以下に段落を書いておく。こんな感じの話。
- ソーシャルゲームの人気の理由
- 任意セーブとオートセーブ
- ローカルセーブとオンラインセーブ
- ソーシャルゲームのセーブ
- クロスプラットフォーム
- まとめ
こんな感じのお話。なんとなく中身が見えた人は解散の方向で。
あと、話としてはあえて実在するゲームのタイトルをぼやかして書いてるんだけど、判る人だけ判って!って感じで、やたらと古い話が多いのでVitaは関係が無かったりあったりする。無かったりあったりする。
ソーシャルゲームの人気の理由
巷で大人気な、いわゆるソーシャルネットワークゲームが流行った理由と言うのは、人それぞれ、いろんな意見や研究がされている。それぞれについて「なるほど」と納得感はあると思っているし、実際ハッキリとした結論を出せないほどにいろいろな要素があることは言うまでもない。
で、今回の話題として考えた場合に、自分はソーシャルネットワークゲームが流行った要因の一つが「セーブ」だと考えている。
『え?セーブとか特にないよ。そんなことできたらネットワークじゃないじゃん!やり直し出来るなら、何度でも無料でガチャ回すって!バカじゃないの?』
という意見が聞こえてきそうだ。いや、言いたいことはまさにそこである。
- ユーザはセーブが出来ない
- ユーザはセーブを意識する必要がない
- ユーザにはセーブのわずらわしさや問題を与えない
という事である。
私としてはこれがヒットに繋がったと要因の一つと考えているワケで。
それを詳しく説明する前に「セーブってそもそもなんだっけ」という事を考えてみたい。
任意セーブとオートセーブ
ゲーマーには染みこんでいるセーブという行為自体は、システムとして整理すると「任意セーブ」と「オートセーブ」に分かれる。
まぁ、まんま言葉通りで、
- 任意セーブ
- 特定のポイントやタイミングなどにより、ユーザ側にて「セーブするか否か」を判断できるシステム。セーブしないことも選択でき、場合によってはリセットやロードなどによりセーブ前に戻り、やり直しを行なう事が出来る。セーブデータのコントロールをユーザ側が選択できる。
- オートセーブ
- (ゲーム内でのタイミングは特定化されるが)システム側にて「セーブ」を強制的に行なうシステム。基本的にセーブは常に上書きとされ、過去に戻ることは出来ない。セーブの実施に対してユーザ側での判断、選択できない。
任意セーブについては、ゲームによって「常に上書き」と「別セーブ可能」に分かれる場合があるが、本説明内では同一としている。ユーザがコントロール(選択)出来るという点では違いはないので。
また、オートセーブも「(ゲーム外で)バックアップしていれば戻れる」というゲームもあるが、本説明内では若干趣旨が異なってくるのでこの点は無視することにする。
過去に発売されたゲームの全てを把握することは既に不可能ではあるものの、この2つに分けて比率でみれば「任意セーブ」の方が多い。
「オートセーブ」自体も、それこそフロッピーの時代からあるにはあったが、どちらかといえば昨今増加傾向にある方式。更新するデータ量が少なく、セーブの時間が速ければ良いが、遅い場合はユーザ側としてはウザイと感じることもある為、昔は敬遠されていたのが実情。
ローカルセーブとオンラインセーブ
ゲームのセーブは、古くはカセットテープやフロッピーの時代から、ローカルにするのが基本。ローカルという言い方がしっくりこないなら「自分の手元にあるメディアに残す」だろうか。メディアは、今でこそHDDやらメモリカードやらとにかくいろいろある。
だが、時代は「クラウド」である。
ゲームに限らず、「ネットワーク上にデータを置いておくと便利じゃん!」という時代である。
スマホで撮った写真は自動的にサーバにアップロードされパソコンで閲覧出来るし、パソコンで書いて送ったメールの返事は、スマホで受け取ったりまた返事を書いたり出来る。クラウド型のオンラインストレージは人気だし、いまやスマホでは標準アプリとしてインストールされているし。
それこそゲームじゃないけど、これも「セーブ」には違いない。
いや、より正しく言うのであれば「オンラインセーブ」として「ローカルセーブ」と区別をつける話。
ローカルのセーブは自分の手元においておくと言う意味で、とても安心ではあるが、スマホやパソコン間でいちいちデータを受け渡すのが面倒になる。また、受け渡しの過程で「どちらのデータが最新か」が問題になり、場合によっては「望んでいなくても過去に戻ってしまう」という事にもなりかねない。
いや、過去に戻れること自体は悪いことじゃないんだけど。
オンラインのセーブはネットワーク上に置くという意味で、セキュリティーだとかの懸念はあるものの「手元より安心」という人もいる。スマホやパソコン間でデータの受け渡しはなく、常に「最新の情報」を利用できる。サービスによってはバックアップを取ってくれるものもあるし、何より手間や面倒はない。
ソーシャルゲームのセーブ
そして、話が最初の段落に戻る。
「ソーシャルネットワークゲーム」は、セーブと言う概念こそ見えないが、事実上でいえば「オンラインセーブ」であり「オートセーブ」であると言える。
ゲームで遊んでいる人は、セーブを意識する必要はなく、常に最新のデータを使え、ゲームの種類によっては、プラットフォームが違っても、機種を買い換えてもそのまま遊びを継続することができると言う。
私が「ソーシャルゲームの人気の理由」として書いたのは、つまりこのことである。
無論、ユーザがソーシャルゲームとして戦う為には、「過去に戻る」というのは許されない。したがって、セーブデータはオンライン上に無くてはいけないし、それであるが故にいつでもどこでも手軽に最新のデータで遊ぶことが出来るのだ、と。
課金がどうとかそういうのより何より、「手軽であること」と「難しいことを考えなくてもいい」というのは、比較的遊びの中では重要な要素だ。
もちろん、「いろいろ考えなくてはならない部分」もゲームにとっては大事だ。だが、それがセーブという行為である必要性は無い。リセットすることで楽しみが出るゲームもあるにはあるけど、それとこれとは別問題で。
そして、さらっと書いたが「プラットフォームが違っても」ということは、とても大事なことである。
いや、今どきのゲーム機に求められているのは、むしろこの部分なのである。
クロスプラットフォーム
ゲームのクロスプラットフォーム戦略は、かなり前から実験的なものも含めると、とにかくいろいろ試されてきた。
ただ、殆どの例では長続きすることは無かったが、その一番の原因は「クロスするプラットフォームが限られていた」事にある。
おっと。この話をするのにあたり、そもそも「ゲームのクロスプラットフォーム」って何さ?を定義しておかなくてはならない。
この話では、
複数の端末(プラットフォーム)をまたがって(クロス)セーブデータを共有しゲームが遊べること
だ。
複数の端末とは、一般的なゲーム機、据え置き型や携帯型、ガラケーやスマホ、パソコンなども含まれる。
これらは当然、個々の端末のスペックは違うし、開発環境も動作するプログラムも違う。なので、全く同じものを遊べると言うのではなく、別々のものをそれぞれで遊べるようにしたというものが殆どだった。
例えば、万歩計と携帯ゲーム機を繋いで普段は万歩計を持ち歩いてポイントを溜めつつ、ゲーム機側でそのポイントを使うとか、ゲーム機のキャラクターを持ち出してゲームセンターで使えるようにするとかそういう話。
もうここ何年かは普通に行なわれていて、いまや特に新鮮味は無い話ではある。
だが、ここで一つの違いが出てくる。セーブデータは「ローカル」か「オンライン」か。
そして、今までのクロスプラットフォームは「ローカル」が殆どであり、最近のクロスプラットフォームは「オンライン」になってきているという違いがあるという事だ。
まとめ
ここでやっとVitaの話を少しする。別にVitaに限る話でなくてもいいんだけど、わかりやすい例として。
とかいいつついきなり海外の話。しかもまだ発売されていないゲームの話だけど、「MLB12:The Show」というゲームが3月に発売される。このゲーム、「クラウドセーブ」に対応しているとのこと。
詳しいことはまだ判っていない部分もあるんだけど、PS3とセーブデータを共有できるようだ。クラウドの意味するところは「オンラインセーブ」という事だ。ユーザはセーブデータのやり取りを考えず、どちらでも遊ぶことが出来るようになる。
もし、これが出来るようになると、昨年発売された「MHP3rd HD Ver」みたいなゲームの場合でも、ユーザは家ではPS3で、外ではPSPやVitaで同じゲームをするという事も出来るし、その為にセーブデータをやり取りする手間は一切無くなる。常に「最新のデータ」で遊ぶことが出来るようになる。
また、詳細が判っていないものの結構話題となっている「シェルノサージュ」。内容は全く理解していないが、最初に「オンライン専用ゲーム」「偶然つながった“向こうの世界”」「端末をとおして交流」という話を聞いて、真っ先に思いついたのは「クロスプラットフォーム」だった。
具体的にいえば、端末自体は「それぞれ交流可能な場所が限られている」という事で、「Vitaならこの場所」「据え置きゲーム機ならこの場所」「スマホならこの場所」「パソコンならこの場所」と。それぞれのアプリとしては内容を全く別々に作ったとしても、オンラインでのデータは共通となる為、話の同期をとることが出来、また遊ぶ端末、プラットホームが異なることで遊びの幅を広げることが出来るな、と。
いや、ゲーム機に限る話ではなく、もっと生活そのものがゲーム化することだって可能だ。
例えば「コカコーラ」が始めている「ハピネスクエスト」*1だが、携帯電話とスマホだけで遊べるゲームだ。バーコードを読み込ませて。これだって同じようなオンラインゲームの一種だ。誰かと競うようなものではないが。
JRの自動販売機も大型液晶になってICカードで買えたりする中、たとえば「自動販売機で購入したジュース」がゲーム中のキャラクター側にアイテムとして反映されても面白いだろう。恋愛系ゲームでの帰り道、
「ねぇ、ちょっと喉かわいてない?」
というセリフを受けて、自動販売機で何気にいつも飲むジュースを買ったりしたら、
「あーっ。それ毎日飲んでるよね。おいしいのかな。私も同じのにしようかなー?」
みたいになれば、どんだけ妄想膨らませられるんだよ!
という話、で。
まとまってない上に、長くなったのでこの話は一旦終了で。妄想はしすぎると毒、です。
*1:ハピネスクエスト(Coca-Cola Park) ⇒ http://c.cocacola.co.jp/hq/